まず樹形を決める
バラ選びは花の写真からではなく、枝がどこまで伸びるかから入ります。同じ美しさの花でも、木立ち性は1メートル前後で自立し、つる性は3メートル以上伸びて必ず支えを要求します。置き場所の広さと支えの有無が最初の条件です。
樹形は品種ごとにほぼ決まっていて、剪定で自由に変えられるものではありません。つる性を小さく切り詰めても、翌年また同じだけ伸びて花が付かない枝ばかりが残ります。
| 樹形 | 伸びる高さ | 必要なもの |
|---|---|---|
| 木立ち性 | 0.6から1.5メートル | 支柱1本か支柱なし |
| 半つる性 | 1.5から2.5メートル | 低いフェンスかオベリスク |
| つる性 | 2.5から5メートル | 壁面やアーチの広い面 |
鉢で育てるなら木立ち性かミニチュアが無難です。つる性を鉢に入れると水切れが早く、誘引の場所も足りません。
四季咲きと一季咲きの違い
四季咲きは新しく伸びた枝の先に次々とつぼみを作るため、春から晩秋まで波を打って咲きます。一季咲きは前年に伸びた枝に花芽を作るので春の一度だけですが、そのぶん一度の花数が桁違いに多くなります。
- 四季咲き
- 5月と10月を中心に年3回から4回の波で咲きます。花がら切りと施肥を続ける前提で、手をかけるほど返ってくるタイプです。
- 返り咲き
- 春が主役で、秋にもいくらか咲きます。四季咲きほど手をかけずに長く楽しめる中間型で、シュラブに多く見られます。
- 一季咲き
- 春に2週間ほど爆発的に咲きます。夏以降は緑の株として過ごすので、花のない時期の見え方を許せるかが判断の分かれ目です。
- 剪定への影響
- 一季咲きを冬に強く切ると、その年の花をすべて落とします。咲き方を知らずに剪定の記事を読むと必ず失敗します。
初心者が最初に選ぶなら
最初の1株は、花の好みより病気の強さで選ぶと続きます。黒星病に弱い品種は梅雨に葉を全部落とし、その姿を見て栽培そのものをやめてしまう人が多いからです。
| 当てはまる場面 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 日照が5時間未満 | 半日陰に耐える品種 | 花数は減るが枯れずに残る |
| ベランダのみ | ミニチュアか小型四季咲き | 鉢が小さくても収まる |
| 雨ざらしの庭 | 黒星病に強いとされる品種 | 薬に頼らずに葉が残る |
| 世話の時間が短い | 返り咲きのシュラブ | 花がら切りを詰めなくても形が崩れない |
病気への強さは絶対ではありません。同じ品種でも風通しと日当たりが悪ければ、強いとされる株も葉を落とします。
苗の形態を見分ける
店頭に並ぶ苗には新苗、大苗、鉢植えの開花株があり、扱いがまったく違います。新苗を大苗と同じに扱うと、最初の年に無理に咲かせて株が育たないまま終わります。
値札の差はほとんど育った年数の差です。急がないなら新苗で1年かけて育てるほうが、その庭の環境に合った根の張り方をしてくれます。
- 新苗を選ぶ場合
- 4月から6月に出る若い苗です。最初のつぼみは摘み、その年は枝と根を作ることに使います。安いぶん時間で払う苗です。
- 大苗を選ぶ場合
- 10月から2月に出る2年目の苗で、休眠状態のことが多いです。植えた翌春から普通に咲き、最初の1株に向きます。
- 開花株を選ぶ場合
- 咲いた状態の鉢です。花を見て買えますが、根鉢がすでに一杯のことが多く、花後に一回り大きい鉢へ移す前提で買います。
- 接ぎ木の位置を見る
- 根元のふくらんだ接ぎ口が土に埋まっていないか確かめます。埋まると台木から枝が出て、品種の枝が負けていきます。
香りと花もちで絞る
同じ四季咲きでも、香りが強い品種は花弁が薄く雨に弱い傾向があり、花もちの良い品種は香りが控えめなことが多くなります。両方を求めると選べなくなるので、どちらを優先するかを先に決めます。
| 優先すること | 向く性質 | 覚悟すること |
|---|---|---|
| 香りを楽しむ | 花弁の薄い大輪 | 雨で傷みやすく切り花向き |
| 長く咲かせる | 花弁の多い中輪 | 香りが弱いことが多い |
| 切って飾る | 茎が長く伸びる大輪 | 株の姿は整いにくい |
| 庭の景色を作る | 房咲きの中小輪 | 一輪の見応えは控えめ |
香りは気温と湿度で強さが変わります。同じ株でも朝の涼しい時間がいちばん強く、真夏の日中はほとんど飛びます。
買う前に確かめること
枯らす原因の多くは、株ではなく置き場所と鉢の大きさです。買ってから置き場所を探すと、日照も風通しも足りない場所に押し込むことになります。
- 日照を数える
- 置く予定の場所で、直射日光が当たる時間を実際に測ります。1日4時間を切ると花数が目に見えて減ります。
- 風の通りを見る
- 三方を壁に囲まれた場所は蒸れて病気の温床になります。少なくとも一方が開いていて、空気が抜ける場所を選びます。
- 鉢の号数を決める
- 木立ち性の四季咲きなら8号から10号が標準です。小さすぎる鉢は夏に毎日水を切らし、根を傷めます。
- 冬の置き場も想定する
- 落葉して枝だけになる時期があります。その姿を玄関先に置いておけるかを、買う前に考えておきます。
バラの長く咲かせるコツは作物ページに
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