水やりは発芽までと穂が出る前だけ
キビは日本で育てる穀物の中でも特に乾燥に強く、根付いてからは雨だけで育ちます。水が要るのは発芽するまでの一週間と、穂が出る直前の七月下旬〜八月に晴れが二週間続いたときです。それ以外に水をやると根が浅くなり、倒れやすくなります。
| 時期 | 水やり | 目安 |
|---|---|---|
| まいて〜発芽 | 表面が乾いたらやさしく | 土の表面が白く乾いたら |
| 本葉〜分けつ期 | 原則不要 | 葉が昼にしおれて夕方戻るなら不要 |
| 穂が出る前後(7月下旬〜8月) | 2週間雨がなければ株元にたっぷり | 朝から葉が巻いていたら |
| 登熟期(8月下旬〜収穫) | 不要 | 乾かし気味にすると実が締まる |
葉が昼に細く巻くのはキビが水を節約している姿で、夕方に開けば問題ありません。朝から巻いていたら乾きすぎです。
追肥は一回、株の色で判断する
キビは肥料が多いと茎が軟らかく伸びて倒れ、穂も遅れます。追肥(育ちの途中で足す肥料)は本葉七〜八枚のころ、分けつが始まる時期に一回だけ、化成肥料をひと握り畝の肩にまく程度です。葉の色が濃い緑なら追肥そのものを省きます。
- 葉の色を見る
- 本葉七枚のころ、下の葉が黄色くなり全体の緑が薄いなら追肥します。濃い緑で葉が大きいなら肥料は足りています。
- 畝の肩にまく
- 株元から十センチ離した畝の肩に化成肥料を一平方メートルあたりひと握りまき、土と軽く混ぜます。
- 土寄せと一緒に
- 追肥のあと畝の間の土を株元に寄せます。肥料が土に埋まって効きやすくなり、株元の支えにもなります。
穂が出てからの追肥は不要です。実の充実は葉の養分で進み、遅い肥料は倒伏と鳥害を増やすだけになります。
土寄せで倒伏を防ぐ
キビは草丈が一・五〜二メートルになり、台風や夕立で倒れやすい作物です。株元に土を寄せる土寄せ(株の根元に土を盛る作業)を二回行うと、株元から出る支え根が土をつかんで倒れにくくなります。倒伏を防ぐ一番の手立てです。
- 一回目は本葉七〜八枚
- 最後の間引きと追肥のあと、畝の間の土をくわで株元に五センチほど寄せます。分けつした茎の付け根が隠れる程度です。
- 二回目は草丈五十センチ
- 穂が出る三週間ほど前、株元に支え根が見え始めたら再び土を寄せます。支え根が土に入ると株が安定します。
- 雑草を同時に取る
- 土寄せの前に株元の草を抜きます。キビは初期の生育が遅く、この時期に雑草に負けると穂が小さくなります。
支柱と結束で台風に備える
穂が出て重くなる八月〜九月は台風と重なります。畝の両端に支柱を立ててひもを二段張り、株を挟むように支えると倒れにくくなります。倒れても数日以内に起こせば穂は実りますが、地面に付いた穂はカビと鳥害で使えなくなります。
| 場面 | 備え | 倒れたときの手当て |
|---|---|---|
| 穂が出る前(7月下旬) | 畝の両端に1.5メートルの支柱を立てる | 土寄せを追加する |
| 穂が出たあと(8月) | 高さ60センチと100センチにひもを張る | 起こして支柱に結ぶ。数株まとめて縛る |
| 台風の直前 | ひもを増やし、株をまとめて縛る | 倒れた穂は翌朝までに起こす |
| 登熟の終わり(9月) | 早めに収穫して室内で乾かす | 地面に付いた穂は切り捨てる |
支柱は穂が出る前に立てておくと、台風が来てから慌てずに済みます。ひもは麻ひもより伸びない園芸用のひもが向きます。
分けつと穂の数を見る
キビは株元から茎が増える分けつをして、一株で三〜五本の穂を付けます。株間が広く肥料が適量だと分けつが増え、密植だと一本立ちになります。分けつの多さは穂の数に直結するので、本葉七枚のころに株元を見て、分けつが少なければ株間を広げるか薄く追肥します。
- 株元の茎を数える
- 本葉七〜八枚のころ株元をのぞき、主茎のほかに茎が二〜三本出ていれば順調です。一本だけなら株間か肥料を見直します。
- 遅い分けつは残さない
- 穂が出たあとに出る細い分けつは実らず、養分を取ります。見つけたら株元で切り取り、主茎の穂に集中させます。
分けつの数は品種でも変わります。在来種は分けつが多く、市販の改良種は少なめなので、数本しか出なくても品種の癖なら気にしません。
倒れた、穂が出ないときの原因と手当て
キビの生育中のトラブルは、肥料と水の与えすぎか、まき時の遅れが原因のことが多いです。株の姿を見て原因を切り分け、収穫までにできる手当てを打ちます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 草丈2メートルで倒れる | 肥料と水の与えすぎ、土寄せ不足 | 起こして支柱に結ぶ。翌年は元肥を半分に |
| 穂が出ない、遅い | 遅まき、日照不足、窒素過多 | 水と肥料を止めて待つ。9月中に出れば収穫できる |
| 穂が小さく数が少ない | 密植、初期の雑草 | 翌年は間引きを早め、株間15センチに |
| 葉先が枯れて巻く | 乾燥が長い | 穂が出る前なら株元にたっぷり水。登熟期なら放置 |
キビの育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
キビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキビの育て方にまとめています。
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