開花日から日数を数える
収穫適期の判断で最も確かなのは、人工授粉した日からの日数です。かぼちゃは外から見て中身の熟し具合が分かりにくく、色づきも品種によって当てになりません。授粉のたびに日付札を下げておけば、迷う場面が消えます。
日数は系統と品種で大きく違います。同じ畑の同じ日に授粉した実でも、西洋種と日本種では2週間ほどずれます。種袋に収穫日数の記載があるときは、そちらを優先します。
| 系統・タイプ | 授粉から収穫まで | 追熟の要否 |
|---|---|---|
| 西洋かぼちゃ | 40〜50日 | 必要 |
| 日本かぼちゃ | 30〜40日 | 短めか不要 |
| ミニの西洋種 | 40〜45日 | 必要 |
| そうめん系のペポ | 40日前後 | 不要 |
日数は気温で前後します。授粉後に低温が続いた年は数日長く、猛暑の年は数日短く見積もります。
ヘタの状態で確かめる
日数が来たら、実ではなくヘタを見ます。緑色でみずみずしかった果柄が、褐色に変わり、乾いてひび割れた状態になるのが完熟の合図です。この変化をコルク化と呼びます。縦に白い筋が入って割れ目が深くなります。
ヘタがまだ緑で軟らかいのに日数が来ている場合は、授粉日の記録違いか、その株が弱っている可能性があります。日数とヘタの両方が揃うまで待つのが安全で、片方だけで採ると早採りになります。
- ヘタの色
- 果柄の全体が茶色く枯れた色に変われば完熟です。ヘタの付け根だけ茶色で先が緑のものは、あと1週間ほど待ちます。
- ひび割れ
- コルク化したヘタは縦方向に細かく裂けます。爪でこすってもみずみずしさがなく、乾いた木のような手ざわりになります。
- 接地面の色
- 地面に接していた面が白から薄い黄色に変わっていれば熟しています。真っ白のままなら、まだ日数が足りません。
採り方と当日の扱い
ヘタを長く残して切ります。実の際で切ると切り口が広く、そこから菌が入って貯蔵中に腐ります。逆に長すぎると保管中に他の実を傷つけるので、実の両側に2〜3センチずつ残して切るのが扱いやすい形です。
- 晴れた日に採る
- 雨の日や雨上がりは切り口が乾かず、腐りの原因になります。朝露が引いた午前中に、2〜3日晴天が続いたタイミングで採ります。
- 切る道具
- 果柄は硬いので、剪定ばさみかのこぎり刃を使います。ねじって外そうとすると実の側が裂け、そこから確実に傷みます。
- 運び方
- ヘタを持って持ち上げません。果柄が折れると傷口ができます。実の底を両手で支え、コンテナに一段だけ並べて運びます。
この時点の実は硬いだけで甘くありません。採ってすぐ食べて味が薄いのは失敗ではなく、まだ工程が終わっていないだけです。
まず切り口を乾かす
収穫したらすぐ貯蔵に回さず、風通しのよい所で1週間から10日ほど置いて切り口を乾かします。これで果柄からの菌の侵入が止まり、その後の保存期間が大きく延びます。表皮も硬くなり、傷が付きにくくなります。
置き場は雨が当たらず風が通る軒下などです。直射に長く当てると実が焼けるので、日陰か薄い覆いの下にします。この期間に、傷やへこみのある実を選り分けて先に食べる分に回します。
- 並べ方
- 実どうしを接触させず、ヘタを上にして一段で並べます。重ねると下の実の接地面が蒸れ、そこから軟らかくなります。
- 確認すること
- 切り口が白く乾いて縮んでいれば完了です。じくじくしたままなら、乾くまで期間を延ばします。湿ったまま貯蔵に回さないことが要点です。
- 選り分け
- 皮に傷やへこみのある実、日焼けした実は貯蔵に向きません。乾燥を終えた時点で分けておき、追熟が終わり次第そちらから使います。
追熟で甘くする
かぼちゃの甘さは、収穫後にでんぷんが糖へ変わることで生まれます。この変化は温度で速さが変わり、10〜15℃前後に2〜4週間置くのが最も乗ります。この期間があるかどうかで、同じ畑の実の味がまったく違います。
日本かぼちゃは西洋かぼちゃほどでんぷんを蓄えず、追熟で甘くなる幅が小さい系統です。ねっとりした食感を生かす方向なので、収穫から数日で使い始めても構いません。系統によって扱いを変えます。
| 置く温度 | 起きること | 向く扱い |
|---|---|---|
| 7℃以下 | 低温障害で傷む | 避ける |
| 10〜15℃ | でんぷんが糖に変わる | 追熟と長期貯蔵 |
| 20℃以上 | 呼吸が進み中身が減る | 早めに食べる分だけ |
追熟の完了は、皮のつやが少し落ち、ヘタの周囲がへこんでくるころです。丸のままなら10℃前後で2〜3か月もちます。
早採り・採り遅れのリカバリー
早採りしてしまった実は、追熟しても糖に変わるでんぷんが足りず、甘くなりません。ただし未熟なぶん果肉が締まっているので、煮物より炒め物や揚げ物に向きます。捨てる必要はなく、使い道を変えます。
逆に採り遅れた実は、果肉がぼそぼそになり、種の周りから傷みはじめます。畑で秋雨に当たった実はヘタから水が入りやすく、外見が無事でも中が腐っていることがあります。切って中を確かめてから使います。
- 早採りの見分け
- 切ったとき種が白く薄いものが未熟です。追熟しても甘さは戻らないので、水分の多さを生かした調理へ回します。
- 採り遅れの見分け
- 持って軽く感じる、ヘタの周りが柔らかい、振ると中で音がする実は進みすぎです。すぐ切って、傷んだ部分を除いて使います。
- 次の年へ
- 採り時をはずした原因はほぼ日付の記録漏れです。翌年は授粉ごとに札を下げるか、株ごとに開花日を記録して同じ失敗を断ちます。
かぼちゃの収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
かぼちゃの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼちゃの育て方にまとめています。
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