熟した実の見分け方
ポポーの収穫期は関東で九月上旬から十月上旬です。実は緑のままほとんど色が変わらないので、色だけで熟度を決めるのは難しく、香りと弾力で判断します。木で完熟すると自然に落ちますが、落ちた衝撃で傷むため、その少し手前で採るのが理想です。
実を軽く持ち上げて軸から簡単に外れたら熟しています。引っ張らないと取れないなら数日待ちます。一房の中でも熟し方はばらつくので、一個ずつ確かめます。
ポポーは店に並ばない果物なので、熟した実を見た経験がない人がほとんどです。最初の年は房の中で一番香りの強い一個を先に採り、追熟の変化を覚えると残りの実の判断がつきやすくなります。
| 見た目 | 触った感触 | 判断 |
|---|---|---|
| 濃い緑でつやがある | 固い | まだ早い、木に残す |
| 黄緑に変わり香りがする | 軽く押すと少しへこむ | 収穫の適期 |
| 黒い斑点が出て強く香る | 柔らかい | 完熟、すぐ食べる |
| 皮が黒ずみ果肉が透ける | 崩れそう | 過熟、傷んでいれば処分 |
収穫の手順
実の皮は薄く、指で強く押すだけであとが残ります。ハサミで軸を切り、実を持つときは手のひらで包むようにします。房状についた実は熟し方がそれぞれ違うので、房ごとではなく一個ずつ採ります。
木に残す実と採る実の見分けは、色よりも香りと軸の緩みを優先します。同じ木でも南側の実が先に熟し、北側は一週間ほど遅れます。朝の見回りで香りの強い実から採り、迷ったら一日待ってからもう一度確かめます。
- 朝の涼しいうちに採る
- 気温が上がると実が柔らかくなり傷みやすくなります。朝に見回り、香りが出ている実から順に採ります。雨の翌日は実が水を吸って割れやすいので、特に丁寧に扱います。
- 軸を短く切る
- 軸を長く残すと他の実を傷つけます。実の際でハサミを入れます。手でもぎ取ると軸の付け根が裂けて、そこから傷むので必ずハサミを使います。
- 重ねずに並べる
- 採った実は浅い箱に一段で並べます。重ねると下の実がつぶれます。箱の底に新聞紙を敷き、実同士が触れないように間を空けると傷みが広がりません。
虫が寄りにくい花に受粉させた実は、房の中に大きさの違う実が混じります。小さい実は遅れて熟すので、大きい実だけ先に採って残りは木に置きます。
追熟と食べごろ
少し早めに採った実は室温で追熟させます。二十度前後の室内なら二日から四日で香りが強くなり、押すと指が沈むくらいになれば食べごろです。バナナと一緒に袋に入れると早まります。冷蔵庫に入れると追熟が止まるので、食べごろになってから冷やします。
追熟の日数は室温で変わります。二十五度を超える部屋では一日で柔らかくなることもあるので、暑い時期は朝晩の二回確かめます。逆に十五度以下では一週間かかることもあり、急ぐならバナナと同じ袋に入れます。
- 室温に置く
- 新聞紙を敷いた箱に並べ、直射日光の当たらない場所に置きます。毎日香りと弾力を確かめます。香りが部屋に広がるころが食べごろの合図です。
- 食べごろで冷蔵する
- 柔らかくなったら冷蔵庫の野菜室に移し、二日から三日で食べ切ります。冷やすと甘さが引き締まり、独特の香りも和らいで食べやすくなります。
- 半分に切ってすくう
- 縦半分に切り、スプーンで果肉をすくいます。大きな種は取り除き、皮は食べません。種は一個の実に十個前後入っているので、口に入れないよう先に外します。
保存と加工
生のままでは三日ほどしか持ちません。たくさん採れたら果肉を種と皮から外し、冷凍すると半年ほど保てます。凍らせてそのままシャーベットのように食べても、解凍してジャムやアイスに混ぜても風味が残ります。
種と皮には食用に向かない成分が含まれます。果肉だけを食べ、種は口に入れないようにします。加工するときも皮ごと煮ないで、果肉だけを取り出してから使います。
| 用途 | 保存の目安 | 向いている食べ方 |
|---|---|---|
| 室温で追熟 | 二日から四日 | そのまま生食 |
| 冷蔵 | 食べごろから三日 | 冷やして生食 |
| 果肉を冷凍 | 六か月 | シャーベット、スムージー |
| ジャムに加工 | 冷蔵で二週間 | パンやヨーグルトに |
種は捨てずに湿らせて冷蔵庫で冬を越させると、翌春にまける苗の元になります。ただし実生は親と同じ味にならず、実がつくまで七年ほどかかります。
収穫でよくある失敗と直し方
初めての年は熟度の見極めがつかず、早すぎて渋かったり、遅すぎて落ちて割れたりしがちです。数個を犠牲にして、その木の熟し方を覚えるつもりで臨むと二年目からは迷わなくなります。渋かった実でも、追熟を続ければ甘くなることがあります。
| 失敗 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 渋くて食べられない | 早採り | 追熟を続け、次回は香りが出るまで待つ |
| 落ちて割れた | 採り遅れ | 九月に入ったら毎朝見回り、軸が緩んだら採る |
| 追熟中に黒く腐った | 傷のある実を追熟した | 傷んだ実は分け、風通しのよい場所で追熟する |
| 味が薄い | 実の数が多すぎた | 翌年は六月に一か所二個まで摘果する |
食べて口の中がしびれたり気分が悪くなったりしたら、それ以上食べないでください。体質に合わない人もいる果物です。
ポポーの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
ポポーの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はポポーの育て方にまとめています。
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