時期ごとに警戒するものが変わる
かぼちゃの被害はほぼ時期で決まっています。定植直後は虫、梅雨は土から来る病気、梅雨明け後は葉の病気です。順番が決まっているので、その月に何を見るかをあらかじめ決めておけば、見落としが減ります。
見回りは週に二回、朝のうちが目安です。株元の古い葉の表と新芽の裏を見て、白い粉と小さな虫が出ていないかを確かめてから、その日の作業に入ります。
| 時期 | 主に警戒するもの | 最初に出る場所 |
|---|---|---|
| 定植〜5月 | ウリハムシ | 若い葉に丸い食害痕 |
| 5月〜6月 | アブラムシ | 新芽と葉裏 |
| 梅雨 | つる枯病・疫病 | 株元のつけ根と果実 |
| 梅雨明け〜9月 | うどんこ病 | 株元寄りの古い葉の表 |
うどんこ病は葉の寿命を縮める
白い粉をまぶしたような斑点が古い葉の表に出て、やがて葉全体が汚れた白色になり枯れ上がります。実そのものは侵しませんが、光合成する葉を失うため、肥大中の実が太らなくなり、甘みも乗らなくなります。
怖いのは進行の速さです。梅雨明けの高温と乾燥が重なると、点在していた斑点が10日ほどで株全体を覆います。着果してから葉を失う時期が早いほど、その株の収量への影響が大きくなります。
- 最初に見る場所
- 株元に近い、いちばん古くて大きい葉の表側です。ここを週2回見る習慣にすると、点が10円玉ほどの段階で気づけます。
- 白い斑点の見分け
- 指でこすって取れる白い粉が病気です。取れずに葉脈に沿って白い模様が入っているのは、品種本来の斑入りで異常ではありません。
- 見つけたときの初動
- 発病した葉を付け根から取り、畑の外へ出します。多発してからでは薬剤の効きも落ちるので、初発の数枚を取れるかが分かれ目です。
うどんこ病を遅らせる設計
この病気はゼロにできません。目標は発生を収穫まで遅らせることです。効くのは風通しと、株を健全に保つことの二つで、どちらも整枝(枝の数と向きを整えること)と施肥の設計で決まります。薬剤に頼る前に、この土台を整えます。
- 葉を重ねない
- 子づるを2〜3本に絞り、孫づるを整理します。葉が三重四重に重なった場所は湿度が抜けず、そこから白い粉が出はじめます。
- 窒素を効かせすぎない
- 元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を控えめにし、追肥(育てている途中で足す肥料)は着果後にします。葉が軟らかく茂った株は感染しやすく、いったん広がると止まりません。
- 乾燥させすぎない
- うどんこ病は乾いた土で株が弱ると増えます。敷きわらで地表の乾きを緩め、真夏は畝の間へ水を流して株のしおれを防ぎます。
- 抵抗性品種を選ぶ
- うどんこ病に強い性質を持つ品種が種袋に明記されています。毎年出す畑では、この一行を基準に品種を選び直します。
梅雨に出るつる枯病と疫病
つる枯病は株元のつるが茶色く変色して裂け、そこから上の葉が一斉にしおれます。疫病は果実や葉に水がしみたような病斑が出て、湿度が高いと白いかびを吹きます。どちらも滞水と泥はねが引き金です。
発症したつるは治りません。株元が侵された場合は株ごと抜き、その周辺の土は他の株の株元へ移動させないようにします。実に出た場合は、その実を早く取り除いて残りの実を守ります。
- 水を溜めない
- 高畝にして、雨のあと株元に水が残らないようにします。粘土質の畑では畝をさらに10センチ高くするだけで発生が減ります。
- 泥はねを止める
- 定植と同時にマルチか敷きわらで地面を覆います。雨粒が土をたたいて跳ね上げた泥が、葉と実への最初の感染源になります。
- 実を地面から離す
- 接地する実の下に乾いた板やわらを敷きます。同じ面が湿り続けると、そこから腐りが始まるので、ときどき向きを変えます。
つる枯病は種子でも伝わります。自家採種した種を使う畑で毎年出るなら、市販の種に切り替えて様子を見ます。
ウリハムシとアブラムシ
ウリハムシはオレンジ色の甲虫で、若い葉を円を描くように食べます。株が小さい定植直後がいちばん危険で、生長点をやられると株ごと止まります。本葉が10枚を超えれば食害されても致命傷にはなりません。
アブラムシは新芽と葉裏に群れ、ウイルス病を運びます。かぼちゃのモザイク病は葉が縮れてまだらになり、着果しても実が正常に育ちません。治す方法がないため、運び手を寄せない側で防ぎます。
- 苗を覆う
- 定植から本葉7〜8枚まで、あんどん囲いか不織布で覆います。ウリハムシは低く飛ぶので、囲うだけで大半を防げます。
- 光るものを使う
- 銀色のマルチや反射テープを株元に置くと、アブラムシが降りにくくなります。株が大きくなり地面が隠れると効果は薄れます。
- 見つけたら早く
- アブラムシは数匹のうちに、付いた新芽ごと取ります。数日で数百匹になり、そうなると葉裏まで薬剤を届かせるのが難しくなります。
実の障害と収穫前のトラブル
病気ではない不具合も起きます。表皮が白く抜けるのは強い直射による日焼け、片側だけへこむのは授粉不良、収穫前に果柄が裂けるのは実の自重です。いずれも見た目で原因を切り分けられます。
秋雨の時期まで畑に置いた実は、ヘタから水が入って中で腐ることがあります。完熟の条件を満たした実は、天気が崩れる前に採って屋内へ移します。畑での放置は追熟ではありません。
- 日焼けを防ぐ
- 真夏に露出した実には新聞紙をかけるか、葉を1枚寄せて影をつくります。日焼けした部分は硬くなり、そこから傷みやすくなります。
- 接地面の管理
- 地面に接した側は色が抜けて黄色くなります。味は変わりませんが、収穫の2週間前に一度向きを変えると色が揃います。
- 果柄を守る
- 立体栽培では実が太るにつれ果柄に荷重が集まります。テニスボール大になったら網袋で受け、果柄一点で吊らないようにします。
個々の病害虫の細かい対処は専用のページにまとめてあります。ここでは何月に何を見るかだけ決めておけば足ります。
かぼちゃの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼちゃの育て方にまとめています。
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