仕立て方を決める
ピーカンナッツは幹をまっすぐ一本伸ばし、そこから主枝を段状に出す主幹形が向いています。幹が二本に分かれると、その股から裂けて片方が落ちる事故が起きやすく、大木になるほど危険です。若いうちに一本の幹を決めて、競合する枝を切ることが剪定の中心です。
| 樹齢 | 剪定の目的 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 一〜三年目 | 幹を一本にする | 競合する枝を切り、支柱で幹をまっすぐに |
| 四〜七年目 | 主枝の段を作る | 地上1.5メートル以上から主枝を四〜五本選ぶ |
| 八年目以降 | 混みを抜く | 枯れ枝・交差枝・内向き枝を付け根で切る |
| 高さを抑えたい | 芯止め | 目標の高さで幹を切り、以後は毎年切り戻す |
時期は落葉期の一月から二月
落葉して枝の姿が見える1月から2月が適期です。3月に入ると樹液が動いて切り口から水が止まらなくなるので、遅くとも2月中に終えます。太い枝を切るときは、切り口に癒合剤を塗って腐りを防ぎます。夏の剪定は、幹に沿って出る徒長(勢いよく上に伸びること)した枝を取る程度にとどめます。
- 樹液が動く前に終える
- 枝先の芽が膨らみ始めたら遅すぎます。関東では2月下旬までに済ませ、切り口が乾く時間を作ります。
- 太い枝は三回に分けて切る
- 直径5センチ以上の枝は、先に枝の途中で下から三分の一切り込み、次に上から切り落として、最後に付け根で切り直します。皮が裂けるのを防ぎます。
- 切り口を守る
- 直径3センチ以上の切り口には癒合剤を塗ります。塗らないと切り口から腐りが幹に入り、大木になったときに空洞になります。
若木の幹を一本にする
植えて三年までは、幹の先端と競う枝を毎年切ります。先端の芽から出た枝が幹の続きになるので、その下から同じ勢いで伸びる枝は付け根で切るか、半分に切り詰めて弱めます。幹が曲がっていたら支柱にまっすぐ結び直します。
- 幹の続きを一本決める
- いちばん上でまっすぐ伸びる枝を幹の続きとします。二本が同じ高さで競っていたら、細いほうを付け根で切ります。
- 低い位置の枝は残して弱める
- 地上1.5メートルより低い枝は、幹を太らせるために当面残しますが、伸びすぎたら半分に切り詰めます。幹が直径5センチを超えたら順に付け根で切ります。
- 支柱で幹を矯正する
- 幹が曲がっていたら、2〜3メートルの支柱に三か所ほどで結び、まっすぐ矯正します。ひもは幹に食い込まないよう、春と秋に結び直します。
主枝の段を作る
四年目ごろから、地上1.5メートル以上の高さで、幹の周りに均等に配置された枝を主枝として選びます。一段に三〜四本、上の段は50センチ以上離して二〜三段作ると、風に強く光も入る骨組みになります。同じ高さから四方に出る車枝は、股から裂けやすいので一本に減らします。
| 枝の姿 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 幹から45度前後で出る枝 | 主枝として残す | 実の重さと風に耐える角度 |
| 幹に沿って真上に伸びる枝 | 付け根で切る | 幹と競合し、股が裂ける |
| 同じ高さから四方に出る枝 | 一〜二本に減らす | 車枝は幹が弱くなる |
| 水平より下に垂れた枝 | 付け根で切る | 実が付かず日陰になる |
成木の間引き剪定
骨組みができた後は、毎年枯れ枝と混んだ枝を抜く程度で十分です。ピーカンナッツは前年に伸びた枝の先に雌花が付くので、枝先を一斉に切り詰めると翌年の実が減ります。切るのは付け根からの間引きを基本にして、切り詰めは高さを抑えるときだけにします。
- 枯れ枝と病気の枝を取る
- 皮が黒ずんで乾いた枝、こぶができた枝を付け根で切ります。冬に見て分かりにくいときは、指で曲げて折れるかで確かめます。
- 内側の暗い部分を明るくする
- 樹冠の内側で交差する枝、下向きに垂れた枝を抜きます。真下から見上げて空が三割ほど見える程度が目安です。
- 高さを抑えるときは芯止め
- 手の届く範囲で管理したいなら、幹を目標の高さ(4〜5メートル)で切り、その後は毎年上に伸びる枝を切り戻して高さを保ちます。
一度に全体の二割以上を切ると、翌年に徒長枝が大量に出て樹形が乱れます。数年に分けて少しずつ整えます。
剪定の失敗と立て直し
多いのは幹を二本にしてしまったこと、切り口から腐りを入れたこと、切りすぎて徒長枝が暴れたことの三つです。幹の二本立ちは若いうちなら片方を切って直せますが、太ってからでは大きな傷になるので、迷ったら早めに切ります。
| 失敗の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 幹が二又になった | 競合枝を残した | 細いほうを冬に付け根で切り、切り口に癒合剤 |
| 切り口が黒く柔らかい | 癒合剤を塗らなかった | 腐った部分を削って乾かし、再度塗る |
| 翌年に細い枝が大量に出た | 切りすぎ | 夏に細い枝の八割を付け根でかき取る |
| 実が付かなくなった | 枝先を切り詰めた | 翌年は間引きだけにして枝先を残す |
ピーカンナッツの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
ピーカンナッツの収穫までのコツは作物ページに
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