親づるは本葉4〜5枚で摘心する
かぼちゃは親づるを本葉4〜5枚のうちに摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)します。放任すると親づる1本だけが猛烈に伸びて畑を占領し、最初の雌花が咲く10節前後まで実が付きません。先端を止めれば根元側の節から子づるが一斉に動き出し、着果する節を手前へ引き寄せられます。
摘心はハサミより指で折るほうが早く、切り口も乾きやすいので、晴れた日の午前に済ませます。本葉が6枚を超えてからでは子づるの出方が遅れて太さが揃わないため、定植から2週間ほどのあいだに必ず一度見に行きます。
- 摘む位置
- 本葉4枚目と5枚目のあいだにある生長点だけをつまんで取ります。展開した葉は残します。葉は子づるを動かす養分をつくる側なので、まとめて切り落としません。
- 行う時期
- 定植後に新しい葉が2枚展開し、根付いたことを確かめてから行います。植え傷みが残る株をいきなり止めると、立ち直りに1週間以上よけいにかかります。
- 摘心後の観察
- 5日から10日で子づるが動き始めます。伸び出しが揃わないときは、遅れたつるを無理に残さず、太い2本に早めを絞ったほうが結果はよくなります。
子づるは2〜3本に絞る
残す子づるは2本、株間を広く取れる畑なら3本です。多く残すほど1本あたりの葉数が減り、実へ送る養分が薄まって果重が伸びません。太さと伸びの揃ったものを選び、残りは付け根から掻き取ります。
整理は子づるが30センチほど伸びた時点で一度に済ませます。伸びてから切ると、その株が使った養分と時間がそのまま無駄になり、切り口も大きくなって病原菌の入口を増やします。
| 仕立て | 株間の目安 | 1株の果数 |
|---|---|---|
| 子づる2本 | 70〜80センチ | 2〜4個 |
| 子づる3本 | 1メートル前後 | 3〜6個 |
| ミニ品種3〜4本 | 60〜70センチ | 6〜8個 |
地這いに必要な面積を先に測る
西洋かぼちゃ1株は、地這いなら畳3枚ほどの面積を使います。畝幅3メートル、株間70センチが露地の目安で、つるは片側へ2メートル以上伸びます。植える前に伸ばす方向を決めておかないと、隣の畝の作物を覆ってしまいます。
面積が足りないときの選択肢は、ミニ品種にするか立体に仕立てるかの二つです。株数を減らして一つずつ小さく作るより、1株を大きく育てて果数を確保するほうが、結果として収量も味も安定します。
| 栽培型 | 1株が占める幅 | 向く品種 |
|---|---|---|
| 地這い・放任気味 | 2.5〜3メートル | 大果の西洋種 |
| 地這い・つる返しあり | 2メートル前後 | 一般的な西洋種 |
| 立体・空中栽培 | 70センチ〜1メートル | 果重1キログラム以下 |
系統によって実が付く節が違う
西洋かぼちゃは子づるの10節前後に第1果を付けますが、日本かぼちゃは子づるの4〜6節と早くから雌花が出ます。同じ摘心をしても実の位置が変わるので、種袋で系統を確かめてから節を数えはじめます。
| 系統 | 仕立ての基本 | 第1果の節位 |
|---|---|---|
| 西洋かぼちゃ | 親づる摘心・子づる2本 | 子づる10節前後 |
| 日本かぼちゃ | 親づる摘心・子づる3本 | 子づる4〜6節 |
| ペポ系 | つるが短く整枝は軽め | 株元寄りの節 |
節は葉の付け根で数えます。巻きひげや花の位置で数えると2〜3節ずれ、摘果の判断がまるごと狂います。
つる返しと敷きわらで畑を保つ
伸びたつるは畝の外へ出る前に向きを直します。これがつる返しで、通路をふさがず、株元付近の葉に光を戻す作業です。同時に、地面に接した節から出る不定根を切らないよう、つるを持ち上げすぎない加減が要ります。
つるの下には敷きわらか防草シートを敷きます。泥はねが減って葉の病気が始まりにくくなり、地面と接する果実の下側が汚れず腐りにくくなります。乾いた板を実の下に一枚入れておくのも同じ効果です。
- 返す向き
- つるの先端を畝の中央側へ戻し、株元と平行に寝かせます。急に折り曲げると節が裂けるので、一度に動かすのは50センチ程度までにします。
- 行う頻度
- 梅雨前から梅雨明けまで、つるの伸びが最も速い時期に週1回ほど見ます。伸びが止まる着果後は、実の位置を動かさないよう回数を減らします。
- 孫づるの扱い
- 着果節より先に出る孫づるは葉2枚を残して止めます。着果節より手前の孫づるは、混み合って風通しを落とすので付け根から取ります。
つるぼけと着果不良への対処
葉ばかり大きく茂って雌花が咲かない状態がつるぼけです。原因は元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)の窒素過多で、よく肥えた畑ほど起きます。かぼちゃは肥料を欲しがらない作物で、元肥は控えめにし、実がこぶし大になってから追肥(育てている途中で足す肥料)で足すのが基本の設計です。
つるぼけたら追肥を止め、つる先を持ち上げて不定根を軽く切り、水を吸う量を落とします。生長の勢いが鈍ると花芽に切り替わります。それでも咲かない場合は次の子づるに期待し、無理に整枝(枝の数と向きを整えること)を追加しません。
- つるぼけの見分け
- 葉が手のひらより大きく、つる先が上を向いて立ち上がり、節間が20センチ以上に伸びていたら養分過多です。健全な株のつる先は水平に近く伸びます。
- 追肥の判断
- 追肥は一番果がこぶし大になってからと、2〜3番果が着いてからの2回に分けます。株元から40センチ離した位置に施し、根の先へ届かせます。
- 子づるが折れたら
- 台風などで子づるが折れたら、その節より先はあきらめ、残った子づるの孫づるを1本伸ばして代役にします。開花は10日ほど遅れます。
元肥を入れすぎた畑では、次作の前にわらや落ち葉をすき込み、窒素を微生物に一時的に吸わせておくと落ち着きます。
仕立てを間違えたときの立て直し
仕立てのやり直しは、切る量を欲張らないのが原則です。一度に多くのつるを外すと株が止まるので、残す本数を決めてから、細いものと着果していないものを順に外します。
- 摘心を忘れて伸びた
- 親づるが一メートルを超えていたら、いまから摘んでも遅れは戻りません。親づる一本と勢いのよい子づる一本を残し、あとは付け根から外します。
- 子づるを残しすぎた
- 四本以上あると実が小さく、揃いも悪くなります。着果していない細い子づるから順に、根元で切って三本までに絞ります。
- つるが通路をふさいだ
- 引き戻すとつるが裂けます。節から出た根を切らないよう、つる返しの要領で少しずつ向きを変え、数日かけて畝の中へ収めます。
- 一番果を落とした
- 慌てて摘果をやめると、全部が小さいまま終わります。次に咲いた雌花へ確実に授粉し、その実を残して以降の雌花を摘みます。
立て直したあとは二週間ほど追肥を止めます。切ったあとに肥料を効かせると、つるだけが伸びて着果がさらに遅れます。
かぼちゃのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
かぼちゃの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はかぼちゃの育て方にまとめています。
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