日当たり: 日なた水やり: 少なめ。春先の乾燥時だけ補う耐寒性: 強い(幼苗は特に)
栽培カレンダー
関東地方の目安です。地域と品種で前後します。実際の日付は記録に残しましょう。
エンドウを詳しく知る
項目ごとに 1 ページで掘り下げています。いま知りたいところから読んでください。
記録しておきたいタイミング
播種日と冬越し時の草丈
草丈10〜15cmで冬を迎えるのが理想です。播種日と年末の草丈を残すと、翌年の播種適期が自分の畑基準で決まります。
支柱・ネットを立てた日
つるが伸び始める前に立てます。立てた日と草丈を残すと、来年は迷いません。
初収穫日
開花から2週間前後で採り頃です。記録すると、莢用と実用の採り分けの時期が読めます。
系統と品種(32)
エンドウは系統によって育て方も、向く地域も、収穫の時期も違います。品種名から選ぶより、まず系統を決めてから品種を選ぶほうが失敗が少なくなります。同じ「ブルーベリー」でも、暖地で放任できるものと、寒冷地でこそ本領を出すものが混ざっているためです。
系統をひと目で比べる
| 系統 | 向く地域 | 収穫期 |
|---|---|---|
| スナップエンドウ | 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき) | 4月下旬〜6月上旬 |
| サヤエンドウ(絹さや) | 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき) | 4月中旬〜5月下旬 |
| 実エンドウ(グリンピース) | 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき) | 5月中旬〜6月 |
系統ごとの詳しい違い
スナップエンドウ5 品種
莢ごと丸ごと食べる、肉厚で甘い系統です。1970 年代にアメリカから入った比較的新しいタイプで、いまは家庭菜園でいちばん人気があります。莢が膨らんでから採るので、サヤエンドウより収穫の見極めが数日ぶん遅く、待つほど甘くなります。
- 向く地域
- 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき)
- 収穫期
- 4月下旬〜6月上旬
- 実の大きさ・味
- 肉厚の莢ごと。ゆでて甘い
- 樹の大きさ
- つるあり 1.8〜2m / つるなし 60cm
- 受粉
- 自家受粉(1品種でよい)
- 暑さ
- 中
- 寒さ
- 強い(小苗で越冬)
- 育てやすさ
- ★★★★☆
- 向いている人
- 甘い莢をたくさん穫りたい人
サヤエンドウ(絹さや)7 品種
豆が膨らむ前の若い莢を food として食べる系統で、絹さやとも呼ばれます。3 系統でいちばん収穫が早く、莢が薄いぶん採り遅れると硬くなります。数日おきに採り続けるので、少ない株数でも長く楽しめます。
- 向く地域
- 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき)
- 収穫期
- 4月中旬〜5月下旬
- 実の大きさ・味
- 薄い若莢。柔らかく彩りに
- 樹の大きさ
- つるなし 1.2m 前後が中心
- 受粉
- 自家受粉(1品種でよい)
- 暑さ
- 中
- 寒さ
- 強い(小苗で越冬)
- 育てやすさ
- ★★★★☆
- 向いている人
- 少ない株数で長く穫りたい人
実エンドウ(グリンピース)4 品種
莢は食べず、中の豆だけを食べる系統です。豆ごはんや料理に使います。莢が十分に膨らんでから採るため収穫はいちばん遅く、採れる期間も短めですが、市販の冷凍品とは香りが別物になります。
- 向く地域
- 全国(暖地は秋まき、寒冷地は春まき)
- 収穫期
- 5月中旬〜6月
- 実の大きさ・味
- 豆だけ。豆ごはん向き
- 樹の大きさ
- つるあり 1.5〜2m が中心
- 受粉
- 自家受粉(1品種でよい)
- 暑さ
- 弱い(暑くなると終わる)
- 寒さ
- 強い(小苗で越冬)
- 育てやすさ
- ★★★★☆
- 向いている人
- 採れたての豆ごはんを食べたい人
収穫までのコツ
エンドウを育てるうえで、うまくいくかどうかを分ける勘所です。暦や病害虫の前に、ここだけ押さえておくと結果が変わります。
播種は10月下旬に合わせる
冬越しの適期は本葉2〜3枚の小苗です。早すぎると伸びすぎ、遅いと根が張らないまま冬に入り、春の立ち上がりが鈍くなります。
北側に風よけを立てておく
傷むのは霜より乾いた寒風です。株の北側に不織布や笹を立てて風を切ると、葉先の枯れ込みが減って春の伸びが早くなります。
支柱は草丈30cmまでに立てる
つる同士が絡むと株が引き合って折れます。伸び始める2月末までに2mのネットを張り、巻きひげを手で誘引しておきます。
サヤは平らなうちに摘み取る
絹さやは豆がふくらむ前、長さ7cm前後で採ります。実が太ると株が種づくりに向かい、次々咲いていた花が止まってしまいます。
エンドウの栽培をはじめるのに用意するもの
これから育てるなら、まず次の 4 つがあれば始められます。作業ごとに要るものは、各解説のページにまとめています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。
最初にやることは土づくりです。植え付けの 2〜3 週間前に入れて、土になじませます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 粒状。1kg 袋なら一年ぶんの追肥に足ります。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、追肥は 1 回 30〜50g。
元肥にも追肥にも同じものが使えます。まず 1 袋あれば十分です。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。柄と刃が一体のものは曲がりません。
種まきから植え付けまで、いちばん手に取る道具です。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱と合わせて使います。
薬を使わずに虫を防ぐなら、まずこれです。1mm で止まるのは蛾や蝶。アブラムシやアザミウマまで狙うなら 0.6mm 以下が要りますが、そのぶん風が通らなくなります。
- 道具のセット買いは要りません。使う場面が来てから 1 つずつ足すほうが無駄になりません。
- 苗から始めるなら、種まき用の資材は要りません。
エンドウの病害虫(38)
症状・予防・対処が分かっているものを、重要度の高い順に並べています。「一般的な内容」と付いているものは、この作物にかぎった記述がまだ無く、病害虫そのものの説明を出しています。
ハモグリバエ類(エカキムシ)
よくある害虫一般的な内容
症状 葉の中に白い曲がりくねった線が走り、線の先端に幼虫がいる。被害が進むと葉全体が白く枯れ、光合成が落ちる。
予防 防虫ネットと黄色粘着トラップで成虫の侵入と密度を抑える。被害葉は見つけ次第摘み取り、圃場外で処分する。
対処 線の先端を指で潰して幼虫を殺す物理的防除が有効である。多発時は葉内に浸透する薬剤を選び、若齢期に散布する。
春先の被害が目立つ
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ハモグリバエ科
萎黄病
病気一般的な内容
症状 下葉から黄化し、葉柄がねじれて株が片側に傾く。導管が褐変し、生育が止まって結球しないまま枯れることがある。
予防 抵抗性品種を選び、アブラナ科・イチゴの連作を避ける。無病苗を使い、汚染土壌を農具や靴で持ち込まない。
対処 発病株は根ごと抜き取って処分する。治療は困難なので、輪作や太陽熱消毒で次作の菌密度を下げることを優先する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Candidatus、Fusarium oxysporum、Fusarium oxysporum f. sp. apii ほか8
萎凋病
病気一般的な内容Fop
症状 日中に下葉から萎れ、朝夕は回復する症状を繰り返しながら次第に枯れ上がる。茎を切ると導管部が褐変しているのが特徴である。
予防 抵抗性品種や接ぎ木苗を使い、連作を避ける。排水を改善し、農具や靴による汚染土の持ち込みを防ぐ。
対処 発病株は根ごと抜き取り、圃場外で処分する。薬剤での治療は困難なので、土壌消毒や輪作など次作の対策に切り替える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Ceratocystis fimbriata、Fusarium commune、Fusarium commune f. sp. rapae ほか23
うどんこ病
病気一般的な内容Ep
症状 はじめ葉表に白い斑点が点在し、やがて葉全体が白い粉状に覆われる。進行すると葉が黄化・褐変して枯れ上がり、光合成が落ちて生育と収量が低下する。
予防 日当たりと風通しを確保し、混み合った下葉やわき芽を早めに整理する。窒素過多の軟弱徒長を避け、抵抗性品種を選ぶと発生を抑えやすい。
対処 初発の葉は見つけ次第切除して株外へ持ち出す。まん延前に登録のある殺菌剤を葉裏まで丁寧に散布し、同一系統の連用を避ける。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Blumeria graminis f. sp. hordei、Blumeria graminis f. sp. secalis、Blumeria graminis f. sp. tritici ほか59
疫病
病気一般的な内容
症状 葉に暗緑色の水浸状病斑ができ、急速に拡大して褐色に枯れる。葉裏や病斑周縁に白いかびを生じ、茎や果実にも黒褐色の病斑が広がる。
予防 健全な種いも・苗を使い、排水と通風を確保する。雨よけ栽培や敷きわらで泥はねを防ぎ、ナス科の連作を避ける。
対処 発病株は速やかに抜き取り、圃場外で処分する。降雨前に登録のある殺菌剤を予防散布するのが基本で、発生後の回復は難しい。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Phytophthora asparagi、Phytophthora cactorum、Phytophthora cambivora ほか26
褐斑病
病気一般的な内容Dp
症状 葉に淡褐色〜灰褐色の小斑点ができ、拡大して不整形の病斑となる。病斑が融合すると葉全体が枯れ、株の勢いが急落する。
予防 換気と除湿で葉の濡れ時間を短くし、密植を避ける。被害葉と残さは早めに処分し、連作ほ場では品種と作型を見直す。
対処 初発を見たら病葉を除去し、登録のある殺菌剤を葉裏まで散布する。耐性菌が出やすいので同一系統の連用は避ける。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acidovorax avenae subsp. cattleyae、Alternaria alternata、Alternaria dauci ほか57
菌核病
病気一般的な内容
症状 地際や茎、結球部が水浸状に軟腐し、白い綿毛状の菌糸で覆われる。やがて内部や表面に黒い菌核が形成され、株は萎れて枯死する。
予防 排水を良くし、密植と過湿を避ける。菌核は土中で数年生存するため、被害株は菌核ごと取り除き、イネ科との輪作や深耕を行う。
対処 発病株は周囲の土ごと除去して処分する。発生しやすい時期には登録のある殺菌剤を株元中心に散布する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Sclerotinia bulborum、Sclerotinia intermedia、Sclerotinia rubi ほか5
さび病
病気一般的な内容
症状 葉の表裏に小さな橙黄色〜赤褐色の隆起した斑点ができ、破れて粉状の胞子を飛散する。多発すると葉が黄化して早期に枯れ上がる。
予防 密植を避けて風通しを確保し、窒素過多にしない。被害葉は残さず処分し、越冬源となる残株やロゼット葉を片付ける。
対処 初期の被害葉は摘み取って処分する。発生初期に登録のある殺菌剤を散布し、まん延前に抑えるのが有効である。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aecidium minoense、Aecidium quintum、Arthuriomyces peckianus ほか90
炭疽病
病気一般的な内容
症状 葉や果実に淡褐色〜黒褐色の円形病斑ができ、中央がややくぼんで輪郭がはっきりする。湿ると病斑上に鮭肉色の粘質な胞子塊がにじみ出る。
予防 雨よけと敷きわらで泥はねを防ぎ、風通しをよくする。被害残さは土中にすき込まず処分し、無病苗を用いる。
対処 病斑のある葉・果実は早めに摘み取って処分する。梅雨期は登録のある殺菌剤を降雨の前後に散布して感染を抑える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Colletotrichum Colletotrichum gloeosporioides、Colletotrichum acutatum、Colletotrichum aenigma ほか66
苗立枯病
病気一般的な内容
症状 地際部がくびれて水浸状〜褐色に細くなり、苗がぱたりと倒伏する。発芽前に侵されると出芽自体がそろわず、欠株となる。
予防 清潔な新しい培土と消毒済みの容器を使い、播種後の過湿と厚まきを避ける。換気して苗を締めて育てることが最大の予防である。
対処 発病苗と周囲の培土は速やかに取り除く。灌水を控えて表面を乾かし、必要に応じて登録のある薬剤で灌注処理を行う。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Achlya klebsiana、Cylindrocladium canadense、Fusarium avenaceum ほか41
根腐病
病気一般的な内容Ns
症状 細根が褐色〜黒褐色に腐り、株の生育が止まって下葉から黄化する。日中に萎れやすくなり、進行すると株ごと枯死する。
予防 排水性の良い用土と高畝を用い、灌水は表土が乾いてから行う。受け皿に水を溜めず、鉢の連用時は用土を更新する。
対処 発病株は抜き取り、周囲の過湿を解消する。軽症なら灌水を控えて根の回復を待ち、必要に応じ登録のある薬剤を灌注する。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Aphanomyces cladogamus、Aphanomyces cochlioides、Cylindrocladium floridanum ほか47
ネコブセンチュウ
害虫一般的な内容
症状 日中に株が萎れ、施肥や潅水をしても回復しない。抜き取ると根に大小の こぶ が数珠状に付き、細根が乏しい。
予防 同じ科の連作を避け、対抗植物のマリーゴールドや緑肥を輪作に入れる。抵抗性台木の接ぎ木苗を使うのも有効だ。
対処 被害株は根ごと抜き取り圃場外へ持ち出す。夏季は透明マルチによる太陽熱消毒で土壌中の密度を下げる。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): ネコブセンチュウ属、アレナリアネコブセンチュウ、キタネコブセンチュウ ほか5
灰色かび病
病気一般的な内容Bc
症状 花や果実、葉に水浸状の褐色病斑ができ、表面に灰色のふわふわしたかびを密生する。果実は軟腐して落果し、収穫後も貯蔵中に腐敗が進む。
予防 咲き終わった花弁や枯れ葉をこまめに取り除き、湿気のこもらない株間を保つ。雨よけと換気で結露を減らすと効果が高い。
対処 発病部位は胞子を飛ばさないよう静かに袋へ入れて処分する。多湿期には登録のある殺菌剤を予防散布し、耐性菌回避のため系統を替える。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Botryotinia fuckeliana、Botrytis cinerea、Botrytis galanthina ほか2
斑点病
病気一般的な内容
症状 下葉から褐色〜灰白色の小さな円形病斑が現れ、中央が灰色になって黒い小粒点を伴う。病斑が増えると葉が黄化して早期に落葉する。
予防 被害残さを畑に残さず処分し、種子伝染を避けるため健全な種子を用いる。泥はねを防ぎ、連作を避けて風通しを確保する。
対処 発病葉は摘除して持ち出す。多雨期には登録のある殺菌剤を予防的に散布し、下葉から順に薬液がかかるようにする。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Acroconidiella tropaeoli、Alternaria azukiae、Alternaria dianthi ほか80
べと病
病気一般的な内容Pv
症状 葉表に淡黄色〜黄褐色の角形病斑ができ、葉裏の同じ位置に灰紫色のかびを生じる。病斑が融合して葉が枯れ上がり、株全体が早期に衰える。
予防 密植を避け、株元の泥はねをマルチで防ぐ。夕方の灌水を控えて葉を長時間濡らさず、連作は避ける。
対処 発病葉は早期に除去し圃場外へ処分する。多湿が続く時期は予防的に登録のある殺菌剤を散布し、葉裏にかかるようにする。
病原・原因(この病名で報告のあるもの): Bremia centaureae、Bremia lactucae、Bremia taraxaci ほか30
記録されている病名(23)
農研機構の日本植物病名データベースに、この作物で報告のある病名です。症状の記述はこれからです。
よくあるトラブル
冬に株が枯れた
苗が大きくなりすぎて凍害を受けています。播種が早すぎるのが原因。10月下旬〜11月上旬にまき、小さな苗で越冬させます。
葉が白い粉をふいたようになる
うどんこ病です。春の乾燥と密植で出ます。株間を確保し、発病葉は早めに取り除きます。
去年と同じ場所で育ちが悪い
エンドウは連作を強く嫌います。同じ場所は4〜5年空けるか、プランターなら土を替えてください。
エンドウの動画ランキング
エンドウを扱う園芸 YouTube を、再生数の伸びで毎日集計しています。育て方を動画で確かめたいときに。
この作物でよく出る用語
本文に出てくる言葉の意味は、園芸用語集で短く説明しています。
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