増やし方の選び方
ムクゲは挿し木の発根率が高く、園芸品種の性質をそのまま受け継げるので、増やすなら挿し木が第一です。冬の剪定で出る枝を使う休眠枝挿しなら、捨てる枝から苗が作れます。種からも育ちますが、八重や色の変わった品種は親と同じにならず、花が咲くまで三年以上かかります。
| 方法 | 適期 | 使う枝 | 花までの年数 |
|---|---|---|---|
| 緑枝挿し | 6月〜7月上旬 | 今年伸びた枝の先 | 翌年〜2年 |
| 休眠枝挿し | 2月下旬〜3月 | 冬剪定で切った前年の枝 | 翌年〜2年 |
| 実生 | 3〜4月 | 秋に採った種 | 3年以上 |
六月の緑枝挿しの手順
今年伸びた枝が緑からやや茶色に変わり始めた六月中旬〜七月上旬が適期です。枝を指で曲げてしなやかに戻るころなら挿し穂に向きます。柔らかすぎると腐り、固くなりすぎると根が出にくいので、この時期を逃さないことが成功の鍵です。ムクゲは根が出やすいので、発根促進剤がなくても十分付きます。
- 挿し穂を切る
- 今年の枝の先から一〇〜一五センチを、朝のうちに切ります。下の葉を落とし、上の葉を二〜三枚残して、大きい葉は半分に切ります。
- 一時間水に浸ける
- 切り口を清潔な水に一時間ほど浸けて水を吸わせます。切り口は斜めにして吸水面を広くします。
- 赤玉土に挿す
- 肥料の入っていない赤玉土小粒か鹿沼土に、割りばしで穴を空けてから三〜四センチ挿します。穂どうしは葉が触れない間隔にします。
- 日陰で乾かさない
- 明るい日陰に置き、土が乾かないよう毎日水をやります。一か月ほどで新芽が動き始めたら根が出た合図です。
冬の剪定枝で休眠枝挿し
二月の剪定で切り落とした前年の枝を、鉛筆ほどの太さの部分で一五〜二〇センチに切りそろえ、上下を間違えないよう上を水平、下を斜めに切ります。すぐに挿すか、湿らせた新聞紙に包んで冷蔵庫で保管し、三月に赤玉土へ半分ほど埋めて挿します。葉がないので水の蒸発がなく、管理が楽です。四月に芽が出て、六月には根が回ります。
- 枝を切りそろえる
- 鉛筆ほどの太さの部分を、芽を三〜四個含む長さで切ります。上は芽の上五ミリを水平に、下は芽の下を斜めに切って上下を分かります。
- 半分埋めて挿す
- 赤玉土に、枝の長さの半分から三分の二が埋まる深さで挿します。深めに挿したほうが乾かず、発根も安定します。
- 芽が出ても引き抜かない
- 四月に芽が出ても根はまだ出ていないことがあります。六月まで待ってから、軽く引いて抵抗があるのを確かめて鉢上げします。
発根を見きわめて鉢上げする
緑枝挿しは一か月半ほどで、新しい芽が伸び始めたら根が出た合図です。挿し穂を軽く引いて抵抗があれば根付いています。小さな根を切らないよう、鉢上げは九月中旬から十月に、根鉢を崩さずに三〜四号ポットへ移します。冬は霜の当たらない軒下で越し、翌春の二月〜三月に庭や大きい鉢へ植えます。順調なら翌年の夏に最初の花が咲きます。
- 軽く引いて確かめる
- 穂を指でつまんでわずかに引き、動かなければ発根しています。抜けてしまったら切り口を整えてもう一度挿します。
- 九月にポットへ
- 根を崩さず、花木用の培養土で三〜四号ポットに植えます。植えて二週間は日陰で慣らし、その後に日なたへ出します。
- 翌春に定植する
- 二月〜三月に、根鉢を崩さず庭か七号鉢に植えます。植えた年は枝を切らず、夏の花を楽しんでから翌年の冬に剪定を始めます。
挿し木が失敗するときの原因
挿し穂が黒く腐るのは、柔らかすぎる枝を使ったか、土が肥料入りで雑菌が多かった場合です。乾いて枯れるのは日なたに置いたか、水やりを忘れたか、葉を多く残しすぎたときに起きます。休眠枝挿しで芽は出たのに枯れるのは、芽の養分で葉を出しただけで根が出ていなかった場合で、深めに挿して乾かさないことで防げます。何本挿しても根が出ないなら、時期が遅く枝が固くなっている可能性が高いので、翌年は六月中旬に前倒しします。
| 見た目 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 切り口から黒く腐る | 枝が柔らかすぎる、土に肥料 | 枝の固さを確かめて新しい土で挿し直す |
| 葉が落ちて枯れる | 乾燥、日当たりが強い | 袋をかぶせて日陰に置く |
| 芽は出たが五月に枯れた | 根が出る前に芽の養分が尽きた | 深めに挿し、水を切らさない |
| 根は出たが翌年咲かない | 株がまだ小さい | 二年目の夏まで待つ |
種から育てる場合
十月に実が茶色く割れる前に採り、中の毛の付いた種を取り出して乾かし、封筒に入れて冷暗所で春まで保管します。三〜四月に赤玉土へ一センチ間隔でまき、五ミリほど土をかぶせて日なたに置くと二〜三週間で発芽します。本葉四〜五枚で一本ずつポットに移し、翌年の春に定植します。花が咲くまで三年ほどかかり、親と違う花が咲くこともありますが、それも実生の楽しみです。
一重の白花などの原種に近い品種は種でも比較的性質がそろいます。八重や複色の品種は、種からでは同じ花にならないことが多いので、気に入った花は必ず挿し木で残します。
- 実が割れる前に採る
- 実が茶色くなって先が少し裂け始めたら房ごと切り、紙袋の中で乾かして種を落とします。完全に割れると種が飛んでしまいます。
- 春にまく
- 三〜四月に赤玉土へまき、乾かさず日なたに置きます。二〜三週間で芽が出るので、本葉四枚でポットへ移します。
ムクゲの挿し木・接ぎ木に使うもの
木を増やす方法は挿し木と接ぎ木で、要るものが違います。まず自分の木がどちらで増えるかを確かめます。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木 ルートン」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプ。
木は草花より根が出にくく、種類によっては差がはっきり出ます。
- 接ぎ木用ナイフ探す言葉「接ぎ木ナイフ 園芸」
- 規格の目安
- 片刃で、刃の平らなもの。よく研げるもの。
接ぎ木は切り口の面が合うかどうかがすべてです。普通のカッターでは平らな面を作れません。
- 接ぎ木テープ探す言葉「接ぎ木テープ 園芸」
- 規格の目安
- 伸びて自然に劣化するタイプ。幅 20〜30mm。
接いだところを密着させ、乾燥を防ぎます。外し忘れると幹に食い込むので、劣化するものが安全です。
- 挿し木で増える種類なら、接ぎ木の道具は要りません。
- 苗木を買うほうが早く実を付ける木も多く、増やすのは趣味の範囲と割り切る選択もあります。
ムクゲの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はムクゲの育て方にまとめています。
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