樹形は立性・半匍匐性・匍匐性の三つ
ローズマリーは同じ種でも樹形が大きく分かれる。立性は上へ伸びて高さ1メートルから1.8メートルの低木になり、匍匐性は地面や鉢の縁を這って垂れ下がる。半匍匐性は株元から斜めに立ち上がって広がる中間型である。
選ぶ基準は最終的な置き場所である。刈り込んで生垣や庭の主役にするなら立性、石垣やハンギングを覆わせたいなら匍匐性、収穫量と扱いやすさの折り合いを取るなら半匍匐性が向く。
| 樹形 | 伸び方 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 立性 | 真上に伸び年20から40センチ | 生垣、単植、大量収穫 |
| 半匍匐性 | 斜めに立ち上がり広がる | 鉢植え、花壇の縁、料理用 |
| 匍匐性 | 横に這い下へ垂れる | 石垣、傾斜地、ハンギング |
立性を選ぶときの見どころ
- 最終の高さを先に決める
- 立性は放任すると数年で1.5メートルを超える。刈り込む上限を決めてから植えないと、後から低くしようとして木質化(茎が硬い木のようになること)した太枝を切る羽目になる。
- 収穫量は三型で最も多い
- 柔らかい新梢が真上に何本も伸びるため、料理用に頻繁に切るならまず立性を選ぶ。枝を切ることがそのまま樹形の維持にもなる。
- 生垣にするなら株間を空ける
- 列植では株間40から50センチを取る。詰めて植えると内側が蒸れて葉が落ち、下枝から先に枯れ上がって足元がすかすかになる。
- 倒伏と雪折れに備える
- 背が高くなると強風や積雪で株ごと傾く。支柱を一本添えるか、秋に高さを三分の一ほど詰めておくと折れにくい。
立性でも品種により枝の硬さが違う。トスカナブルーは特に直立性が強く、生垣に向く。
匍匐性・半匍匐性の使いどころ
- 鉢の縁から垂らす
- 匍匐性は根鉢が浅くても育つので、深型より幅のある鉢が合う。縁から30センチ以上垂れるため、台の上や壁掛けに置くと形が生きる。
- 斜面の土留めに使う
- 地面を這って節から根を下ろす性質があり、乾いた傾斜地の被覆に向く。ただし常に湿る場所では這った枝の下が蒸れて枯れ込む。
- 半匍匐性は家庭向き
- 高さが50から80センチで収まり、手が届く範囲に新梢が出る。ベランダの鉢でも枝が暴れにくく、収穫と剪定が同時にこなせる。
- 寄せ植えでは主役にしない
- 根の張りが強く水を好まないため、水やり頻度の高い草花と同居させると根腐れする。単植か、同じ乾燥好みの植物と組む。
匍匐性を地植えするときは、這った先が芝や通路に出ないよう周囲30センチを空けておく。
耐寒性は品種でかなり違う
ローズマリー全体としては耐寒性のある常緑低木で、関東以西の平地なら地植えで越冬する。ただし品種差が大きく、氷点下20℃近くまで耐える系統から、氷点下5℃前後で葉が傷む系統まで幅がある。
| 耐寒の目安 | 扱い | 注意点 |
|---|---|---|
| 強い系統 | 寒冷地でも地植えを検討 | 北風の当たる場所は避ける |
| 普通の系統 | 中間地は地植え、寒冷地は鉢 | 株元を落ち葉や腐葉土で覆う |
| 弱い系統 | 鉢で管理し軒下へ移す | 凍結より過湿の害が大きい |
購入時のラベルに耐寒温度が書かれていることが多い。寒冷地では必ず確認してから地植えにする。
花色と香りで選ぶ
花は青紫が基本で、白花やピンク花の品種もある。開花期は品種と地域で幅があり、秋から春にかけて咲くものと、初夏に咲くものがある。暖地では断続的に長く咲く株もある。
| 目的 | 傾向 | 向く目的 |
|---|---|---|
| 花を楽しみたい | 匍匐性と半匍匐性に多花性が多い | 庭の彩り、蜜源 |
| 香りを強く使いたい | 立性は葉が厚く香りが乗りやすい | 肉料理、乾燥保存 |
| 料理で刻んで使いたい | 細葉は刻みやすく口当たりが軽い | 日常の料理、ハーブティー |
鉢と地植えのどちらにするか
- まず鉢で一年育てる
- 冬の寒さと夏の雨量が読めない土地では、初年度を鉢で越して株の反応を見る。問題なければ翌春に地植えへ移すと失敗が少ない。
- 地植えは掘り上げにくい
- 数年経つと根が深く広がり、移植の成功率が落ちる。植える場所は日当たりと水はけを確かめ、最初から動かさない前提で決める。
- 鉢は一回り大きくする
- 根詰まりすると水を弾いて乾きすぎるようになる。二年に一度、直径で3センチほど大きい鉢へ植え替えると生育が続く。
鉢は素焼きなど通気のよい材質が向く。プラスチック鉢を使うなら用土をより粗くする。
選び間違いを避けるために
- 苗のラベルを残す
- 樹形と耐寒温度は見た目では判別しにくい。購入時のラベルを鉢に挿したままにしておくと、剪定や冬越しの判断で迷わない。
- 小苗の姿で決めない
- 店頭の小苗はどれも似た形をしている。半年後の伸び方は樹形の型で決まるので、姿ではなく品種名で選ぶ。
| こう考えた | 実際に起きる | 代わりの選び方 |
|---|---|---|
| 垂れる姿が好きで匍匐性を地植え | 通路や芝に這い出し刈り込みが増える | 鉢か石垣の上に植える |
| 料理用に小さい鉢で立性 | 根詰まりで乾きすぎ枝が硬くなる | 半匍匐性か大きめの鉢に |
| 寒冷地で耐寒性を見ずに地植え | 冬に地上部が枯れ戻らない | 鉢で管理し軒下へ入れる |
迷ったら半匍匐性を選ぶ。高さが手の届く範囲に収まり、収穫と剪定の両方がしやすい。
ローズマリーの収穫までのコツは作物ページに
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