刈り時は穂の色と粒の硬さで判断する
キビの穂は上から順に熟し、全部が黄色くなるのを待つと先に熟した粒が落ちてしまいます。穂の三分の二が黄色くなり、上のほうの粒を指でつぶして硬く割れるようになったら刈り時です。穂ごとに熟期が違うので、色づいた穂から順に数回に分けて刈ります。
| 穂の姿 | 粒の状態 | 判断 |
|---|---|---|
| 全体が緑で粒が乳白色 | つぶすと白い汁が出る | まだ早い。2〜3週間待つ |
| 上半分が黄色、下は緑 | 上の粒は硬い、下は柔らかい | もう少し。1週間ほど待つ |
| 3分の2が黄色く垂れる | 指でつぶすと硬く割れる | 刈り時。この穂から刈る |
| 全体が茶色く粒が落ち始める | しごくとぱらぱら落ちる | 遅い。急いで刈り、落ちた粒は拾う |
朝露で穂が湿っている時間は刈りません。粒が落ちにくく、乾燥中にカビも出にくいので、露が乾いた午前中に刈ります。
刈り取りと束ね方
穂の下二十〜三十センチの茎を鎌かハサミで切り、十本ほどずつ束ねます。株ごと引き抜くより穂だけ切るほうが軽く、乾燥も早いです。茎は畑に残さず刈って片付けると、アワノメイガの越冬を防げます。
- 色づいた穂から切る
- 穂の下二十センチで茎を切ります。まだ緑の穂は残し、一週間後にもう一度見回って刈ります。
- 十本ずつ束ねる
- 茎の部分をひもで縛り、十本ほどの束にします。穂を下にして持つと粒が落ちるので、穂を上にして運びます。
- 残った茎を片付ける
- 穂を刈ったあとの茎は根元から刈り、細かく切って堆肥にするか処分します。畑に立てたままにしません。
乾燥は軒下で二〜三週間
刈った穂は雨の当たらない風通しのよい軒下に、穂を下にして吊るして乾かします。乾燥が足りないとカビが出て、脱穀もしにくくなります。粒をかんでカリッと割れる硬さになれば乾燥完了で、雨の多い年は室内で扇風機を当てて補います。
| 状態 | 見分け方 | 次にすること |
|---|---|---|
| 乾燥不足 | 粒をかむと歯に付く、茎がしなる | さらに1週間干す。室内なら扇風機 |
| 乾燥完了 | 粒がカリッと割れる、茎がぱきっと折れる | 脱穀に進む |
| カビが出た | 穂に白や緑の綿、においがする | その穂は捨てる。残りは間隔を空けて干し直す |
束は密着させず、握りこぶし一つ分空けて吊るします。束の内側が乾かずカビる失敗が一番多いです。
脱穀と選別
乾いた穂から粒を落とす作業が脱穀です。シートの上で穂を棒でたたくか、手で穂をしごくと粒が落ちます。落ちた粒には殻や茎のくずが混ざるので、風のある日に高いところから少しずつ落として軽いごみを飛ばします。この作業を唐箕(風でごみを飛ばす道具)の代わりに扇風機で行うこともできます。
- 穂をたたく
- ブルーシートの上に穂を広げ、木の棒で軽くたたきます。手でしごく場合は軍手をして、穂の根元から先へこき落とします。
- ふるいで大きなごみを取る
- 目の粗いふるいで茎や穂の軸を取り除きます。粒は落ち、大きなごみだけが残るので、それを捨てて次の選別に進みます。
- 風で軽いごみを飛ばす
- 風のある日に、粒をざるから三十センチほどの高さで少しずつ落とします。殻と軽いくずが飛び、粒だけが下にたまります。
- 水で最後の選別
- 粒をボウルの水に入れると、実の入っていない粒とごみが浮きます。浮いたものを捨て、沈んだ粒をざるに上げて乾かします。
精白と保存
脱穀した粒はまだ硬い殻に包まれています。すり鉢とすりこぎで軽くこすると殻がはがれ、風で飛ばすと黄色い粒が残ります。少量ならこの方法で足り、量が多いなら家庭用の精米機で殻を取れます。精白した粒は密閉して冷暗所か冷蔵庫で保存し、半年を目安に食べ切ります。
- すり鉢で殻をむく
- 粒をすり鉢に一握り入れ、すりこぎで押しつけるように回します。殻が浮いてきたら風で飛ばし、残った粒を繰り返します。
- よく乾かしてから保存
- 精白した粒を一日天日で乾かし、密閉容器か袋に入れます。湿気が残ると虫とカビが出ます。
- 冷蔵庫か冷暗所へ
- 夏を越すなら冷蔵庫の野菜室に入れます。常温なら涼しい暗所に置き、月に一度は虫が出ていないか確かめます。
- 来年の種を分けておく
- よく実った穂を数本、脱穀せずに穂のまま乾燥させて取り分けます。紙袋に入れて冷暗所で保存すれば翌年まきます。
殻付きのまま保存すると虫が付きにくく、半年以上持ちます。食べる分だけ精白する方法もあります。
粒が落ちる、カビが出るときの原因と直し方
収穫の失敗は刈り時の判断と乾燥の環境が原因のことがほとんどです。刈ったときの穂の色、干した場所の風通し、束の大きさを思い出せば、どこで失敗したかを切り分けられ、翌年に生かせます。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 刈る前に粒が落ちる | 収穫が遅い、鳥が揺らす | 3分の2色づいた穂から順に刈る。網で鳥を防ぐ |
| 粒が軽くて実が入っていない | 出穂期の乾燥、遅まき | 穂が出る前後に水をやる。翌年は6月中旬までにまく |
| 乾燥中にカビが出る | 束が密、雨に当たった、乾燥不足 | 束を小さくして間隔を空ける。室内で扇風機 |
| 脱穀で粒が割れる | たたきすぎ、乾燥しすぎ | 軽くたたくか手でしごく。乾燥は2〜3週間で止める |
| 保存中に虫が出る | 乾燥不足、常温の密閉不足 | 天日で乾かし直し、冷蔵庫へ。殻付きで保存する |
キビの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
キビの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキビの育て方にまとめています。
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