いつ、どれくらい切るかを先に決める
ムクゲは春から伸びる今年の枝の先に次々と花芽を作ります。前年の枝に花芽を持つ花木と違い、冬に枝をどれだけ切っても、春に伸びた枝に花が咲きます。切る時期は葉が落ちて芽が動く前の十二月〜三月上旬で、寒さの厳しい一月は避けて二月〜三月上旬に切ると切り口が傷みません。
| 目的 | 切る量 | 時期 |
|---|---|---|
| 高さを抑えて花を大きく | 前年の枝を2〜3節残して切る | 2月〜3月上旬 |
| 自然な樹形で花数を増やす | 混んだ枝を付け根で抜くだけ | 2月〜3月上旬 |
| 生け垣の面をそろえる | 面を刈り込み、冬にもう一度整える | 6月下旬と2月 |
| 古い株の更新 | 地際から30〜50センチで切る | 2月、数年に1回 |
花が咲いている夏に枝を切ると、その先の花芽を全部落とします。夏は花がらと徒長枝の先端を摘む程度にします。
冬の強剪定で高さを決める
放っておくと毎年五〇センチ以上伸びて手の届かない高さで咲くようになります。目の高さで花を見たいなら、二月に前年伸びた枝を付け根から二〜三節残して切ります。切った位置から太い新枝が出て、七月には長さ五〇センチほどに伸びて花を付けます。株の骨格になる太い枝は残し、そこから出た一年枝だけを切る、と覚えておくと迷いません。
切る高さに迷ったら、芽の位置を見て判断します。芽が赤くふくらみ始めたころが剪定の最終期限で、それより前なら枝を触って固さを確かめ、緑でしなやかな部分は残し、乾いて色の濁った部分は切り落とす、を目安にします。
- 骨格の枝を決める
- 幹から出る太い枝を三〜五本選んで残します。これが毎年の土台になり、ここから出る一年枝を毎年切り詰めます。
- 一年枝を二〜三節残して切る
- 前年に伸びた枝を、付け根から二〜三節、長さで五〜一〇センチ残して切ります。外向きの芽の五ミリ上で切ると枝が外に広がります。
- 内向きと交差する枝を抜く
- 株の中心に向かう枝、二本がこすれ合う枝は付け根で抜きます。風が通ると夏のうどんこ病が減ります。
- ひこばえを根元で切る
- 地際から出る勢いのよい枝は養分を奪います。株を若返らせたいとき以外は根元で切ります。
花を大きくするか数を増やすか
強く切るほど新枝が太くなり花は大きくなりますが数は減り、軽く切ると細い枝が多く出て小さな花がたくさん咲きます。一重の品種は数を楽しむ軽い剪定、八重の大輪品種は花を大きくする強い剪定が向きます。生け垣は六月下旬に一度面を刈り込み、その後に伸びた枝の先に八〜九月の花が咲きます。
| 品種のタイプ | 向く切り方 | 仕上がり |
|---|---|---|
| 一重の小輪〜中輪 | 混んだ枝を抜く軽い剪定 | 小さな花が株一面に咲く |
| 八重の大輪 | 一年枝を2〜3節に詰める強い剪定 | 大きな花が枝先に集まる |
| 生け垣仕立て | 6月下旬に面を刈る | 8〜9月に垣根全体で咲く |
夏の手入れは花がらと徒長枝
ムクゲは一日花で、朝咲いて夕方にはしぼみます。しぼんだ花は自然に落ちますが、実を付けると次の花が減るので、暇があれば花がらを摘み取ります。七月に勢いよく上に伸びる徒長(勢いよく伸びる細長い枝)した枝は、先端を摘むとその下からわき枝が出て花が増えます。八月以降に枝を切ると翌年の骨格が弱るので、八月はもう触りません。
- 花がらと実を摘む
- しぼんだ花の下に丸い実ができていたら、指で摘み取ります。実を残すと種に養分が回り、九月の花が減ります。
- 徒長枝の先を摘む
- 七月上旬までに、他より明らかに長く伸びた枝の先端を五センチほど切ります。切った下から二〜三本の枝が出て、その先にも花が付きます。
切ったのに花が咲かないときの原因と直し方
ムクゲは切りすぎて咲かない木ではないので、花が減ったときは別の原因を疑います。多いのは日照不足、夏の水切れ、そして春の遅霜で新芽が傷んだ場合です。枝が細く節が長く伸びているなら日陰が原因で、周囲の木を透かすか移植します。新枝は伸びたのにつぼみが落ちるなら七月の水切れか、窒素の多い肥料のやりすぎで、翌年は夏の水やりを増やして肥料をリン酸の多いものに変えます。
- 枝の姿で切り分ける
- 枝が細く長いなら日照不足、枝は太いのにつぼみが落ちるなら水と肥料、春の新芽が黒く縮れていたら遅霜です。
- 遅霜の後は切り戻す
- 四月の遅霜で新芽が黒く枯れたら、その枝を健全な芽の上まで切り戻します。五月に出る二番芽で七月の花に間に合います。
- 肥料を変える
- 葉ばかり茂って花が少ない株は、翌年の寒肥を油かすだけにして、五月にリン酸の多い花木用の肥料を一握り足します。
太い枝を切ったあとの手当て
古い株を更新するために直径三センチを超える枝を切ったときは、切り口に癒合剤を塗って雨水と病気の侵入を防ぎます。切り口は枝の付け根のふくらんだ部分をわずかに残す位置で、幹と平行に切ると塞がりが早くなります。ムクゲは芽吹く力が強いので、地際から三〇〜五〇センチで切っても、その年の夏には新枝が一メートル近く伸びて花を付けます。
切った直後の株は葉が減って根とのつり合いが崩れるので、その後一か月は水切れに注意します。切り口の下から出る新しい芽は、外向きの三〜五本を残して他はかき取ると、翌年きれいな骨格になります。
- 癒合剤を塗る
- 切ったその日のうちに切り口全体に薄く塗ります。数日たつと表面が乾いて効きが落ちるので、切ってすぐが基本です。
- 更新後の芽を整理する
- 五月に切り口の下から芽がいくつも出たら、外向きの三〜五本だけ残して、他は指でかき取ります。残した枝が新しい骨格になります。
ムクゲの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
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