地域別の作型を決める
かぼちゃの作型は、定植できる地温で決まります。地温15℃、最低気温10℃を下回る時期に植えると、根が動かず苗が黄色くなったまま止まります。逆算すると、種まきは定植の30〜35日前です。
| 地域 | 種まき | 定植 | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 暖地 | 3月中旬〜4月上旬 | 4月中旬〜5月上旬 | 7月上旬〜8月上旬 |
| 中間地 | 3月下旬〜4月中旬 | 5月上旬〜5月中旬 | 7月中旬〜8月中旬 |
| 寒冷地 | 4月中旬〜5月上旬 | 5月下旬〜6月中旬 | 8月中旬〜9月中旬 |
苗を買う場合はこの定植欄だけ見ます。売り場に苗が並ぶ時期は、寒冷地では適期より早いことがあります。
3月から4月 育苗と土づくり
この時期の作業は苗づくりと畑の準備が並行します。かぼちゃは酸性土を嫌わないほうですが、酸度6.0〜6.5に整えると根の張りが違います。石灰は植え付けの2週間以上前に入れ、元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)はそのあとです。
種は1ポットに2粒まき、双葉が開いたら勢いのよい1本にします。かぼちゃの種は硬く、発芽には25〜30℃の地温が要ります。3月中の育苗はトンネルか室内の窓辺を使い、夜間に10℃を切らないようにします。
| 時期 | 作業 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 3月中旬〜4月 | ポットに種まき | 地温25〜30℃を保てるか |
| まいて7〜10日 | 発芽・間引き | 双葉が開いたら1本に |
| 定植の3週間前 | 堆肥と石灰を入れる | 1平方メートルに堆肥3キログラム |
| 定植の2週間前 | 元肥を入れ畝を立てる | 元肥は控えめに |
育苗中は水のやりすぎで徒長(間のびして弱く伸びること)します。葉がしおれかけたら与えるくらいの間隔で、日中の暖かい時間に与えます。
4月から5月 定植と摘心
本葉4〜5枚、種まきから30日前後が定植適期です。これより大きく育てた苗は根が回って活着が遅れます。植えたあとはホットキャップや不織布で保温し、遅霜と強風、そしてウリハムシの飛来を同時に防ぎます。
植える深さは根鉢の肩が地面と同じになる浅植えにします。深植えすると株元に水が溜まり、梅雨のつる枯病の入口になります。定植後1週間は水を控えめにし、根を下へ伸ばさせます。
| 時期 | 作業 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 定植当日 | 浅植えして水を与える | 根鉢の肩を地面と同じ高さに |
| 定植から1週間 | 保温資材で覆う | 最低気温10℃を下回る日 |
| 定植から2週間 | 親づるを摘心 | 本葉4〜5枚が展開 |
| 摘心から10日 | 子づるを2〜3本に整理 | つるが30センチ伸びたころ |
覆いは本葉7〜8枚まで外しません。早く外すとウリハムシに生長点を食われ、株ごと止まることがあります。
6月から7月 授粉と着果管理
一年でいちばん作業が集中する期間です。つるが1日に10センチ以上伸び、雌花が次々に咲きます。朝の30分を人工授粉とつる返しに使えるかどうかで、その年の収量が決まります。梅雨明けからはうどんこ病の監視も加わります。
| 時期 | 作業 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 6月上旬〜 | つる返しと敷きわら | つるが畝の外へ出る前 |
| 雌花が咲いたら | 人工授粉と日付札 | 朝8時までに実施 |
| 授粉から1週間 | 摘果して果数を決める | こぶし大までに |
| 一番果がこぶし大 | 1回目の追肥 | 株元から40センチ離す |
梅雨の長雨の前に、株元へ寄せた土を軽く均して水が溜まらないようにします。滞水はつる枯病と疫病の引き金です。
7月から9月 収穫と追熟
西洋かぼちゃは授粉から40〜50日、日本かぼちゃは30〜40日で収穫期に入ります。日付札とヘタのコルク化の両方が揃った実から順に採ります。採ったあとの置き方で甘さが変わるので、収穫は工程の終わりではありません。
| 時期 | 作業 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 授粉から40日前後 | 収穫の判断 | ヘタが茶色くひび割れる |
| 収穫直後 | 風通しのよい所で乾かす | 切り口が乾くまで1週間ほど |
| 乾かしたあと | 10〜15℃で追熟 | 2〜4週間で甘みが乗る |
| 2番果以降 | 残った実を順に収穫 | 秋雨に当てる前に採る |
8月は葉を守る月でもあります。うどんこ病で葉を失うと、遅い番果が太らないまま小さく終わります。
10月以降と翌年の準備
収穫が終わったら、つると葉を畑に残さず片付けます。うどんこ病やつる枯病の菌は残った茎葉で越冬し、翌年の初発を早めます。堆肥に入れる場合も、しっかり発酵させてからでなければ持ち越します。
同じ場所での連作は3年ほどあけます。難しい場合はつぎ木苗を使うか、区画を入れ替えます。かぼちゃは吸肥力が強いので、跡地は肥料をほとんど足さずに秋冬野菜を植えられます。
- 残さの処分
- 白い粉の付いた葉や、株元が茶色く割れたつるは畑の外へ出します。土に鋤き込むと、その区画の翌年の初発が2週間ほど早まります。
- 土の休ませ方
- 秋のうちに深く耕し、寒さに土をあてておきます。緑肥のむぎ類を播いて春にすき込むと、翌年の窒素過多も抑えられます。
- 貯蔵中の管理
- 貯蔵した実は月に一度、ヘタと底を見ます。ヘタにカビが出た実から先に食べ、床に接する面が湿らないよう向きを変えます。
丸のままなら10℃前後で2〜3か月もちます。切ったものは種とわたを除き、冷蔵で3〜4日が限度です。
予定どおりに進まないときの立て直し
作型は地温で決まるので、寒い年はひと月まるごとずれます。暦を守るより、株の姿を見て次の作業に入るかどうかを判断するほうが、結果として収穫が早くなります。
- 定植が遅れたら
- 六月に入ってからの定植でも、子づる二本に絞れば秋までに一果は採れます。果数を欲張らず、最初に着いた実だけを残して育てます。
- 遅霜に当たった
- 葉が水にぬれたように黒くなったら、中心の芽が生きているかを見て判断します。芽が緑なら回復するので、追肥をせず保温だけを続けます。
- 授粉が空振りした
- 実が親指大で黄色くなって落ちるのが授粉不良の目安です。翌朝、雄花を摘んで花粉を直接こすりつけ、日付の札を付け直します。
- 収穫が秋雨に重なる
- ヘタが茶色くひび割れていたら、雨に当てる前に採ります。畑での放置は追熟ではなく、ヘタから水が入って中から腐ります。
遅れた年ほど番果を欲張らないことです。一株一果に絞れば、寒くなる前に確実に熟し、貯蔵もききます。
かぼちゃの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
かぼちゃの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼちゃの育て方にまとめています。
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