一年の流れを表で見る
すももは春から初夏に作業が集中し、収穫が終わる七月以降は木を休ませる時期です。とくに四月から六月は、受粉、摘果、袋かけが二週間おきに続くので、この時期だけは予定を空けておくと失敗が減ります。月の初めに表を見て、次の作業を確かめる習慣をつけます。
| 月 | 主な作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 12月 | 植え付け、冬剪定、元肥 | 落葉後、寒くなる前に |
| 1〜2月 | 冬剪定の仕上げ、幹の見回り | 寒い日の作業は避ける |
| 3月 | 植え付け(春植え)、開花 | 下旬に咲き始める |
| 4月 | 人工授粉、開花後の殺菌 | 咲き始めから三日以内に授粉 |
| 5月 | 摘果、袋かけ | 生理落果が止まってから |
| 6月 | 追肥、水やり、鳥よけ | 梅雨の裂果に注意 |
| 7月 | 収穫、収穫後の礼肥 | 品種で時期が違う |
| 8月 | 夏剪定(徒長枝を抜く) | 収穫後に軽く |
| 9〜11月 | 落ち葉の片付け、水を控える | 花芽の充実期 |
冬(十二月〜二月)は剪定と土づくり
落葉して枝の全体が見える冬に、一年分の骨格を決めます。すももは切り戻した枝から勢いよく伸びるので、切りすぎると翌年は枝ばかりになります。元肥(一年の始めに与える肥料)は十二月に株元へ油かすと堆肥を混ぜて浅く埋めます。
寒冷地では剪定を二月下旬から三月上旬にずらし、強い寒さで切り口が傷むのを避けます。暖地では十二月中に済ませ、芽が早く動き出す前に骨格を決めておきます。
- 十二月に元肥を入れる
- 枝の広がりの先あたりに浅い溝を掘り、油かすを二握りと堆肥をバケツ半分入れて土を戻します。幹のすぐ際には入れません。
- 一月に剪定する
- 短い枝を残し、一メートル以上伸びた枝を半分に切り戻し、真上に伸びる徒長枝を根元から抜きます。太い枝の切り口には癒合剤を塗ります。
- 幹を見回る
- 幹に樹液の固まりや樹皮のはがれがないか見ます。見つけたら削って癒合剤を塗り、病気の入り口をふさぎます。
春(三月〜五月)は受粉と摘果
三月下旬から咲く花の受粉と、その後の摘果が春の主な作業です。開花中に雨や寒い日が続いたら人工授粉をします。花が散ったあと、実に灰色のかびが出やすいので、殺菌剤を一度まいておくと安心です。五月中旬に生理落果が落ち着いたら摘果に入ります。
| 時期 | 作業 | 見て決める目安 |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月上旬 | 開花、人工授粉 | 雨や十度以下なら晴れ間に授粉 |
| 4月中旬 | 花後の殺菌 | 花びらが全部落ちたら |
| 5月中旬 | 摘果 | 木の下の落ちた実が増えなくなったら |
| 5月下旬〜6月上旬 | 袋かけ | 摘果を終えて実が親指の先ほどになったら |
初夏(六月〜七月)は水と収穫
実が大きくなる六月は水を切らさないことが第一です。梅雨の晴れ間に乾いたら、株元にたっぷり水をやります。ただし収穫の二週間前からは水を控えると甘みが乗ります。追肥(育ちの途中で足す肥料)は六月上旬に化成肥料をひとつかみ、実の肥大を助ける目的で与えます。
収穫期の目安は品種で二週間から一か月ずれます。大石早生は六月下旬、ソルダムは七月下旬が関東平野部の目安で、鳥よけはそれぞれの二週間前に間に合わせます。
- 六月上旬に追肥する
- 実が大きくなり始めたころ、枝の広がりの先に化成肥料をひとつかみまきます。多すぎると枝ばかり伸びるので控えめにします。
- 鳥よけを張る
- 色づき始めるとヒヨドリやカラスが来ます。収穫の二週間前に防鳥ネットをかけるか、袋かけを済ませておきます。
- 色と柔らかさで採る
- 実が品種の色になり、軽く握って弾力が出たら採り頃です。ソルダムは緑のまま赤く熟すので、触って判断します。
- 収穫後に礼肥をやる
- 収穫が終わったら油かすをひとつかみ株元にまき、実をつけて疲れた木に養分を戻します。
夏から秋(八月〜十一月)は花芽を作る時期
収穫が終わった八月以降は、翌年の花芽が枝の中で作られる時期です。徒長枝を抜いて枝に日を当て、水は乾いたときだけにして枝を締めます。秋に肥料をやると枝が伸び続けて寒さで傷むので、十月以降は何も与えません。落ち葉は病気のもとになるので、十一月にすべて片付けます。
| 月 | 作業 | やってはいけないこと |
|---|---|---|
| 8月 | 徒長枝を根元から抜く | 太い枝を切る |
| 9〜10月 | 水は乾いたときだけ | 肥料をやる |
| 11月 | 落ち葉を集めて処分 | 落ち葉を株元に残す |
暦がずれたときの立て直し
暖冬で開花が早まった、寒の戻りで花が傷んだ、摘果の時期を逃したといったずれは毎年のように起きます。暦ではなく木の状態を見て判断し、遅れた作業は簡略化してでも済ませます。すももは一年の遅れが翌年の隔年結果につながるので、摘果だけは逃さないようにします。
| 場面 | 起きること | 立て直し |
|---|---|---|
| 三月中旬に咲き始めた | 受粉樹と時期が合わないことがある | 早く咲いた木の花粉を冷蔵し、後の木に授粉 |
| 開花中に霜が降りた | 雌しべが黒くなり実がつかない | 残った花に人工授粉。翌年は寒冷紗を用意 |
| 摘果を六月に入っても忘れた | 実が小さいまま止まる | 遅くても六月中旬までに強めに摘果 |
| 梅雨に実が割れた | 裂果で腐る | 割れた実を取り、翌年は袋かけと排水改善 |
すももの栽培に一年を通して使うもの
木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。
アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。
直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。
- 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。
冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
- 規格の目安
- 目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
- 数量の目安
- 高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。
色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。
- 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
- チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。
すももの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はすももの育て方にまとめています。
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