日当たりと広さで場所を決める
ムクゲは一日五時間以上日が当たる場所でよく咲きます。日陰でも枯れはしませんが、枝が細く伸びて花数が減り、うどんこ病も出やすくなります。放っておくと高さ三メートルを超えるので、庭では隣家との境や窓のそばを避け、剪定で高さを抑える前提で植えます。ベランダなら鉢植えで高さ一メートル前後に保てる品種を選びます。
| 場面 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 南向きの日なた | 最適 | 花数が多く病気も出にくい |
| 午前だけ日が当たる場所 | 向く | 花はやや減るが問題なく咲く |
| 建物の北側 | 不向き | 枝が徒長して花が付かない |
| 生け垣 | 向く | 刈り込みに強く、夏に花の垣根になる |
ムクゲは根が横に広がるので、隣の植物と最低一メートルは離します。生け垣にするなら株間は六〇〜八〇センチが目安です。
植え付けは落葉期の二月〜三月が第一候補
落葉樹なので、葉を落として休眠している十二月〜三月上旬が植え付けの適期です。中でも寒さが緩む二月下旬〜三月中旬なら、植えてすぐに根が動き出して春の芽吹きに間に合います。関東平野部では真冬の一月も植えられますが、凍結で根が浮くことがあるので、株元に腐葉土を敷いて守ります。ポット苗は真夏を除けば一年中植えられますが、根を崩さないことが条件です。
- 苗を選ぶ
- 幹がまっすぐで、下のほうから枝が三本以上出ている苗を選びます。ラベルの品種名と花の写真を見て、一重か八重か、花の色を確かめます。
- 根を軽くほぐす
- 落葉期の苗は根鉢の外側の根を指で軽くほぐして広げます。葉のある時期のポット苗は崩さずそのまま植えます。
- 根鉢の上面を地面と同じ高さに
- 深植えは幹の根元が蒸れて枯れ込む原因になります。根鉢の上面が地面と同じか、やや高くなる深さに置きます。
植え穴と土の作り方
植え穴は根鉢の直径の二倍、深さは一・五倍を目安に掘ります。掘り上げた土に腐葉土か堆肥を三割混ぜ、元肥(植えるときに土へ混ぜておく肥料)として緩効性の粒状肥料を一握り入れます。ムクゲは土を選びませんが、水が抜けない粘土質の庭では周囲より一〇センチほど高く盛って植えたほうが根腐れを防げます。酸性の土でもよく育つので、石灰で調整する必要はありません。
- 穴を掘って土を改良する
- 掘った土に腐葉土と粒状の元肥を混ぜます。肥料が根に直接触れないよう、混ぜた土を穴の底に一度戻してから苗を置きます。
- 水極めで根と土を密着させる
- 土を半分戻したところでたっぷり水を注ぎ、泥状にして棒で軽く突いて隙間をなくしてから残りの土をかぶせます。
- 支柱を添える
- 苗の高さが一メートルを超えるなら、風で根が揺れないよう斜めに支柱を一本添えて、麻ひもで幹を八の字に結びます。
鉢植えにする場合の鉢と土
ベランダで育てるなら、生育の穏やかな品種や矮性の品種を選び、七〜八号の鉢から始めます。土は市販の花木用培養土か、赤玉土小粒六、腐葉土三、軽石一の配合で水はけをよくします。ムクゲは根の伸びが早いので、鉢植えは二年に一回、三月に根を整理して植え替えます。
| 鉢の大きさ | 向く苗 | 植え替えの目安 |
|---|---|---|
| 7号(直径21センチ) | 高さ50センチまでのポット苗 | 翌年の3月に8号へ |
| 8〜9号 | 高さ50〜100センチの株 | 2年に1回の根の整理 |
| 10号以上 | 高さ1メートル超 | 2〜3年に1回、根鉢の外側を削る |
植え付け直後にうまくいかないときの手当て
落葉期に植えた株が四月になっても芽を出さないときは、まず枝を指で曲げてみます。しなやかに戻れば生きているので、五月まで待ちます。乾いて折れるなら根が水を吸えていないので、根元を足で軽く踏んでから水極めをやり直します。葉のある時期に植えた株が数日でしおれたら水切れなので、朝と夕方に葉の張りを見て、朝もしおれているなら夕方にたっぷり水をやります。
- 枝を曲げて確かめる
- 枝の先端を指で曲げ、緑色でしなやかなら生きています。茶色く乾いて折れる枝は、緑の部分まで切り戻します。
- 五月まで待つ判断
- ムクゲは芽吹きが遅く、五月に入ってから動く株もあります。枝が生きていれば、水を切らさず五月中旬まで待ちます。
- しおれたら葉を減らす
- 葉のある時期に植えてしおれが戻らないときは、枝先を三分の一ほど切って葉の量を減らし、根の負担を軽くします。
植えた年の管理と根付きの見きわめ
植えた年は根を張らせることが最優先です。夏に花が咲いても剪定はせず、咲き終わった花がらを摘む程度にとどめます。肥料は元肥だけで秋まで様子を見て、追肥(育ちの途中で足す肥料)は翌年の二月の寒肥から始めます。真夏は一週間雨がなければ根元にたっぷり水をやり、株元に腐葉土を五センチほど敷いて乾燥を防ぎます。翌年の春に太い新枝が株全体から出てくれば、根付いたと判断して通常の剪定に切り替えます。
鉢植えは植えた年の秋に鉢底から白い根が出ているかを確かめます。出ていれば順調で、翌年の三月に一回り大きい鉢へ移します。根が見えず葉の色も薄いなら、水が多すぎるか日照が足りないので、置き場所と水やりの間隔を見直します。
- 一年目は切らない
- 冬の剪定は二年目からにします。一年目に枝を減らすと葉で作る養分が減り、根の伸びが遅れます。
- 冬に根元を守る
- 植えた年の冬は株元に腐葉土かわらを敷いて、凍結で根が浮くのを防ぎます。二年目以降は関東平野部なら不要です。
ムクゲの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
ムクゲの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はムクゲの育て方にまとめています。
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