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花豆の月別の作業

花豆の月別の作業|落花の夏をこえて秋の着莢をねらう

花豆の栽培イメージ

読むのに約 4

花豆は生育期間の長い豆です。平地では夏に花が落ちるので、秋に莢を付けさせる前提で月ごとの作業を組み立てます。

平地と高冷地で組み立てが変わる

花豆は二十五度をこえると花が落ちます。夏でも涼しい高冷地では、七月から九月まで長く穫れる作物になりますが、関東平野部のような平地では七月と八月の花はほとんど莢になりません。平地では春の株づくりと秋の着莢に照準を合わせます。

同じ株を九月まで持たせる必要があるので、夏の間に株を枯らさないことが最大の仕事になります。水と敷きわらで持ちこたえさせ、涼しくなってから追肥(育ちの途中で足す肥料)で押し上げます。

作型種まき主な収穫
高冷地の普通作5月中旬〜6月上旬8月下旬〜10月
平地の秋どり4月下旬〜5月中旬10月〜11月上旬
平地の若莢どり4月下旬〜5月中旬6月下旬〜7月上旬

月別のやることカレンダー

関東平野部の露地を目安にした一覧です。高冷地では種まきが半月から一か月遅く、そのぶん夏の落花がないため収穫が長く続きます。暖地では春が早いぶん、夏の株の消耗も大きくなります。

自分の畑の適期は記録でしか分かりません。まいた日、最初に花が咲いた日、最初の莢が付いた日を残しておくと、翌年からは自分の数字で計画が立てられます。

主な作業ねらい
3月〜4月上旬石灰と堆肥、畝立て、支柱の準備深く耕して根の入る土にする
4月下旬〜5月中旬種まき、鳥よけ、間引き遅霜を避けて確実に発芽させる
5月下旬〜6月誘引、敷きわら、支柱の補強夏までにつるを高く上げる
7月〜8月水やり、日よけ、混んだつるの整理落花は割り切り、株を枯らさない
9月追肥、水を切らさない、支柱の点検涼しくなってからの着莢をねらう
10月莢の肥大を待つ、台風対策豆を太らせる
11月莢が枯れてから収穫、乾燥乾燥豆として仕上げる

七月と八月は株を守る時期

この二か月は、咲いた花がほとんど落ちます。手入れが悪いからではなく、花豆の性質です。ここで肥料を足したり水を止めたりして株を弱らせると、秋になっても莢が付かなくなります。やることは涼しさを保つことだけです。

落ちた花が株元にたまると蒸れて虫を呼ぶので、時々かき集めて片づけます。葉が茂りすぎている株は、内側の重なった葉を少し外して風を通します。

朝の水やりを欠かさない
気温が上がる前に株元へたっぷり与えます。夕方に葉が垂れる日が続くなら量が足りていません。
敷きわらを足す
夏の間にわらが薄くなったら足します。地面が見えないことが目安で、地温と乾きを同時に抑えられます。
落ちた花を片づける
株元にたまった花がらは、湿ると蒸れて虫のすみかになります。週に一度ほど集めて畑の外へ出します。

夏の落花を止める方法はありません。ここで焦って肥料を足すと、つるだけ伸びて秋の花付きがかえって悪くなります。

九月からが本番の着莢期

最低気温が二十度を下回る日が増えると、落ちていた花が莢に変わり始めます。花豆栽培でいちばん報われる時期なので、ここで水と肥料を切らさないようにします。追肥は株元から離した場所に少量を置き、土と混ぜます。

この時期は台風も来ます。つるが茂った株は帆のように風を受けるので、支柱の結び目と差し込みを事前に点検し、必要なら斜めの支柱を足します。

九月上旬に追肥
株元から三十センチ離した場所に化成肥料をひと握りの半分ほど置き、土と混ぜます。株元に直接は置きません。
水を切らさない
莢が太る時期に乾くと、豆が入らないまま莢が薄いままになります。雨が一週間ないなら朝に与えます。
台風前に点検する
結び目のゆるみと支柱の差し込みを確かめ、筋交いを足します。垂れたつるは結び直して風を受けにくくします。

地域でずれる時期の目安

花豆はもともと高冷地の作物なので、地域による差がほかの豆より大きく出ます。高冷地では夏がそのまま最盛期になり、平地では夏が耐える時期になります。表の時期はあくまで出発点として使います。

標高が二百メートル上がると、気温はおおよそ一度下がります。同じ県内でも山ぎわと平野では花の落ち方がまったく違うので、近所で作っている人の時期が最も参考になります。

地域種まき収穫の中心
高冷地(東北・信州の山間)5月中旬〜6月上旬8月下旬〜10月上旬
中間地(関東平野部)4月下旬〜5月中旬10月〜11月上旬
暖地(九州・四国)4月中旬〜5月上旬10月中旬〜11月中旬

計画でつまずいたときの立て直し

まき遅れた、夏に株が枯れた、秋になっても花が咲かない。花豆は一年に一作なので、途中で気づいたときにどこまで取り返せるかを知っておくと判断が早くなります。

六月にまき遅れた
平地では株が育つ前に夏が来ます。若莢どりに切り替えるか、翌年に回すほうが結果的に収量が上がります。
夏に株が枯れた
水切れか根の傷みです。同じ年のまき直しは間に合わないので、来年へ向けて敷きわらと畝の高さを見直します。
秋も花が咲かない
窒素が多すぎてつるぼけしています。追肥を止め、つるの先を摘んで伸びを止めると花芽に養分が回ります。
十一月でも莢が青い
着莢が遅すぎました。霜の前に採って室内で追熟させます。翌年はまき時を半月早めます。

花豆の栽培に一年を通して使うもの

作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。

数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。

  • 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
    規格の目安
    牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。

    土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。

  • 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
    規格の目安
    粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
    数量の目安
    1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。

    日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。

    出典: 農林水産省「土壌改良資材量のもとめ方」(施肥基準)

  • 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
    規格の目安
    窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
    数量の目安
    元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。

    種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。

    出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」

  • 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
    規格の目安
    幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
    数量の目安
    畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。

    地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
  • 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。

花豆の収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は花豆の育て方にまとめています。

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