鉢か地植えかを最初に決める
ザクロは放っておくと高さ三から五メートルになる落葉樹ですが、根が浅く細いので鉢でも育ちます。実を早く見たいなら鉢、樹として長く楽しむなら地植えです。庭の広さと、冬に何度まで冷えるかを見て決めます。
苗は一年生の接ぎ木苗か挿し木苗が主流で、実が付くまで地植えで四から五年、鉢で二から三年が目安です。花を早く見たいなら、すでに枝分かれした二から三年生の大苗を選ぶと一年短縮できます。
| 場面 | 向く育て方 | 理由 |
|---|---|---|
| ベランダ・庭が狭い | 八から十号鉢 | 根が浅く鉢でも二から三年で実が付く |
| 庭に一日六時間以上日が当たる場所がある | 地植え | 乾きに強く放任でも樹が育つ |
| 冬に氷点下十度を下回る | 鉢で軒下に移動 | 若木は寒風で枝先が枯れ込む |
| 土が粘土質で水が抜けない | 高畝か鉢 | 過湿で根が傷み葉が落ちる |
実を採る目的なら、花を観賞する八重咲きの品種ではなく、一重で実が付く品種を選びます。苗のラベルに実成りと書いてあるかを確かめます。
植え付けは落葉中か芽吹き前
関東平野部の露地なら、落葉が終わった十二月から二月と、芽が動く直前の三月が適期です。寒冷地では春の三月中旬から四月に植え、冬の間に根が凍らないようにします。ポット苗なら根鉢を崩さずに植えれば真夏以外はいつでも動かせます。
- 穴を大きめに掘る
- 直径と深さが五十センチ前後の穴を掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯ほど混ぜます。石灰を一握り加えて弱酸性から中性に寄せると根の張りが良くなります。
- 接ぎ木部分を土に埋めない
- 苗の根元にある接ぎ木のふくらみが地面より上に出るように高さを合わせます。深く植えると接ぎ穂から根が出て、台木の性質が失われることがあります。
- 植えたら水をたっぷり
- 土を戻したら株元に水鉢を作り、バケツ一杯の水を二回に分けて流し込みます。土と根の間の空気が抜けて根付きが早くなります。
- 支柱で揺れを止める
- 一年目は風で根が動くと活着が遅れます。苗に沿わせて一本の支柱を立て、幹をゆるく八の字に結んでおきます。
植え付け時に幹を地面から五十から六十センチの高さで切り戻すと、低い位置から枝が出て採りやすい樹形になります。
鉢植えの用土と鉢の大きさ
鉢は苗の根鉢より一回り大きい六から七号から始め、二年ごとに一号ずつ上げます。いきなり大鉢に植えると土が乾かず根腐れしやすくなります。用土は水はけを優先し、赤玉土の小粒七に腐葉土三の配合が基本です。
鉢植えは二年に一回、二月に一回り大きい鉢へ植え替えます。根鉢の外側を三分の一ほどほぐし、黒く傷んだ根を切ってから新しい用土で植え直すと、根詰まりによる葉落ちが防げます。
| 鉢の大きさ | 苗の目安 | 水やりの頻度 |
|---|---|---|
| 六から七号 | 一から二年生の苗 | 春秋は二から三日に一回 |
| 八から九号 | 実が付き始める三から四年生 | 春秋は二日に一回、夏は毎日 |
| 十号以上 | 五年生以上の成木 | 夏は朝夕の二回 |
鉢底には必ず鉢底石を二から三センチ敷きます。ザクロは過湿に弱いので、受け皿に水をためたままにしないことも大切です。
日当たりと風通しの確保
ザクロは日陰では花が咲きません。一日六時間以上直射日光が当たる場所が必要で、南向きの壁際は反射熱で実の色づきも良くなります。反対に、建物の北側や大きな木の下では枝ばかり伸びて花が付かないので、その場合は場所を変えるほうが早いです。
風通しも大切です。壁際に密着させると湿気がこもりカイガラムシが増えるので、壁から五十センチほど離して植えます。鉢植えなら、夏の間だけ台の上に置いて鉢の周りに風が抜けるようにすると、根の蒸れも防げます。
- 午前の光を優先する
- 午後だけ日が当たる場所より、朝から昼にかけて日が当たる場所を選びます。葉が朝露から早く乾き、病気が出にくくなります。
- 隣の木と二メートル空ける
- 成木は枝が横に広がります。ほかの果樹やフェンスから二メートルほど離しておくと、剪定と収穫の作業がしやすくなります。
植えた後に元気がないときの切り分け
植え付け後の一か月は葉が出ないこともあり、あわてて掘り返すと失敗します。枝を軽く曲げて弾力があり、皮の下が緑なら生きています。判断は次の表を目安にしてください。
| 状態 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 四月になっても芽が出ない | 根の活着待ち | 枝の皮を少し削って緑なら待つ |
| 新芽が出てすぐしおれる | 水不足か根の乾き | 株元にたっぷり水をやり、藁で覆う |
| 葉が黄色くなって落ちる | 水のやり過ぎで根が傷む | 水を控え、鉢なら乾いてから与える |
| 枝先だけ黒く枯れる | 寒風か霜の傷み | 五月に枯れた部分だけ切り戻す |
一年目に花が咲いても、実は付けずに落とします。根が十分張っていないうちに実を付けると、翌年の生育が遅れます。
ザクロの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ザクロの収穫までのコツは作物ページに
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