症状から原因を絞る
ザクロは病気が少なく、困るのは虫と生理的な障害です。どこに何が出ているかで原因がほぼ決まるので、まず表で当たりを付けます。
害虫は二から三日で数が増えます。週に一回は枝と新芽の裏を見て回り、異変に気づいたらその日のうちに手を打つのが、薬をなるべく使わずに済ませるこつです。
薬を使う前に、被害が広がる速さを見ます。一週間で目に見えて増えているなら薬を、変わらないなら手で取る対応で十分です。写真を撮っておくと増え方を比べやすく、判断に迷いません。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 枝に白や茶色の小さな貝殻状の粒 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 新芽が縮れ、葉がべたつく | アブラムシ | 水で流すか野菜用の殺虫剤 |
| 葉や枝が黒いすすで汚れる | カイガラムシやアブラムシの排せつ物 | 元の虫を退治する |
| 実の表面に黒い斑点、腐る | 黒斑病などのカビ | 病果を取り、風通しを良くする |
| 収穫前に実が割れる | 水分の急な変化 | 敷きわらと早めの収穫 |
| 幹に穴と木くず | カミキリムシの幼虫 | 穴に針金を入れて刺す |
カイガラムシは冬に落とす
枝に張り付く白や褐色のカイガラムシは、樹液を吸って樹勢を落とし、排せつ物にすす病を呼びます。成虫は殻に守られて薬が効きにくいので、落葉期に物理的に落とすのがいちばん確実です。
剪定で枝を減らし、風と光が枝の内側まで届くようにしておくと、カイガラムシは付きにくくなります。薬より先に、枝が混んでいないかを確かめるのが根本の対策です。
歯ブラシでこすった後は、枝に残った殻が風で落ちるので、株元に新聞紙を敷いておくと後片付けが楽です。落とした殻はまとめて袋に入れて処分します。
- 落葉期に枝を見る
- 一月の剪定と同時に枝を一本ずつ見て、粒が付いていたら古い歯ブラシでこすり落とします。混み合った枝は切ってしまうほうが早いです。
- 冬にマシン油乳剤を散布
- 落葉中に果樹用のマシン油乳剤を枝全体にかけると、殻ごと窒息させられます。芽が動いてからは薬害が出るので使いません。
- 五から六月の幼虫を狙う
- 殻を持たない幼虫が動く時期は薬が効きます。果樹に使える殺虫剤を葉裏と枝にかけます。
薬は表示の対象作物と回数を守ります。収穫前の使用日数も確認します。
アブラムシは新芽の時期だけ
四月から六月の柔らかい新芽にアブラムシが集まり、葉が縮れて花が付きにくくなります。数が少ないうちなら水で流すか、指でつぶすだけで済みます。増えたら野菜や果樹に使える殺虫剤を新芽にかけます。
アリが幹を上り下りしていたらアブラムシがいる目安です。アリはアブラムシの甘い排せつ物を集めに来るので、アリの行き先をたどると見つかります。
殺虫剤を使う場合は、開花中を避けて花の前か実が付いた後にします。花に薬がかかると受粉に来る虫を減らし、実付きが悪くなります。
- 新芽の裏を毎週見る
- 縮れた葉の裏を見て、緑や黒の小さな虫が付いていたら早めに落とします。テントウムシがいれば放っておいても減ります。
- 肥料を控える
- 窒素が多いと新芽が柔らかく伸び、アブラムシが増えます。春の肥料はやめ、冬の寒肥だけにします。
実の割れは水分の管理で防ぐ
ザクロの実は熟すにつれて果皮が固くなり、乾いた後に急に水を吸うと内側の粒がふくらんで割れます。九月の長雨の後によく起きます。割れた実は数日で腐るので早く採ります。
割れる実が毎年多い品種もあります。そうした樹は、九月に入ったら色づき七分ほどでも採ってしまうか、雨よけを掛けて対応します。
実の日焼けも障害の一つです。真夏に直射日光が長時間当たる面が茶色く固くなり、そこから割れることがあります。実の周りの葉を残し、鉢植えなら西日を避けた場所に置きます。
| 場面 | 起きること | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 夏の乾燥後の大雨 | 一斉に割れる | 敷きわらで乾きを抑える |
| 鉢を乾かし過ぎた後の水やり | 数日後に割れる | 肥大期は毎日安定して与える |
| 収穫を遅らせた | 熟し過ぎで割れる | 色が付いて角張ったら採る |
収穫の二週間前から雨よけとして鉢を軒下に移すと、割れる実が大きく減ります。
枝が枯れ込むときの見分け
枝先が枯れる原因は、寒風、カミキリムシ、水のやり過ぎの三つがほとんどです。枯れた場所と時期で見分けます。枯れた枝の皮を少し削って緑が残っているかを確かめ、茶色ならその下の生きている部分まで切り戻します。
切り戻した後は、切り口に癒合剤を塗って乾燥と菌の侵入を防ぎます。太い枝を切った年は樹が弱っているので、実は減らして翌年に備えます。
| 時期と場所 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 春に枝先だけ枯れる | 冬の寒風や霜 | 五月に枯れた部分だけ切り戻す |
| 夏に一本の枝が急にしおれる | カミキリムシの幼虫 | 幹の穴を探し針金で刺す |
| 株全体の葉が黄色く落ちる | 過湿による根の傷み | 水を減らし、鉢なら植え替える |
ザクロの収穫までのコツは作物ページに
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