実がつく枝とつかない枝を見分ける
すももの実は、長さ十センチ以下の短い枝(短果枝)と、その先にできる丸い花芽につきます。一年で一メートル以上伸びた長い枝には葉の芽ばかりで、そのままでは実がつきません。剪定の前に木を一周して、短い枝の数と長い枝の数を見ておくと切る量の目安になります。
すももは梅と同じ仲間ですが、梅より枝の伸びがずっと強く、放任すると三年で四メートルを超えます。実がつく短い枝は木の内側や下のほうにできるので、上に伸びた枝で日陰を作らないことが剪定の最大の狙いです。
| 枝の姿 | 実がつくか | 剪定での扱い |
|---|---|---|
| 長さ十センチ以下で丸い芽が並ぶ | つく | 残す。触らない |
| 三十センチ前後で先が細い | 先の方に少しつく | 先を三分の一切り戻す |
| 一メートル以上まっすぐ伸びた | つかない | 半分に切り戻すか根元から抜く |
| 真上に向かって太く伸びた(徒長枝) | つかない | 根元から抜く |
花芽は丸く膨らみ、葉芽は細く尖ります。冬に見比べると区別がつきます。
冬剪定は十二月から二月に骨格を作る
葉が落ちて枝の全体が見える十二月から二月に主な剪定をします。家庭では主枝を三本にした開心自然形が扱いやすく、高さを二メートル台に抑えられます。切り口が大きいと枯れ込みやすいので、太い枝を切ったときは癒合剤を塗ります。
植えて一年目から三年目は形を作る時期で、実をつけさせるより主枝を育てることを優先します。四年目以降は、伸びた枝の切り戻しと混んだ枝の間引きを毎年繰り返す手入れになります。徒長(枝が勢いよく伸びすぎて実がつかなくなること)を防ぐ意味でも、毎年少しずつ切るほうが一度に強く切るより効きます。
- 主枝を三本に決める
- 幹から斜め上に出た勢いのそろった枝を三本残し、それ以外の太い枝は根元から切ります。三本が互いに百二十度ずつ離れていると形が整います。
- 長い枝を切り戻す
- 主枝の先端は三分の一を切り、その他の一メートル以上の枝は半分に切り戻します。切り戻すと、残った部分から短い枝が出て翌年以降の実がつく枝になります。
- 混み合った枝を抜く
- 内側に向かう枝、交差する枝、真上に伸びる徒長枝(勢いよく伸びて実のつかない枝)を根元から抜きます。木の中まで光が入る状態が目安です。
- 高さを抑える
- 手が届く高さで主枝の先を止めます。上に伸ばすほど下の枝に日が当たらなくなり、下枝の実がつかなくなります。
枝を横に開いて花芽をつけさせる
すももは枝が立つほど勢いが強くなり、花芽がつきません。斜め四十五度から水平に近い角度に開くと伸びが落ち着き、短い枝がたくさん出て花芽がつきます。植えて二年目から三年目の主枝は、ひもで引いて角度をつけておくと後の剪定が楽になります。
枝を開く作業は、剪定で切る量を減らすことにもつながります。開いた枝は伸びが穏やかになるので、冬に切り戻す枝が少なくて済みます。
- ひもで引いて開く
- 主枝の中ほどにひもをかけ、地面に打った杭や鉢の縁に結んで斜めに引きます。枝が固まる夏まで三か月ほど続けます。
- 重しで下げる
- 細い枝は、袋に入れた砂を枝先近くにぶら下げると下がります。ひもを結ぶ場所が枝に食い込まないよう布を挟みます。
- つっかい棒で広げる
- 二本の枝の間に短い棒を挟み、枝を外側に押し広げます。木が小さいうちに使いやすい方法です。
角度をつけるのは新しい枝が固まる前の六月までが効きます。冬に固まった枝は折れるので無理に曲げません。
夏剪定は徒長枝を抜くだけにする
すももは夏に太い枝を切ると木が弱り、翌年の花芽も減ります。夏の手入れは、真上に伸びる徒長枝を根元から抜くことと、内側に向かう細い枝を取ることに留めます。収穫後の七月から八月に済ませると、残った枝に日が当たって花芽の充実がよくなります。
夏に抜いた徒長枝は、太さが鉛筆ほどまでなら切り口の手当ては不要です。親指より太い枝を抜いたときだけ、癒合剤を塗って雨の入り口をふさぎます。
| 時期 | 切ってよい枝 | 切ってはいけない枝 |
|---|---|---|
| 六月 | 内側に向かう細い枝 | 太い枝、主枝 |
| 七〜八月(収穫後) | 真上に伸びる徒長枝 | 短い枝、主枝の先 |
| 九月以降 | 枯れた枝だけ | 生きている枝全て |
花が少ない、枝ばかり伸びるときの原因と戻し方
すももで最も多い相談は、木は大きくなるのに花が咲かないというものです。原因はほぼ、肥料の多さ、枝の立ちすぎ、日照不足、冬の強すぎる剪定のどれかです。木の姿から原因を切り分けて、翌年に向けて直します。
| 木の姿 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 枝が一年に二メートル伸び太い | 肥料と剪定が強すぎる | 肥料をやめ、冬は切り戻しを減らして枝を開く |
| 枝は多いが短い枝が出ない | 枝が立っている | 六月までにひもで枝を開く |
| 日陰側の枝に花がつかない | 日照不足 | 夏に徒長枝を抜き、周りの木を整理する |
| 花は咲くが実がつかない | 受粉樹がない | 別の品種を植えるか人工授粉する |
すももの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
すももの収穫までのコツは作物ページに
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