倒れやすい株かどうかを先に見る
キビが倒れるかどうかは、七月の時点で株の姿からおおよそ分かります。茎が細く節の間が長い株、株元がぐらつく株は倒れます。逆に茎が太く株元に支え根が出ている株は台風でもよく耐えます。株を軽く押して確かめ、弱い株ほど土寄せを厚くします。
| 株の姿 | 倒れやすさ | 対策 |
|---|---|---|
| 茎が太く節の間が短い | 低い | 通常の土寄せ2回で足りる |
| 茎が細く節の間が長い | 高い | 土寄せを厚くし、支柱とひもを早めに |
| 株元を押すとぐらつく | 非常に高い | すぐ土寄せ。ひもで隣の株と結ぶ |
| 支え根が土に入っている | 低い | そのまま。台風前にひもだけ張る |
土寄せとは何をする作業か
土寄せ(株の根元に土を盛る作業)は、畝の間の土をくわで株元に寄せて盛ることです。キビは株元の節から支え根と呼ばれる太い根を出し、これが土に入ると株がしっかり立ちます。土寄せをしないと支え根が空中に出たままで、風で株が回転するように倒れます。
- 畝の間の土を使う
- 畝の間を浅く削るように土を取り、株元に寄せます。畝の間が溝になるので、雨のあとの排水もよくなります。
- 株元の節を隠す
- 株元から一〜二節目が土に隠れる高さまで寄せます。深く埋めすぎると茎が腐るので、五センチほどが目安です。
- 土を軽く押さえる
- 寄せた土を手で軽く押さえて株元と密着させます。ふわふわのままだと雨で流れて元に戻ります。
くわがなければ移植ごてでも作業できます。畝の間の土を少しずつすくって株元に置き、手で押さえます。
一回目は最後の間引きのあと
一回目の土寄せは本葉七〜八枚、株間を十〜十五センチにそろえた直後に行います。追肥(育ちの途中で足す肥料)をするならこのときに畝の肩にまき、その上から土を寄せると肥料が土に埋まって効きます。株元の雑草もこのときに抜きます。
- 雑草を先に抜く
- 株元の草を根ごと抜いてから土を寄せます。草の上に土をかけても、すぐ突き抜けて出てきます。
- 肥料を畝の肩に
- 追肥する場合は株元から十センチ離した位置に化成肥料をまき、そこに畝の間の土をかぶせるように寄せます。
- 分けつの付け根を隠す
- 株元から出た分けつ(株元から増えた茎)の付け根が土に隠れる程度に寄せます。分けつからも根が出て株が安定します。
二回目は穂が出る三週間前
草丈が五十〜六十センチになり、株元の節から太い支え根が出始めたら二回目の土寄せです。関東平野部では七月中旬ごろで、この支え根を土に入れることが倒伏を防ぐ決め手です。穂が出てからでは根が入りにくく、株も大きくて作業しにくくなります。
| 時期 | 株の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| 7月上旬 | 草丈40センチ。株元に根の突起 | 畝の間の草を刈っておく |
| 7月中旬 | 草丈50〜60センチ。支え根が伸びる | 2回目の土寄せ。支え根を土で覆う |
| 7月下旬 | 茎の先が膨らみ穂の準備 | 畝の両端に支柱を立てる |
| 8月上旬以降 | 穂が出る | 土寄せは終わり。ひもで支える |
支え根は空中に出たままだと役に立ちません。二回目の土寄せで根の先が土に触れると、数日で土に入り込みます。
支柱とひもで台風に備える
土寄せをしても、穂が出て重くなった株は台風で倒れます。畝の両端と三メートルおきに支柱を立て、高さ六十センチと百センチにひもを張って株を挟むようにします。台風の直前には数株ずつまとめて緩く縛ると、互いに支え合って倒れにくくなります。
- 支柱を深く刺す
- 長さ一・五メートルの支柱を三十センチ以上土に刺します。浅いと支柱ごと倒れて株を巻き込みます。
- ひもを畝の両側に
- 畝の両側に支柱を立て、ひもを二段張って株を挟みます。片側だけだと反対側に倒れます。
- 台風前に株を縛る
- 三〜五株をまとめて穂の下でひもを回し、緩く結びます。きつく縛ると茎が折れるので、指が入る程度にします。
- 倒れたら翌朝に起こす
- 倒れても翌朝までに起こしてひもに結べば穂は実ります。数日放置すると茎が曲がって戻らなくなります。
ひもは株が成長して太くなるので、七月に張ったものは八月に一度緩みを確かめます。たるんだひもは支えになりません。
倒れたときの手当てと翌年への戻し方
倒れた株の扱いは、穂の状態と地面に付いているかで判断します。起こせる株は起こし、起こせない株は早めに刈って室内で乾かします。翌年は倒れた原因を整理して、肥料と土寄せの計画を直します。
| 状態 | 手当て | 翌年への戻し方 |
|---|---|---|
| 穂が出る前に倒れた | 起こして土寄せを追加。自力で立ち直る | 1回目の土寄せを早め、厚くする |
| 穂が出て倒れたが地面に付かない | 起こしてひもに結ぶ | 支柱とひもを穂が出る前に |
| 穂が地面に付いた | 色づいていれば刈って室内で乾かす | 肥料を減らし、株間を守る |
| 茎が折れた | 折れた穂は刈り、乾かして使う | 台風前に株をまとめて縛る |
毎年倒れる畑は肥料が多すぎることがほとんどです。元肥を半分にし、追肥をやめるだけで倒れなくなることが多いです。
キビの土寄せに使うもの
土寄せは道具で速さが決まる作業です。株数が多いほど、手より道具のほうが早く終わります。
- くわ(平ぐわ)探す言葉「平ぐわ 家庭菜園」
- 規格の目安
- 刃幅 18cm 前後。柄は身長の 6 割くらいが振りやすい目安です。
通路の土を株元へ寄せる動きに向きます。畝立てにもそのまま使えます。
- 三角ホー探す言葉「三角ホー 土寄せ」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm。先が尖っているので、株の間へ差し込めます。
株間の狭い作物は、くわだと株を傷めます。細かいところは三角ホーのほうが確実です。
- 株数が数株なら、移植ごてでも足ります。
- 専用の土寄せ器は、畑がある程度の広さになってからで十分です。
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