雌花と雄花を見分ける
見分けるのは花びらではなく、花の付け根です。雌花は開く前から花の下に小さな実がふくらんでおり、そのままの形で大きくなります。雄花の下は細い柄だけで、ふくらみがありません。開花前のつぼみの段階でも同じ違いが見えます。
咲きはじめは雄花ばかりで、雌花は株が一定の大きさに達してから出ます。雄花が先に何輪も咲くのは正常で、異常ではありません。雌花が見えたら、その日から毎朝つぼみの色づきを見て開花日を予測します。
- 雌花の見た目
- 花の付け根に直径2〜4センチの緑の球や楕円が付いています。中心のめしべは太く分かれ、表面が湿って光ります。この湿りが花粉を受ける状態のしるしです。
- 雄花の見た目
- 花の下は指ほどの細い柄だけです。中心に1本の柱があり、その表面に黄色い粉が付きます。粉が指に付かないうちは、まだ開ききっていません。
- 咲く順番
- 同じ株の雄花と雌花が同じ日に咲くとは限りません。雌花のつぼみが黄色く色づいたら、翌朝に開く雄花も残しておき、切らさないようにします。
授粉は開花当日の午前中に済ませる
かぼちゃの花は一日花で、朝に開いて昼過ぎにはしぼみます。花粉が生きているのも、めしべが受け入れる状態にあるのも午前中だけです。遅くとも9時まで、夏の高温期は8時までに終えると着果率が上がります。
曇りや雨の日ほど人工授粉の効果が出ます。虫が飛ばず自然交配が起きにくいうえ、雨で花粉が流れるためです。雨の予報なら前日の夕方に雄花を摘んで室内へ取り込み、翌朝に使う手もあります。
| 時間帯 | 花粉とめしべの状態 | 授粉の可否 |
|---|---|---|
| 6時〜8時 | 花粉が乾いて崩れやすい | 最適 |
| 8時〜9時 | まだ十分に働く | 可 |
| 9時〜11時 | 花がしぼみ始める | 着果率が落ちる |
| 正午以降 | めしべが乾き花が閉じる | 翌日の別の花を待つ |
授粉のやり方
道具は要りません。雄花を摘み、花びらを外して芯をむき出しにし、雌花のめしべへ直接こすりつけます。筆を使う場合は1株ごとに払い、複数品種を作っているときは混ざらないようにします。
- 雄花を摘む
- その日に開いた雄花を根元から摘みます。前日の花はすでに花粉を落としているので使いません。指で触れて黄色い粉が付くものを選びます。
- 花びらを外す
- 花びらを付け根から破って取り、中心の柱だけにします。花びらが残っていると、めしべ全体へ均一に触れさせられません。
- こすりつける
- めしべの分かれた先端すべてに、まんべんなく粉を移します。一方向だけだと片側だけ実が太り、いびつな形の果実になります。
- 日付を残す
- 授粉した実の近くに日付を書いた札を下げます。かぼちゃは見た目で完熟を測りにくく、この日付が収穫時期の最も確かな根拠になります。
着果させる節を選ぶ
低い節に付いた実は小さく形も崩れます。株がまだ小さく、実を太らせる葉の数が足りていないためです。西洋かぼちゃなら子づるの8節までの雌花は咲いても授粉せず、10〜15節に咲いた雌花を第1果にします。
第1果が確定したら、その先は3〜4節おきに次の雌花へ授粉します。連続した節に付けると、先の実が後の実の養分を奪い、どちらも中途半端になります。節の間隔をあけるのは葉数を確保するためです。
| 系統 | 第1果を付ける節 | 以降の間隔 |
|---|---|---|
| 西洋かぼちゃ | 子づる10〜15節 | 3〜4節おき |
| 日本かぼちゃ | 子づる4〜6節 | 3〜4節おき |
| ミニ品種 | 子づる8節以降 | 2〜3節おき |
摘果して果数を決める
着果したものを全部残すと、すべてが小ぶりで甘くない実になります。子づる2本仕立ての一般的な西洋かぼちゃで1株2〜4個、ミニ品種で6〜8個が目安です。着果を確認したら、余分は早いうちに摘みます。
摘果の判断は実の形で行います。授粉が不完全だった実は先端がとがったり片側がへこんだりし、そのまま大きくしても中身が薄くなります。整った丸みのあるものだけを残します。
- 着果の確認
- 授粉から3〜5日で、実が目に見えて太り、表面につやが出れば成功です。黄色くなって柄からしぼむものは失敗なので、その時点で取ります。
- 摘む時期
- 卵からこぶし大のあいだに済ませます。それ以上大きくしてから摘むと、そこまでに使った養分が戻らず、残した実の肥大が遅れます。
- 残す実の選び方
- 同じ節位なら、果柄が太く実の左右が対称なものを残します。果柄の細い実は水と養分の通り道が細く、最後まで大きくなりません。
追肥(育てている途中で足す肥料)は一番果がこぶし大になってからです。着果前に施すとつるだけが伸び、雌花が付かなくなります。
着果しないときに疑うこと
原因はおおむね三つに絞れます。雌花自体が咲かない、雌花は咲くが実が黄色くなって落ちる、実は残るがいびつになる、です。どれに当たるかで打つ手がまったく違うので、まず現象を見分けます。
- 雌花が咲かない
- 元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)の窒素過多によるつるぼけか、株がまだ小さいかです。追肥を止め、つる先を持ち上げて不定根を減らし、生育の勢いを落とします。
- 実が黄色く落ちる
- 授粉できていません。時間帯が遅い、雨で花粉が濡れた、雄花が古いのいずれかです。翌朝から8時までに、その日開いた雄花で行い直します。
- 実がいびつになる
- めしべの一部にしか花粉が届いていません。次からは雄花1輪で雌花1輪と決め、めしべの全周へ回します。低温期の開花でも起こります。
気温が35℃を超える日が続くと花粉の働きが落ちます。猛暑の期間は着果をあきらめ、涼しくなってからの雌花に切り替えます。
かぼちゃの人工授粉に使うもの
かぼちゃやすいかのように、朝の数時間しか受粉できない作物があります。虫が来ない年でも実を付けるための道具です。
- 授粉用の毛ばたき・綿棒探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたきか、普通の綿棒。
雄花の花粉を雌花の柱頭へ付けます。強くこすらず、撫でる程度で十分です。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式、長さ 10cm 前後。
受粉した日を書いて実の近くに挿しておくと、収穫の適期を日数で判断できます。かぼちゃやすいかはここを外すと大きく味が変わります。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 目付 20g/㎡ 前後。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
雨の日の朝は花粉が流れます。前の晩にかけておくと、翌朝の受粉に間に合います。
- 虫がよく来る畑なら、人工授粉は要りません。まず朝に花を見に行って確かめます。
- 雄花を摘んで雌花に直接付ければ、道具は何も要りません。
かぼちゃの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼちゃの育て方にまとめています。
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