採り頃は品種の色と弾力で判断する
すももは品種によって熟した色が赤、紫、黄、緑と違います。色だけで決めず、実を軽く握って弾力が出て、軸の近くまで色が回ったら採り頃です。関東平野部では六月下旬から八月上旬が収穫期で、品種ごとに目安を示します。木で完熟させると最も甘くなりますが、日持ちしないので、生食は完熟、保存する分は少し早めに採ります。
同じ木でも枝の上と下で一週間ほど熟す時期がずれます。全体が色づいたように見えても、日陰側の実はまだ硬いことが多いので、一個ずつ触って確かめてから採ります。
| 品種 | 採り頃の目安 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 大石早生 | 六月下旬〜七月上旬 | 全体が赤くなり握ると弾力が出る |
| メスレー | 七月上旬 | 濃い赤紫になり香りが立つ |
| サンタローザ | 七月中旬 | 赤紫が軸まで回り、実の先が柔らかい |
| ソルダム | 七月下旬〜八月上旬 | 表面は緑のまま、触って弾力が出たら |
| 貴陽 | 八月上旬 | 赤紫になり、軸の周りが柔らかい |
ソルダムは緑色のまま中が赤く熟します。色を待つと採り遅れて落ちるので、必ず触って判断します。
傷をつけずに採る
すももは皮が薄く、指の跡がつくだけでそこから傷みます。実を手のひらで包んで上に持ち上げるように軽くひねると、軸ごと枝から外れます。表面の白い粉(果粉)は鮮度の証しで、こすると取れて日持ちが落ちるので、なるべく触らずに採ります。
採った実は日なたに置かず、すぐ日陰に移します。収穫した日のうちに、傷のある実や押し跡のある実を分けておくと、保存中に周りへ傷みが広がるのを防げます。
- 朝の涼しいうちに採る
- 気温が上がる前に採ると実が締まって傷みにくくなります。日中の暑い時間に採った実は、その日のうちに柔らかくなります。
- 持ち上げてひねる
- 実を下から支え、上に持ち上げながら軽くひねります。引っ張ると短い枝ごと取れて、翌年の花芽を失います。
- 色づいた順に数回に分けて
- 一本の木でも日当たりのよい南側から熟します。一度に全部採らず、色と弾力を確かめながら三回から四回に分けて採ります。
- 浅い箱に一段で運ぶ
- 採った実は浅い箱に一段に並べます。重ねると下の実が押されてつぶれ、そこから腐ります。
固めに採った実は常温で追熟させる
すももは採ったあとも熟が進む果物で、少し固めに採った実は常温に二日から三日置くと柔らかく甘くなります。これを追熟といいます。冷蔵庫に入れると追熟が止まるので、食べ頃になるまでは室内の日の当たらない場所に置き、食べ頃になったら冷やします。
追熟で甘くなるのは、木でほぼ熟して色が回った実だけです。緑のまま硬い実は置いても柔らかくなるだけで甘みは増えないので、採る時期を早めすぎないことが前提です。
| 状態 | 置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 固く酸味が強い | 室温で新聞紙に包む | 二〜三日で柔らかくなる |
| 柔らかく香りが出た | 冷蔵庫の野菜室 | 二〜三日以内に食べる |
| 完熟で果汁があふれる | その日に食べるか加工 | 保存できない |
追熟中は毎日触って確かめます。一日で急に柔らかくなることがあるので、見逃すと傷みます。
保存は冷蔵で短く、長く持たせるなら加工
すももはりんごのように長くは持たず、冷蔵でも一週間が限度です。大量に採れた年は、ジャム、シロップ漬け、冷凍で保存します。皮ごと煮ると皮の色が出て赤いジャムになります。冷凍は洗って水気を拭き、丸のまま袋に入れるだけで済み、半解凍でシャーベットのように食べられます。
すももの酸味は皮の近くに集まっているので、生で酸っぱく感じる実も、皮ごと煮ると甘酸っぱさがちょうどよくなります。ジャムにするなら少し固めの実のほうが香りも色も残ります。
- 冷蔵はポリ袋で一週間
- 食べ頃になった実をポリ袋に入れて野菜室へ。乾燥すると皮がしぼむので、袋の口は軽く閉じます。
- ジャムにする
- 種を取って皮ごと刻み、重さの四割の砂糖で煮ます。酸味が強い品種ほど色よく固まります。
- 冷凍で三か月
- 傷のない実を洗って拭き、そのまま冷凍用の袋に入れます。半解凍で食べるか、解凍してジュースにします。
酸っぱい、小さい、落ちるときの見直し
収穫した実が酸っぱい、小さい、採る前に落ちてしまうといった不満は、採る時期と摘果と水で説明がつきます。すももは早採りすると追熟しても酸味が抜けきらず、遅れると一気に落ちます。翌年に向けて、どれに当たるかを実の様子から切り分けます。
| 収穫の姿 | 原因 | 翌年の直し方 |
|---|---|---|
| 酸っぱく硬い | 早採り | 弾力が出るまで待ち、固めなら追熟 |
| 数は多いが小さい | 摘果不足 | 五月中旬に葉十枚に一個へ絞る |
| 採る前に落ちる | 採り遅れかシンクイムシ | 毎日触って確かめ、袋かけをする |
| 割れて腐る | 梅雨の大雨 | 株元を覆い、袋かけをする |
| 色は良いが味が薄い | 収穫前の水のやりすぎ | 収穫二週間前から水を控える |
すももの収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
すももの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はすももの育て方にまとめています。
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