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なしの収穫と保存

なしの収穫と保存|軸の周りの色と音で採り頃を判断し冷蔵で持たせる

なしの栽培イメージ

読むのに約 4

なしは木で熟してから採る果物で、追熟しません。軸の周りの色と実の音で採り頃を判断し、冷蔵で保存します。

採り頃は軸の周りの色で判断する

なしは採ったあと甘くならない果物なので、木で熟してから採ります。幸水や豊水などの茶色の品種は、軸の周りまで茶色が回り、皮のざらつきが取れて滑らかになったら採り頃です。二十世紀など緑の品種は、緑が黄みを帯びてきたら採り頃です。関東平野部での品種ごとの目安を示します。

品種採り頃の目安見分け方
幸水八月中旬〜下旬軸の周りまで茶色になり皮が滑らかになる
二十世紀九月上旬緑が黄みを帯び、香りが立つ
豊水九月上旬〜中旬全体が赤茶色になり、軸の周りのくぼみが深くなる
あきづき九月中旬〜下旬赤茶色で、実を軽く弾くと鈍い音がする
新高十月上旬全体が茶色になり、軸が太く固くなる

収穫の二日前に一個切って確かめます。種が茶色で、果汁が多く甘ければ採れます。白い種はまだ早いです。

傷をつけずに採る

なしは皮が薄く、指の跡や軸で他の実を突いた傷から傷みます。実を手のひらで包んで上に持ち上げるように軽くひねると、軸ごと枝から外れます。無理に引っ張ると短い枝ごと取れて、翌年の花芽を失います。朝の涼しいうちに採ると実が締まって傷みにくくなります。

採り頃を逃すのがなしの一番の失敗です。木で熟してから採る果物なので、早採りすると甘みが乗らず、遅れると果肉が粉っぽくなります。品種ごとの色の目安を頭に入れ、迷ったら一個切って確かめます。

朝の涼しいうちに採る
気温が上がる前に採ると実が締まって日持ちします。日中の暑い時間に採った実は日持ちが短くなります。
持ち上げてひねる
実を下から手のひらで支え、上に持ち上げながら軽くひねります。袋をかけた実は袋ごと持って外します。
色づいた順に数回に分けて
一本の木でも南側と上のほうから熟します。一度に全部採らず、色と音を確かめながら二回から三回に分けて採ります。
浅い箱に一段で運ぶ
採った実は浅い箱に一段に並べます。重ねると軸が下の実を突いて傷になり、そこから腐ります。

保存は冷蔵で、品種で日持ちが違う

なしは常温では三日から一週間で果汁が抜けて食感が落ちます。ポリ袋に入れて口を閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存すれば、幸水で一週間から十日、豊水で二週間ほど持ちます。晩生の新高や新興は日持ちがよく、冷蔵で一か月持ちます。早生から順に食べ、晩生を後に回します。

保存中も一日おきに袋の中を確かめます。一個でも軸の周りが茶色くやわらかくなっていたら取り出し、隣の実にうつる前に食べてしまいます。

品種冷蔵での日持ち注意
幸水一週間〜十日採ってすぐ食べる。最も日持ちしない
豊水二週間軸の周りから傷むので先に見る
二十世紀二〜三週間皮が薄く、こすれ傷から傷む
新高、新興一か月新聞紙で包み野菜室に

なしは乾燥で果汁が抜けます。袋の口を閉じて、他の野菜と分けて保存します。

食べきれない分は加工する

大量に採れた年は、コンポート、ジャム、冷凍で保存します。なしは水分が多いので、ジャムは煮詰めるのに時間がかかりますが、さっぱりした味に仕上がります。冷凍は皮をむいて切り、砂糖水にくぐらせてから袋に入れると変色しません。半解凍でシャーベットのように食べられます。

コンポートで二週間
皮をむいて四つに切り、薄い砂糖水で十分ほど煮て、汁ごと冷蔵します。日持ちの短い幸水に向きます。
ジャムで長く
皮をむいて刻み、重さの三割の砂糖とレモン汁で煮詰めます。水分が多いので弱火で四十分ほどかかります。
冷凍で三か月
皮をむいて一口大に切り、砂糖水にくぐらせて冷凍用の袋に入れます。解凍するとやわらかくなるので、半解凍で食べます。
干して保存する
薄切りにして三日ほど天日で干すと、甘みが濃くなり二週間ほど持ちます。密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて冷蔵します。

実が小さい、味が薄い、粉っぽいときの見直し

収穫した実が小さい、甘みが薄い、食感が粉っぽいといった不満は、摘果の量、水、採る時期で説明がつきます。実が多くて小さいなら摘果不足、甘みが足りないなら早採りか日照不足、粉っぽいなら採り遅れか常温での保存です。翌年に向けて、どれに当たるかを実の様子から切り分けます。

収穫の姿原因翌年の直し方
数は多いが小さい摘果不足五月に葉二十五枚に一個へ絞る
甘みが薄く固い早採り軸の周りまで色が回り種が茶色になるまで待つ
粉っぽくて果汁が少ない採り遅れか常温での保存適期に採り、すぐ冷蔵する
実の表面に黒い斑点黒星病落ち葉の片付けと芽出し前の殺菌
形がいびつで片側が膨れる受粉が不十分二回に分けて人工授粉する

翌年に直すのは一つに絞ります。摘果と水やりを同時に変えると、どちらが効いたのか分からなくなり、次の年にまた迷います。

なしの収穫に使うもの

木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。

  • 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
    規格の目安
    刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。

    引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。

  • 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
    規格の目安
    伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。

    脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。

  • 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
    規格の目安
    20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。

    深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。

  • 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
    規格の目安
    果実用のネットキャップか、新聞紙。

    一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
  • 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。

なしの収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はなしの育て方にまとめています。

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