まき時を一週間の幅で守る
エンドウでいちばん大切なのは、まく日を外さないことです。関東平野部の露地なら十月下旬から十一月上旬にまき、本葉二枚から三枚、草丈十センチほどの小さい苗で冬を越させます。この大きさが最も寒さに強い姿です。
早くまきすぎると年内に大きく育ち、伸びた茎が寒さで傷んで枯れます。遅すぎると根が張らないまま冬に入り、春の伸びが鈍ります。迷ったら少し遅めにまくほうが安全です。

| 作型 | 種まき | 収穫 | 向き不向き |
|---|---|---|---|
| 秋まき | 10月下旬〜11月上旬 | 4月中旬〜6月上旬 | 主力。収量がいちばん多い |
| 春まき | 2月下旬〜3月中旬 | 5月下旬〜6月 | 寒冷地向き。収量は落ちる |
| 遅い秋まき | 11月中旬 | 5月〜6月上旬 | 根張りが浅く伸びが鈍い |
連作を四年以上避ける
エンドウはマメ科の中でも連作を特に嫌います。同じ場所で続けて作ると、根が茶色くなって枯れる立枯れが出て、途中で株が消えます。一度作った場所は四年から五年空けるのが確実です。
畑が狭くて場所を回せないときは、プランターや袋栽培に切り替えるのが現実的です。土を新しくすれば毎年同じ場所で楽しめます。前作がインゲンやソラマメだった場所も避けます。
- 四年前までさかのぼる
- その区画で過去四年にマメ科を作っていないか確かめます。記録がなければ、別の場所を選ぶほうが安全です。
- 狭い畑は容器で作る
- 深さ三十センチ以上のプランターや土袋に新しい培養土を入れて作ります。連作の心配がなくなります。
- 根の色を記録する
- 収穫後に株を抜き、根が白ければ健全、茶色く傷んでいれば土に菌が残っています。次の場所選びに使います。
接ぎ木苗はありません。連作の対策は場所を変えることか土を入れ替えることだけだと考えてください。
点まきと鳥よけ
株間三十センチで、一か所に三粒から四粒を点まきします。深さは二センチから三センチ、粒が重ならないように離して置き、土をかぶせて軽く押さえる(転圧という)。深すぎると芽が出るまでに力を使い果たします。
まいた直後と発芽直後は、鳥に種や双葉を食べられます。エンドウの被害でいちばん多いのがこれで、一晩で全部消えることもあります。まいたその日に網か不織布をかけます。
- 三十センチ間隔で穴
- 空き瓶の底などで深さ二センチから三センチのくぼみを三十センチ間隔に作ります。底は平らにならします。
- 三粒から四粒を離して置く
- 一か所に三粒から四粒を、互いに触れないように離して置きます。重なると根が絡んで間引きにくくなります。
- 土をかぶせて押さえる
- 二センチほど覆土し、手のひらで軽く押さえます。押さえないと水が回らず、発芽がそろいません。
- その日のうちに網をかける
- まいた当日に防鳥網か不織布をかけ、裾を土で押さえます。芽が十センチになるまで外しません。
冬越しは小さい苗のまま
十二月に入るころ、本葉二枚から三枚、草丈十センチほどになっているのが理想です。この姿なら関東の寒さは越せます。育ちすぎているようなら、株元に土を寄せて茎を隠し、傷む部分を減らします。
冬の間に間引きます。三本から四本出たうち、生育のそろった二本を残します。一本だけにすると冬に枯れたときに欠株になるので、春まで二本立てで進めます。
- 十二月に二本へ間引く
- 生育のそろった丈夫な二本を残し、細い株を地際で切ります。抜くと隣の根が浮くので切ります。
- 株元に土を寄せる
- 土寄せ(株元に土を集めて寄せること)をして茎の下半分を隠します。寒風と霜から根元を守れます。
- 敷きわらか落ち葉を敷く
- 株元に敷きわらや落ち葉を厚さ五センチほど敷きます。土の凍結がやわらぎ、根の傷みが減ります。
- 風よけを立てる
- 北西側に不織布や笹の枝を立てて風を切ります。冷たい風に直接当たると茎の先が枯れ込みます。
土づくりと元肥の考え方
エンドウは根に付く菌の働きで自分から窒素を得られるので、元肥(前もって土に混ぜる肥料)は控えめにします。一平方メートルあたり完熟堆肥二キロと化成肥料をひと握りで十分です。多いとつるばかり茂って花が付きません。
酸性の土をとても嫌う作物です。まく三週間前に苦土石灰を一平方メートルあたり百五十グラムほどまいて耕し、しっかり中和しておきます。石灰を入れないと生育が目に見えて悪くなります。
- 三週間前に石灰
- 苦土石灰を全面にまき、深さ二十五センチまで耕して混ぜます。エンドウは石灰の効果がとくにはっきり出ます。
- 一週間前に堆肥と元肥
- 完熟堆肥と化成肥料を控えめに入れて耕し、幅六十センチ、高さ十五センチの畝を立てます。
- 水はけを確かめる
- 雨のあとに水がたまる畑なら、畝をさらに十センチ高くします。冬に根が水に浸かると春に伸びません。
芽が出ないときの切り分け
エンドウの発芽でつまずくのは、鳥、深まき、水の三つがほとんどです。十一月中旬までならまき直しが間に合うので、原因を確かめてから手を打ちます。
- 十日たっても出ない
- 土を掘って種を確かめます。ふやけて腐っていれば水のやりすぎ、硬いままなら乾きすぎです。
- 土に穴が空いて種がない
- 鳥に掘られています。網をかけてからまき直します。網は芽が十センチになるまで外しません。
- 双葉だけ食べられた
- 鳥か夜に動く虫です。株元を掘って虫を探し、いなければ鳥と判断して網をかけ直します。
- 芽が出るのがまばら
- 覆土の厚さがそろっていません。遅れた場所に追いまきをし、次回は溝の底を平らにならしてからまきます。
種まきの手順
エンドウは、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
エンドウの種まきでよくある質問
エンドウの種はいつまく?
エンドウでいちばん大切なのは、まく日を外さないことです。関東平野部の露地なら…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
エンドウの種はどうやってまく?
点まきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
エンドウの種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
エンドウの種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
エンドウは何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
エンドウの間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
エンドウの種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
エンドウの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はエンドウの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。