冬から春先の作業
1月から3月は1年で唯一、株の形を作り直せる時期です。落葉して枝が見えるうえ、根が動き始める前なので、剪定と植え替えという大きな作業をまとめて済ませられます。
この期間にやり残した作業は、その年のうちに取り返せません。春に芽が動き出すと剪定も植え替えも株を痛めるだけになるため、優先順位を付けて冬のうちに片付けます。
| 月 | 主な作業 | 注意 |
|---|---|---|
| 1月 | つるバラの誘引、寒肥、大苗の植え付け | 土が凍る日は作業しない |
| 2月 | 木立ち性の冬剪定、鉢の植え替え | 芽が動く前に終える |
| 3月 | 芽出し肥、新芽の観察開始 | 遅れた剪定はここが限界 |
| 3月下旬 | マルチングを敷き直す | 雨のはねを止めて黒星病を遅らせる |
暖地は各作業がおよそ2週間早く、寒冷地は2週間から3週間遅くなります。芽の状態を暦より優先します。
春から一番花まで
4月と5月は生育がもっとも速く、同時にアブラムシとうどんこ病が立ち上がります。この2カ月の観察の密度が、その年に薬をどれだけ使うかを決めます。
一番花は年間でいちばん花数が多く、質も高くなります。冬剪定でそろえた芽が一斉に開くためで、春の花を見れば冬の作業の答え合わせができます。
| 月 | 主な作業 | 警戒すること |
|---|---|---|
| 4月 | 芽かき、支柱立て、新苗の植え付け | アブラムシ、うどんこ病 |
| 5月 | 一番花の観賞、花がら切り開始 | うどんこ病、チュウレンジハバチ |
| 6月 | お礼肥、梅雨前の枝の整理 | 黒星病、灰色かび病 |
芽かき(余分な芽を根元から取ること)は1カ所から複数の芽が出たとき、勢いの良い1本を残す作業です。全部残すと枝が細く花も小さくなります。
梅雨から真夏
7月と8月は攻めの作業をしない期間です。高温と強い日射で株は生育を落としているので、施肥と剪定を止め、水と風の管理だけを続けます。
この時期に何もしないのは手抜きではなく判断です。夏に消耗させなかった株だけが、秋にもう一度きちんとした花を咲かせられます。
| 月 | 主な作業 | やらないこと |
|---|---|---|
| 7月 | 朝の水やり、下葉の整理 | 施肥、強い剪定 |
| 8月上旬 | 鉢の遮熱、ハダニ対策 | つぼみを咲かせきる |
| 8月下旬 | 寒冷地は夏剪定、秋の追肥 | 深すぎる切り戻し |
| 8月を通して | 西日を弱める、鉢を台に載せる | 真夏の植え替えと株分け |
夏に黒星病で下葉を落とし始めたら、拾って捨てることを続けます。放置すると9月に上まで到達します。
秋の花を作る
9月と10月は秋の花の準備と本番です。夏剪定を入れた株は45日前後で咲くので、そこから逆算して施肥と防除の予定を組みます。秋雨で黒星病が再燃するのもこの時期です。
夏に葉を残せたかどうかが、ここで数字になって出ます。葉を落とした株は秋の花が小さく数も少ないので、無理に咲かせず葉を作らせるほうが得です。
| 月 | 主な作業 | ねらい |
|---|---|---|
| 9月上旬 | 暖地と中間地の夏剪定 | 10月中旬に花をそろえる |
| 9月下旬 | 追肥、枝を透かす | 秋雨の蒸れを避ける |
| 10月 | 秋の花の観賞、軽い花がら切り | 下旬以降は切らずに残す |
秋の花は気温が下がるぶん色が濃く、咲いている期間も春より長くなります。急いで切らずに長く楽しめます。
晩秋から年末
11月と12月は次の年の準備に切り替わります。施肥を止めて枝を充実させ、落葉を待って掃除と誘引に入ります。ここで手を抜くと、翌年の病気の量が変わります。
つるバラの誘引は12月に始めます。落葉が進んで枝が見え、まだ寒さで硬くなりきっていない時期がいちばん曲げやすく、太い枝を折らずに倒せるからです。
| 月 | 主な作業 | 理由 |
|---|---|---|
| 11月 | 施肥を止める、落ち葉の掃除 | 枝を充実させ越冬の菌を減らす |
| 12月 | つるバラの葉むしりと誘引開始 | 枝が見えて留めやすい |
| 12月下旬 | 大苗の植え付け、寒肥の準備 | 休眠中で根が傷まない |
11月に葉が青々と残っていても問題ありません。自然に落ちない場合は、12月の作業時に手でしごいて落とします。
月をまたいで続けること
月別の表に載らない、通年の作業がいくつかあります。これらは特定の月の仕事ではなく、気付いたときに手を動かすもので、株の状態を左右する割合はむしろ大きいものです。
作業の暦は目安であって、実際に従うべき合図は株のほうにあります。芽の色、葉の厚み、シュートの有無を見て、表より早めたり遅らせたりして構いません。
- 葉裏の確認
- 生育期は週に2回ほど、新芽の先と葉の裏を見ます。虫と病気の初期はどちらも表からは見えません。
- 台木からの枝を抜く
- 接ぎ口より下から出た枝は台木のもので、放置すると品種の枝を圧倒します。見つけ次第、付け根から外します。
- 支えの点検
- 誘引の紐と支柱は枝が太るとくい込みます。年に数回ゆるみを確かめ、締まりすぎていれば結び直します。
- 記録を残す
- 剪定した日、施肥した日、病気が出た日を書いておくと、翌年の同じ月に何が起きるかを先読みできます。
作業が遅れたときの立て直し
暦どおりに進まない年のほうが普通です。遅れても取り返せる作業と、時期を過ぎたらやらないほうがよい作業を分けて覚えておくと、迷ったときの判断が速くなります。
- 遅れた冬剪定
- 芽が伸びた後に深く切ると一番花を失います。伸びた芽を残し、枯れ枝と細い枝を抜く作業にとどめます。
- 遅れた夏剪定
- 適期を過ぎたら無理に切らず、咲いた花を早めに切って形を保ちます。次の冬にそろえ直すほうが株が傷みません。
- 遅れた植え替え
- 芽が動いた鉢は根を崩せません。表土を替えて水やりでしのぎ、落葉した冬にあらためて植え替えます。
| 遅れた作業 | いつまでなら間に合うか | 過ぎたときの代わり |
|---|---|---|
| 冬剪定 | 芽が伸び出す前まで | 枯れ枝と細い枝の整理だけにする |
| 寒肥 | 芽が動き出す前まで | 春の芽出し肥をやや早めに与える |
| 夏剪定 | 咲かせたい日の50日前まで | 花がら切りで形を保ち冬に直す |
| 鉢の植え替え | 芽が動く前まで | 表土だけ替えて翌冬に回す |
遅れを取り返そうと二つの作業を同じ日に重ねると株が消耗します。順番は枯れ枝の整理、次に水やり、最後に肥料です。
バラの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
バラの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はバラの育て方にまとめています。
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