冬の強剪定は休眠が最も深い時期に
冬剪定は芽が動き出す直前、葉を落として休眠している時期に行います。枝の中の養分が根に下りきっていて、深く切っても株が弱らず、切り口から新しい芽を勢いよく押し出させられるからです。
早すぎると暖かい日に芽が動いて霜で傷み、遅すぎると伸び始めた芽を自分で切り落とすことになります。芽が赤くふくらみ始めた頃が最終期限だと考えてください。
| 地域 | 冬剪定の適期 | 目印 |
|---|---|---|
| 暖地 | 1月下旬〜2月中旬 | 芽がまだ固く色づかない |
| 中間地 | 2月上旬〜2月下旬 | 最低気温が氷点下を外れる前 |
| 寒冷地 | 2月下旬〜3月中旬 | 雪が消えて芽が赤らむ前 |
開花中の鉢を年末に買った場合も、剪定は上の適期まで待ちます。買った直後に切ると根が動かず立ち上がりません。
外芽の上で切る理由
切り口のすぐ下にある芽が、そのまま次の枝になります。株の外を向いた芽の上で切れば枝は外へ広がり、株の中心に日と風が通ります。内芽で切ると枝が内側で交差し、葉が重なって蒸れます。
- 芽の位置を先に探す
- 切りたい高さの前後で、外を向いてふくらんだ芽を探します。高さを決めてから芽を探すのではなく、芽の位置に高さを合わせます。
- 芽の5ミリから1センチ上
- 芽から離しすぎると残した部分が枯れ込み、近すぎると芽を傷めます。芽の真上を数ミリ空けて切るのが安全な幅です。
- 芽と反対側へ傾ける
- 切り口は芽の反対側に向けてわずかに斜めに落とします。雨水が芽の上にたまらず、腐りとカビの入口を作りません。
- 広がりすぎる株は内芽
- 横へ暴れる性質の品種は、あえて内芽の上で切って立ち上がらせます。外芽は原則であって、株の形を見て決める例外があります。
刃はよく切れるものを使い、枝を潰さないこと。潰れた切り口は塞がるのが遅く、枯れ込みが下へ進みます。
系統で切る量が変わる
同じ強剪定でも、四季咲きの木立ち性は深く、返り咲きのシュラブは浅く切ります。四季咲きは新しく伸びた枝の先に花を付けるため強く切るほど太い枝が出ますが、シュラブは枝の途中の芽にも咲くので深追いすると花が減ります。
| 系統 | 冬に切る高さ | 考え方 |
|---|---|---|
| 四季咲き大輪 | 株の高さの2分の1 | 太い枝を数本出して大きい花を咲かせる |
| 四季咲き中輪房咲き | 株の高さの2分の1から3分の1 | 枝数を確保して房で咲かせる |
| シュラブ | 全体の3分の1まで | 枝の途中の芽も使うので浅く整える |
| ミニチュア | 株の高さの2分の1 | 細枝が多いので枯れ枝の整理が主役 |
どの系統でも、鉛筆の芯より細い枝、枯れ枝、内向きの交差枝は高さを決める前に先に抜いておきます。
つるバラは切るより誘引
つるバラの冬作業は、切ることではなく枝を寝かせて留めることが本体です。枝を立てたままにすると先端の芽だけが伸びて下が丸坊主になり、横に倒すと枝全体の芽が同じように動いて、下から上まで花が付きます。
- 12月から1月に葉を取る
- 残った葉を手でしごいて落とします。枝の姿が見えるようになり、葉に付いた病原菌と越冬中の害虫も同時に持ち出せます。
- 古い枝から抜く
- 一季咲きは前年に伸びた枝によく咲きます。3年以上たって皮が荒れ、花が減った枝を根元から抜いて場所を空けます。
- 水平に近づけて留める
- 太い枝を先に水平に倒して骨格を作り、細い枝を隙間に配ります。留める間隔は握りこぶし1つ分を目安にします。
- 枝先を切り詰める
- 倒したあと、細くなった先端と留めきれない部分だけを落とします。つるバラの冬に太い枝を短く切る必要はありません。
夏剪定は秋の花をそろえる作業
四季咲きは切ってからおよそ45日から50日で咲きます。秋にいちばん美しく咲かせたい日から逆算して切ると、株全体の花期がそろい、間延びした枝も同時にたたみ直せます。
| 地域 | 夏剪定の時期 | 開花のめやす |
|---|---|---|
| 暖地 | 9月上旬 | 10月中旬から下旬 |
| 中間地 | 8月下旬から9月上旬 | 10月中旬 |
| 寒冷地 | 8月中旬から下旬 | 9月下旬から10月上旬 |
猛暑が続く年は数日から1週間遅らせます。暑さの中で切ると芽が動かず、そのまま枝が枯れ込むことがあります。
夏剪定の切り方と切ってはいけない株
夏剪定は冬とは別物で、切る量は枝の4分の1から3分の1にとどめます。夏は葉が根を養っているので、深く切って葉を失うと株が回復できず、秋の花どころか翌春の芽まで作れません。
- 葉の付いた位置まで
- 切り下げる先に必ず健全な葉と芽を残します。葉のない裸の部分まで切ると、そこから芽が出ずに枯れ込みます。
- 高さをそろえる
- 株全体で切る高さを同じ面にそろえると、伸びる枝の勢いがそろい、秋に一斉に咲きます。ばらばらに切ると開花が散ります。
- 弱った株は切らない
- 黒星病で葉を落とした株、根詰まりで葉が小さい株は夏剪定を見送ります。葉を残して体力を戻すほうが優先です。
- 一季咲きは対象外
- 春だけ咲く品種は夏に切ると翌春の花芽を落とします。花後すぐの6月から7月に整える以外、夏は触りません。
切りすぎ・切り足りないときの立て直し
剪定の失敗が分かるのは切った直後ではなく、芽が動き出す春です。同じ「花が咲かない」でも、切りすぎと切り足りないでは手当てが逆になるので、まず株の姿から原因を切り分けます。
- 枯れ込みは早く切る
- 切り口から下へ茶色く変わった部分は戻りません。断面に緑の髄が見える高さまで切り直し、外向きの芽の上で止めます。
- 切りすぎた年は待つ
- 深く切りすぎた株は、その年は花数より枝を作らせます。花がらを早めに切り、葉をできるだけ残して体力を戻します。
- 切り足りない株は夏に
- 冬に浅すぎた株は夏剪定で立て直せます。秋の花に間に合うよう、地域の適期の範囲で高さをそろえ直します。
| 株の姿 | 起きたこと | この後の手当て |
|---|---|---|
| 芽が出ず枝先が枯れる | 芽から離れた位置で切った | 生きた芽の5ミリ上まで切り戻す |
| 細い枝ばかり多く出た | 浅く切って枝数が増えすぎた | 次の冬に一段深く切って本数を絞る |
| 葉ばかりで花が咲かない | 切る量が足りず枝が古いまま | 夏剪定で高さをそろえ秋の花に回す |
| 枝が内側で交差する | 内芽の上で切った枝が多い | 交差した枝を付け根から抜く |
迷ったら春の一番花まで待って判断します。芽の出方を見てから切り直すほうが、見当で切るより株の傷が小さくて済みます。
バラの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
バラの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバラの育て方にまとめています。
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