症状から原因を見分ける
ピーカンナッツは日本ではまだ栽培が少なく、大きな病害虫の流行はありません。困るのは葉が小さくなる亜鉛不足、実の中に入る虫、葉や実に黒い斑点が出る病気、実を持ち去るカラスやリスです。葉、実、地面の三か所を見て原因を絞ります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 新しい葉が小さく縁が波打ち、節が詰まる | 亜鉛不足 | 亜鉛を含む微量要素の肥料 |
| 夏に実が落ち、割ると中に幼虫 | 実に入るガの幼虫 | 落果を処分、多ければ果樹用の殺虫剤 |
| 葉や実の外皮に黒い斑点 | 黒星病などのかび | 落ち葉の処分、風通しを改善 |
| 葉がべたつき黒くすすける | アブラムシ | 水で流すか果樹用の殺虫剤 |
| 実が割れた殻ごと消える | カラス・リス | 拾う頻度を上げる、ネット |
| 幹の根元に木くず | カミキリムシの幼虫 | 穴に針金か殺虫剤 |
亜鉛不足
ピーカンナッツに特有で、最も多い障害です。新しい葉が小さく、縁が波打ち、枝先の節が詰まってほうきのように葉が集まります。土に亜鉛が少ない場合と、ペーハーが高くて吸えない場合があり、日本の畑では後者が多いです。石灰を入れすぎないことが予防になります。
- 新しい葉の大きさを比べる
- 枝先の新しい葉が去年の葉より明らかに小さく、縁が波打っていたら亜鉛不足を疑います。株全体に均等に出るのが特徴です。
- 土のペーハーを確かめる
- 株元から1メートル離した土を測り、7を超えていたら石灰を止め、酸性の資材で少しずつ下げます。
- 亜鉛を補う
- 亜鉛を含む微量要素の肥料を3月に土へ施すか、5月から6月に葉面散布用の亜鉛肥料を規定倍率で葉にかけます。効果は翌年の葉に出ます。
亜鉛の肥料は与えすぎると害になります。表示の量を守り、一年に一〜二回にとどめます。
実に入る虫
7月から8月に、小さな実が落ちて割ると中に白い幼虫がいることがあります。クルミやクリと同じ仲間のガの幼虫です。落ちた実の中で育って土に潜り、翌年また出てくるので、落果を拾って処分するのが最も効く対策です。家庭では薬を使わず、拾うだけで被害を減らせます。
虫の被害かどうかは、落ちた実の外皮に小さな穴があるかでも判断できます。穴があれば虫、なければ受粉不良や乾燥による生理的な落果です。
- 落ちた実を割って確かめる
- 7月以降に落ちた実を数個割り、中に幼虫や食べた跡があれば虫が原因です。空なら乾燥か受粉不良です。
- 落果は毎週拾って処分する
- 虫の入った実を木の下に残すと翌年増えます。袋に入れて燃えるごみに出すか、深く埋めます。
- 被害が多ければ殺虫剤
- 実の半分以上に虫が入る年は、翌年の6月下旬に果樹用の殺虫剤を実に散布します。収穫までの日数は表示で確かめます。
かびの病気
雨が多い年に、葉や実の外皮に黒い小さな斑点が広がる病気が出ます。ひどいと葉が早く落ち、実の外皮が裂けずに黒く固まって中身が育ちません。日本では大きな被害は少ないですが、落ち葉と落果に菌が残るので、秋の片付けが翌年の予防になります。
| 見た目 | 判断 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉に黒い斑点が少し | 様子見 | 秋に落ち葉を処分 |
| 葉の半分以上に斑点、早く落葉 | 広がっている | 果樹用の殺菌剤を6月に散布 |
| 実の外皮が黒く固まって裂けない | 実に感染 | 落として処分、翌年は5月から殺菌剤 |
| 枝の一部だけ葉が枯れる | 枝の病気か虫 | 枝を切って中を確かめる |
鳥と小動物
外皮が裂けて殻が見えると、カラスが実を持ち去り、リスやネズミも集まります。木が大きいのでネットで覆うのは現実的でなく、落ちる前に拾う頻度を上げるのがいちばんの対策です。カラスは朝早く来るので、朝一番に拾いに行く習慣で被害が減ります。
- 外皮が裂け始めたら毎朝拾う
- 10月下旬から、朝一番に木の下を回ります。前日の午後に落ちた実は、翌朝までに取られることがあります。
- 落ちる前に軽く揺する
- 外皮が裂けた実が多い日は、枝を長い棒で軽くたたいて落とし、その場で拾います。裂けていない実は未熟なので落とさないようにします。
- 拾った実を外に置かない
- 乾燥中の実も狙われます。ネットをかけるか、室内の風通しのよい場所で乾かします。ベランダに広げるときはざるに網をかぶせます。
落葉期の点検と、被害が出たときの立て直し
落葉すると幹と枝の異常が見えます。幹の根元の木くず、枝のこぶ、樹皮の剥がれを冬に確かめると、翌年の対処を早められます。被害が出ても木自体は丈夫なので、原因を一つずつ除けば翌年には戻ります。
| 場面 | 見つけ方 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 幹の根元に木くずと穴 | カミキリムシの幼虫 | 穴に針金を差すか、穴用の殺虫剤を注入 |
| 枝に黒いこぶ | 枝の病気 | こぶの下10センチで切り、処分 |
| 一年で葉が急に減った | 亜鉛不足か根の傷み | 春に亜鉛を補い、株元の踏み固めをやめる |
| 実が全部虫にやられた | 落果を放置した | 毎週拾い、翌年6月に殺虫剤 |
ピーカンナッツの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はピーカンナッツの育て方にまとめています。
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