八か月かけて育てる作物
エンドウは十月下旬にまいて六月上旬まで畑を使う、期間の長い作物です。冬の五か月はほとんど動きませんが、その間に根がゆっくり張り、春の伸びを支えます。
作業が集中するのは、まき時の秋と、伸び始める三月から収穫の終わる六月です。この二つの時期に予定を空けておくと、余裕をもって回せます。
| 作型 | 種まき | 支柱立て | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 秋まき | 10月下旬〜11月上旬 | 2月下旬〜3月上旬 | 4月中旬〜6月上旬 |
| 春まき | 2月下旬〜3月中旬 | 4月上旬 | 5月下旬〜6月 |
月別のやることカレンダー
関東平野部の露地栽培を目安にした一覧です。暖地では秋まきを十一月中旬まで遅らせ、寒冷地では秋まきをせず、二月下旬から三月の春まきにします。
自分の畑の適期は記録でしか分かりません。まいた日、初花の日、初収穫の日を残しておくと、翌年はまく日を一週間単位で調整できます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 10月 | 石灰と元肥、下旬に種まき | 四年以上マメ科を作っていない場所 |
| 11月 | 発芽と鳥よけ | 網は草丈10センチまで外さない |
| 12月 | 二本に間引き、株元に土寄せ | 本葉2枚から3枚で冬へ |
| 1月 | 敷き草と風よけの手入れ | 霜柱の持ち上げを直す |
| 2月 | 下旬に支柱と網を立てる | 追肥はまだしない |
| 3月 | つるの誘引、下旬に一回目の追肥 | 週に一度つるを網へ寄せる |
| 4月 | 開花、水やりを始める | 中旬からサヤエンドウの収穫 |
| 5月 | 収穫の本番、二回目の追肥 | 二日に一度は必ず採る |
| 6月 | 上旬で収穫終了、株を片づける | 種取りは残した株から |
| 7月 | 畑を休ませる | 根を掘り上げて外へ出す |
| 8月 | 次作の計画 | 来年の場所を決めておく |
| 9月 | 秋まきの準備 | 石灰をまいて耕しておく |
秋は日にちを守る
十月から十一月は、決めた日にまくことがすべてです。畑の準備が間に合わないからと遅らせると、根が張らないまま冬に入ります。石灰と元肥は九月のうちに済ませておきます。
まいたあとは鳥に狙われる時期が二週間ほど続きます。網は必ずかけ、裾がめくれていないかを数日おきに確かめます。ここを省くと、翌朝には一列そっくり消えていることがあります。
- 9月に土を作る
- 苦土石灰をまいて耕し、二週間おいてから完熟堆肥と控えめの化成肥料を入れて畝を立てます。
- 10月下旬にまく
- 株間三十センチ、一か所に三粒から四粒。深さ二センチから三センチにまいて土を押さえます。
- その日のうちに網
- まいた当日に防鳥網をかけ、裾を土で押さえます。二週間は毎日めくれていないかを確かめます。
冬は守るだけにする
十二月から二月は動かさない時期です。間引きと土寄せ(株元に土を集めて寄せること)を済ませたら、あとは敷き草と風よけを保つだけにします。この時期に肥料や水を足すと、茎が伸びて寒さの被害が広がります。
霜柱で株が持ち上がることがあります。朝に見て根が浮いていたら、日中の暖かい時間に足で軽く踏んで土に戻します。浮いたままにすると根が乾いて、春になっても伸びません。
- 12月に二本へ間引く
- 生育のそろった二本を残し、細い株を地際で切ります。抜くと隣の根まで浮いてしまいます。
- 株元を土で隠す
- 茎の下半分が隠れるまで土を寄せます。その上に敷きわらか落ち葉を五センチ敷きます。
- 浮いた株を戻す
- 霜柱で根が浮いていたら、日中に足で軽く踏んで戻します。放つと根が乾いて枯れます。
春は誘引と収穫が毎週続く
三月から六月は毎週の作業が続きます。支柱と網を立て、週に一度つるを寄せ、四月中旬からは二日に一度収穫します。この時期に手が回らないと、株はすぐに終わってしまいます。
収穫が始まったら、採り遅れないことが最優先です。さやを一つでも熟させると株は種を作る方向に切り替わり、新しい花が減っていきます。
- 2月下旬に支柱
- つるが伸び出す前に支柱と網を立てます。株元から十五センチ離して深く差し、頭を横棒でつなぎます。
- 3月は週に一度誘引
- 網から外れて垂れているつるを内側へ入れます。混んだ場所は指でほぐし、左右に広げて風を通します。
- 4月から二日おきに採る
- サヤエンドウは開花から二十日ほどで採りどきです。採り残しを作らないよう、株の下側も確かめます。
- 6月上旬で片づける
- 収穫が落ちたら株を抜き、根まで掘り上げて畑の外へ出します。残すと土に病気が残ります。
予定がずれたときの立て直し
まき遅れや支柱の立て遅れは、そのままにすると収量が大きく落ちます。どこでずれたかによって打てる手が変わるので、まず自分がどの段階でつまずいたかを確かめます。
- 種まきが12月にずれた
- 露地では根が張りません。二月下旬からの春まきに切り替えるか、容器で軒下に置いて育てます。
- 支柱が3月下旬になった
- はったつるを一本ずつ持ち上げて網へ入れます。折れないよう昼の暖かい時間に少しずつ進めます。
- 冬に追肥をしてしまった
- 茎が伸びて寒さに弱くなっています。不織布をかけ、株元に土を厚く寄せて霜から守ります。
- 収穫が追いつかない
- 熟したさやから先に全部外します。株の負担を減らせば、二週間ほどで新しい花が戻ります。
エンドウの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
エンドウの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエンドウの育て方にまとめています。
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