刈りどきは穂の色ともみの固さで
出穂から四十日から四十五日、穂全体の九割が黄金色になり、青いもみが穂の根元に少し残る程度が刈りどきです。早いと青米が増え、遅いともみが割れて落ちます。もみを一粒つぶし、爪で押しても凹まず固ければ合格です。
バケツ稲は株ごとに熟し方が少しずれます。複数の株があるなら、株ごとに穂を見て順に刈るほうが青米も割れ米も減り、結果として食べられる量が増えます。
| 穂の状態 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 穂の半分がまだ緑 | 早い | 水を切らさず一週間待つ |
| 九割が黄金色、根元に青が少し | 刈りどき | 晴れの日に刈る |
| 穂全体が茶色く、もみが落ち始める | 遅い | すぐ刈ってもみを拾う |
| 穂が白く軽い | 実が入っていない | 受粉失敗、来年は水切れに注意 |
刈り取りと束ね方
株元を握り、園芸用のはさみか鎌で地際から数センチ上を切ります。バケツ一株なら数分で終わります。切った株は数本ずつ束ねてひもで縛り、穂を下にして吊るして干します。穂を上にして立てかけると、乾く前にもみが落ちてしまいます。
- 晴れた日の午前に刈る
- 朝露が乾いた午前に刈ると、干す時間が稼げます。雨の日に刈ると乾く前にカビが出ることがあります。
- 根元でそろえて縛る
- 五本から十本を根元でそろえ、麻ひもや荷造りひもで二か所縛ります。乾くと細くなるので少しきつめにします。
- 穂を下にして吊るす
- 物干し竿や突っ張り棒に束の根元をかけ、穂を下に垂らします。これが家庭版の「はざ掛け」です。
- もみが落ちる下に受け
- 乾くともみが自然に落ちてきます。束の下に新聞紙や浅い箱を敷いておけば、落ちた分も拾い集めて無駄になりません。
乾燥は十日、噛んで確かめる
干す場所は雨が当たらず風の通る軒下やベランダの天井近くです。晴天が続けば十日ほどで乾き、もみを噛んでカリッと割れれば乾き上がりです。噛んで柔らかければまだ水分が多く、このまま保存するとカビが出ます。
室内で干す場合は、エアコンの風が直接当たらない所に吊るし、扇風機で空気を動かすと早まります。乾燥しすぎると精米のときに割れやすくなるので、十日を超えて干し続けるのは避けます。
- 三日に一度向きを変える
- 束の内側が乾きにくいので、吊るした束を回して風の当たる面を変えます。ひもがゆるんでいれば締め直します。
- 噛んで判断する
- 穂の真ん中あたりのもみを一粒取り、殻をむいて噛みます。カリッと割れたら終わり、歯に付くようならもう数日干します。
- 雨の日は取り込む
- 湿気を吸うと乾燥が振り出しに戻ります。雨が続くときは室内に移し、晴れたら戻します。
脱穀ともみすりは身近な道具で
脱穀は穂からもみを外す作業、もみすりはもみ殻を外して玄米にする作業です。どちらも家にあるもので十分できます。脱穀は牛乳パックや茶碗のふち、もみすりはすり鉢と軟式野球ボールが定番です。もみ殻は軽いので、うちわであおげば飛んでいきます。
| 工程 | 使う道具 | コツ |
|---|---|---|
| 脱穀 | 牛乳パックの口、茶碗のふち | 穂をはさんで引き抜く |
| ごみ取り | うちわ、ざる | 軽い殻や芒をあおいで飛ばす |
| もみすり | すり鉢と軟式ボール | ボールを転がして殻を外す |
| 殻の分別 | うちわ、平たい皿 | 殻だけが飛び玄米が残る |
| 精米 | 瓶と棒、または精米機 | 瓶に入れて棒で突く |
一株分の玄米は百グラム前後です。精米すると一割ほど減るので、ご飯にすると茶碗一杯分になります。
精米して炊く
玄米のまま炊いてもよいですが、白米にするなら瓶に玄米を入れて棒で突く方法があります。三十分ほど突くと表面のぬかが取れて白くなってきます。少量なら家庭用精米機を持っている人に頼むか、コイン精米機は量が少なすぎて使えないので瓶突きが現実的です。
- 瓶に三分の一入れる
- 口の広い瓶に玄米を三分の一ほど入れます。多いと棒が動かず、少ないと米が跳ねて割れます。
- 棒でリズムよく突く
- すりこぎや太い棒で上から突きます。力より回数で、ぬかが粉になって瓶の底に溜まってくれば進んでいます。
- ぬかをふるって分ける
- 目の細かいざるでふるい、ぬかを落とします。米が白くなり、透けなくなったら精米の終わりです。
- 少量は水を多めに炊く
- 収穫したてのお米は水分が多めなので、普段より一割ほど水を減らし、三十分浸けてから炊きます。
実が少なかったときの原因の切り分け
刈ってみて中身のないもみが多い、粒が小さいといった結果は、その年の水管理か受粉の時期の天候にたいてい理由があります。来年に同じ失敗を繰り返さないために、もみの状態から原因をさかのぼります。
| もみの状態 | 考えられる原因 | 来年の直し方 |
|---|---|---|
| 中身がなく白く軽い | 開花期の水切れか低温 | 八月は毎朝水位を見る |
| 粒が小さく青米が多い | 刈り取りが早い、日照不足 | 穂の色で刈りどきを判断 |
| 黒い点のある粒が多い | カメムシの吸汁 | 出穂後すぐネットで覆う |
| もみが割れている | 干しすぎ、刈り遅れ | 十日で乾燥を止める |
稲の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
稲の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は稲の育て方にまとめています。
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