花の時期に水を切らさない
花豆は水を好む豆です。とくにつぼみが上がってから莢が太るまでの間に土が乾くと、それだけで花が落ちます。夏は朝のうちに株元へたっぷり与え、日中に土がからからにならないようにします。夕方に葉がしおれている日は、水が足りていない合図です。
与えるときは株元の土へ静かに注ぎます。上から葉にかけると水が蒸れて病気のもとになり、暑い日中にかけると根を傷めます。朝の涼しいうちに済ませるのが基本です。
- 朝に株元へ与える
- 気温が上がる前に、株元の土が深くまで湿るように注ぎます。表面が濡れただけでは根まで届いていません。
- 夕方の葉で判断する
- 夕方に葉が垂れていたら水不足です。翌朝の量を増やします。朝から垂れているなら根が傷んでいます。
- 敷きわらで乾きを防ぐ
- 株元にわらや刈り草を厚く敷くと、土の乾きと地温の上がりを同時に抑えられます。夏の花落ちを減らす効果があります。
花豆は乾きに弱い一方で、水がたまる場所も嫌います。畝を高くしたうえで、たっぷり与えるのが正しい組み合わせです。
追肥は控えめにして花を優先する
花豆は豆類なので、根に付く菌の働きで自分でも窒素を作ります。追肥(育ちの途中で足す肥料)を多く与えると、つると葉ばかりが茂って花が付かない、いわゆるつるぼけになります。葉の色が濃く大きすぎるときは、追肥をとばして様子を見ます。
施すのは花が咲き始めたころに一回、莢が太り始めたころにもう一回で十分です。株元から三十センチほど離した場所へ、化成肥料をひと握りの半分ほど置き、土と軽く混ぜます。
- 開花のころに一回目
- つぼみが見え始めたら、株元から離した場所に化成肥料を少量置き、土と混ぜます。株元に直接まくと根を傷めます。
- 莢が太り始めたら二回目
- 小さな莢が見えたころに同じ量を施します。ここで切らすと莢が太らず、豆が小さいまま止まります。
- 葉の色で見送る
- 葉が濃い緑で大きく、つるだけが伸びているなら肥料が多い状態です。その回はとばし、水だけにします。
株元を涼しく保つ工夫
花豆の花が落ちる直接の原因は高温です。気温そのものは下げられませんが、株元の地温は下げられます。敷きわらや刈り草を厚く敷き、株元に日を当てないようにすると、根が働き続けて株が弱りません。
西日が強く当たる場所では、午後だけ日よけになるものを置くだけでも違います。よしずや寒冷紗をつるの西側に立てかけ、風は通したまま直射だけを和らげます。
- わらを厚く敷く
- 株元から半径三十センチほどに、地面が見えなくなる厚さで敷きます。乾きと地温の上がりを同時に抑えられます。
- 西側に日よけを立てる
- 午後の直射が強い場所では、寒冷紗やよしずを西側に立てかけます。風の通り道はふさがないようにします。
- 混みすぎたつるを整理する
- 内側に入り込んだつるや重なった葉を間引くと、風が抜けて株の中の温度が下がります。切りすぎには注意します。
時期ごとの手入れの重み
花豆は生育期間が長く、時期によってやることの重みが変わります。夏までは株を大きくすること、真夏は株を弱らせずに持ちこたえること、秋は莢を太らせることが目的になります。同じ手入れでも、ねらいを分けて考えると迷いません。
| 時期 | 重点の手入れ | ねらい |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | 誘引と水やり | つるを高く上げて葉を増やす |
| 7月〜8月 | 敷きわら、日よけ、水 | 落花はやむなし。株を弱らせない |
| 9月〜10月 | 追肥と水を切らさない | 涼しくなってからの着莢を太らせる |
高冷地では多年草として越冬する
花豆は本来は多年草で、地下に太い塊根を作ります。冬に地面が深く凍らない高冷地では、地上部が枯れたあとも根が生き残り、翌春に同じ株から芽を出します。二年目の株は根がすでに大きいので、伸びが早く花付きもよくなります。
関東平野部では冬に凍る日と暖かい日が交互に来るため、根が傷んで枯れることが多く、一年草として扱うのが確実です。試すなら、地上部を刈ったあと株元に落ち葉やわらを厚く積んで凍結を防ぎます。
- 地上部を刈る
- 霜で葉が枯れたら、地際から十センチほど残して刈り取ります。刈った茎葉は畑の外へ持ち出します。
- 株元を厚く覆う
- 落ち葉やわらを株元に三十センチほど積み、土の凍結を防ぎます。上から古い土をかぶせると飛ばされません。
- 春に覆いを外す
- 芽が動き出す前に覆いを外し、日を当てて地温を上げます。外すのが遅れると芽が白く伸びて弱ります。
手入れでつまずいたときの手当て
つるばかり伸びる、花が咲かない、咲いても落ちる、葉が黄色い。花豆の手入れの悩みは肥料と暑さと水のどれかに行き着きます。二つ以上を同時に変えると原因が分からなくなるので、一つずつ確かめます。
- つるばかりで花が付かない
- 窒素が多すぎます。追肥を止め、水も控えめにします。つるの先を摘んで伸びを止めると花に回りやすくなります。
- 咲いた花が次々落ちる
- 気温が高すぎます。敷きわらと日よけで株元を涼しくし、水を切らさずに秋を待ちます。夏の落花は仕方がありません。
- 下の葉から黄色くなる
- 水切れか肥料切れです。まず朝に深く水を与え、それでも戻らなければ株元から離して少量の追肥をします。
- 昼にしおれ夕方も戻らない
- 根が傷んでいます。水のやりすぎか、株元の過湿を疑い、畝の水はけを確かめて水を減らします。
花豆の育てている間に使うもの
植え付けたあとにやることは、追肥・除草・水やりの 3 つに集約されます。専用品より、切らさないことのほうが効きます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8 追肥」
- 規格の目安
- 粒状。ひとつまみがおよそ 5g、大さじ 1 がおよそ 10g です。
- 数量の目安
- 追肥 1 回で 1 ㎡あたり 30〜50g、畝 1 本で 50〜90g。1kg 袋なら 10 回以上もちます。
株から少し離した位置にまいて土と混ぜます。株元に直に置くと、濃さで根が傷みます。作物ごとの量は都道府県の施肥基準が正確です。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 野菜 原液」
- 規格の目安
- 1000 倍に薄めて使う原液タイプ。800ml 前後の 1 本で、ジョウロ何十杯ぶんにもなります。
粒の肥料は効き始めるまで数日から 1 週間かかります。すぐ効かせたいとき、鉢やプランターで使います。
- 三角ホー(草かき)探す言葉「三角ホー 除草」
- 規格の目安
- 刃幅 10〜15cm、柄の長さ 120cm 前後。立ったまま使える長さを選びます。
雑草は根から抜くより、小さいうちに表土ごと削るほうが早く終わります。かがまずに済むので続けられます。
- 敷きわら・刈り草探す言葉「敷きわら 家庭菜園」
- 規格の目安
- 稲わら 1 束でおよそ 3〜4 ㎡ 分。刈った草を乾かしたもので代えられます。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 1 束の半分ほど。
夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えます。マルチと違い、そのまま鋤き込んで土に返せます。
- 活力剤は肥料の代わりにはなりません。肥料を切らしていないなら急ぎません。
- 肥料は種類を増やすより、1 袋を切らさないほうが効きます。
花豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は花豆の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。