実がつくかどうかは花の時期の天気で決まる
すももは関東平野部で三月下旬から四月上旬に咲きます。この時期はまだ寒く、蜂などの虫が飛ばない日が続くと、受粉樹があっても実がつきません。開花中に雨や低温が続いたら、人工授粉が要ると判断します。花の時期の天気と、木の状態から必要な作業を見て決めます。
| 場面 | 実がつく見込み | 取る手 |
|---|---|---|
| 晴れて暖かく虫が飛んでいる | 高い | 自然に任せる |
| 開花中に雨や十度以下の日が続く | 低い | 晴れ間に人工授粉する |
| 受粉樹が離れている、または鉢 | 低い | 花粉を採って人工授粉する |
| 受粉樹がない | ほぼない | 別品種の花を手に入れて授粉する |
人工授粉のやり方
受粉樹の花を摘み、その花粉を実をつけたい木の花につけます。すももは開花期間が一週間ほどと短いので、咲き始めから三日以内に一度、その二日後にもう一度行うと確実です。晴れた日の午前十時から午後二時の間が花粉の出がよい時間です。
- 受粉樹の花を摘む
- 開いたばかりで黄色い花粉が見える花を十輪ほど摘みます。花びらをむしり取ると、雄しべの先の花粉がつけやすくなります。
- 花に直接こすりつける
- 摘んだ花の雄しべを、実をつけたい木の花の中心(雌しべ)に軽くこすりつけます。一輪の花で二十輪ほどにつけられます。
- 花粉を集めて筆でつける
- 花が多い木は、摘んだ花の葯を紙の上で乾かして花粉を集め、耳かきの綿や細い筆で雌しべにつけると早く済みます。
- 二日おいて二回目
- 一回目のあとで開いた花のために、二日後にもう一度つけます。花びらが落ち始めた花にはつけても実になりません。
花粉は冷蔵庫で一週間ほど持ちます。受粉樹が先に咲いたときは、花粉を採って冷蔵しておくと時期のずれを埋められます。
生理落果を待ってから摘果する
受粉した実は五月上旬にかけて自然に落ちる生理落果があります。この落果が終わる前に摘果すると、残した実まで落ちて数が足りなくなります。落果が落ち着く五月中旬ころ、実が小指の先ほどの大きさになったら摘果を始めます。
摘果は実の数を減らして、残した実を大きく甘くするための作業です。もったいなく感じますが、摘果しない木の実は小さく酸っぱいままで、翌年の花芽も減ります。落ちる実を待ってから、残す実を選ぶ順で進めます。
- 落果が止まったのを確かめる
- 木の下を見て、落ちた実が新しく増えなくなったら摘果に入ります。関東平野部では五月中旬が目安です。
- 傷や形の悪い実から取る
- 虫に刺された実、形がいびつな実、二つがくっついた実を先に取ります。残す実の軸を傷めないよう、実をひねって外します。
- 一か所に一個へ絞る
- 短い枝に三個から五個ついた実を、日当たりのよい一個に絞ります。上向きの実より横向きの実のほうが傷が少なく育ちます。
葉の数で残す実の数を決める
残す実の数は、葉の枚数で決めます。すももは葉八枚から十枚に実一個が目安で、これより多いと実が小さく甘みも乗りません。枝の長さでいえば、十センチから十五センチに一個です。品種によって実の大きさが違うので、大玉品種ほど間隔を広く取ります。
| 品種の大きさ | 残す間隔の目安 | 葉の枚数の目安 |
|---|---|---|
| 小玉(メスレー、大石早生) | 十センチに一個 | 葉八枚に一個 |
| 中玉(サンタローザ、ソルダム) | 十五センチに一個 | 葉十枚に一個 |
| 大玉(貴陽、太陽) | 二十センチに一個 | 葉十五枚に一個 |
摘果をためらうと実が小さくなるだけでなく、翌年の花芽が減って隔年結果(実が多い年と少ない年を繰り返すこと)になります。
袋かけで虫と裂果から守る
摘果を終えた五月下旬から六月上旬に、実に袋をかけます。すももの実を最も傷めるシンクイムシは、六月に実の中に入るため、その前に袋で防ぎます。袋は雨で実が割れる裂果や、鳥の食害も減らします。色を見せたい品種は、収穫の一週間前に袋を外します。
- 殺菌して乾いてからかける
- 袋をかける前日に果樹用の殺菌剤をまき、実が乾いてからかけます。濡れたままかけると袋の中で病気が出ます。
- 軸に隙間なく留める
- 袋の口を軸に巻きつけ、針金でしっかり留めます。隙間があると虫が入り、袋の意味がなくなります。
- 色を見て外す
- 袋の上から触って実が柔らかくなり始めたら、収穫の五日から七日前に外して色をつけます。外してすぐ強い日に当てると日焼けするので曇りの日に外します。
実がつかない、落ちるときの原因
花は咲くのに実がならない、ついた実が六月に落ちるといった不調は、受粉、木の勢い、水のどれかが原因です。落ちた時期と実の様子で切り分けます。すももは受粉さえ済めば実つきのよい果樹なので、まず受粉から疑います。
| 症状 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 花が散ってすぐ小さい実が全部落ちる | 受粉していない | 受粉樹を用意し人工授粉する |
| 五月に半分ほど落ちる | 生理落果で正常 | 落果後に摘果する |
| 六月に大きくなった実が落ちる | 水切れか実のつけすぎ | 乾いたら水をやり、摘果を強める |
| 実に小さい穴があき落ちる | シンクイムシ | 五月下旬までに袋をかける |
すももの受粉に使うもの
1 本では実らない木があります。自分の木がそれに当たるなら、道具の前に相手の品種が要ります。
- 授粉用の毛ばたき探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたき。梵天と呼ばれる授粉専用のものもあります。
花から花へ軽く触れて回ります。強くこすると花が傷むので、撫でる程度で十分です。
- 授粉用の花粉探す言葉「授粉用 花粉 果樹」
- 規格の目安
- 品種の合う花粉。石松子(増量材)と混ぜて使うものが多いです。
受粉樹を植える場所がないときの代わりです。品種の組み合わせが合わないと実らないので、そこを先に確かめます。
- 綿棒・小筆探す言葉「綿棒 授粉 園芸」
- 規格の目安
- 普通の綿棒か、細い筆。
花の数が少ないときは、1 輪ずつ確実に付けられます。品種を変えるときは新しいものに替えます。
- 1 本で実る品種なら、受粉の道具は要りません。まず自分の品種を確かめます。
- 受粉樹を近くに植えられるなら、人工授粉そのものが要らなくなります。
すももの収穫までのコツは作物ページに
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