落花は病気ではないと見分ける
花豆でいちばん多い相談は、花は咲くのに莢が付かないというものです。ほとんどは高温による落花で、病気でも虫でもありません。二十五度をこえる日が続くと、受粉しても莢にならずに花の付け根から落ちます。平地の七月と八月はこれが普通の姿です。
病気や虫による落ちは、落ちた花や周りの葉に跡が残ります。花がきれいなまま落ちていれば暑さ、しおれや変色や食われた跡があるなら別の原因を疑います。
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| きれいな花がそのまま落ちる | 高温による落花 | 敷きわらと水で株を保ち、秋を待つ |
| つぼみが茶色くなって落ちる | 乾燥か肥料切れ | 朝に深く水を与え、少量の追肥をする |
| 花は付くがつるばかり伸びる | 窒素過多のつるぼけ | 追肥を止め、つるの先を摘む |
| 花に小さな虫が群がる | アザミウマやアブラムシ | 水で流し、多いときは登録薬剤を使う |
莢に入るメイガの食害
花豆の莢で最も困るのがメイガの仲間の食害です。花や若い莢に卵を産み、ふ化した幼虫が莢の中に入って豆を食べます。外から見ると小さな穴と粉のようなふんが出ているだけなので、気づいたときには中の豆が食われています。
莢の中に入られたあとは薬も届きません。花が咲き始めた時期に見回り、莢の表面に穴やふんがないかを確かめて、見つけた莢は早めに取って畑の外で処分します。
- 莢の表面を見て回る
- 小さな穴と、そこから出た粉のようなふんが目印です。週に二回ほど見回ると被害の広がりが止まります。
- 被害莢は取って処分
- 穴のある莢は取り、畑に落とさず袋に入れて処分します。落としたままだと中の幼虫が土に潜って翌年に出ます。
- 開花期に薬を使うなら
- 被害が多い年は、花の時期に豆類に登録のある殺虫剤を使います。適用作物と収穫前日数を必ず確かめます。
収穫した莢を室内に置いておくと、中から幼虫が出てくることがあります。豆にした段階で虫食い穴のあるものは選り分けます。
アブラムシとハダニは葉裏を見る
新芽やつるの先に小さな虫が密集していたらアブラムシです。汁を吸って伸びを止めるだけでなく、ウイルス病を運びます。見つけたら水で流すか、指でこすり落とします。数が多いときだけ薬に頼ります。
葉の色が細かくかすれて白っぽくなり、葉裏に細かい網が見えるならハダニです。乾いた場所で増えるので、葉裏に水をかけるだけでも数が減ります。夏の乾いた時期に出やすい相手です。
- 新芽の密集を落とす
- つるの先に群がったアブラムシは、勢いのある水で流すか手袋をした指でこすります。早いうちなら薬は要りません。
- 葉裏に水をかける
- ハダニは乾きを好みます。夏の夕方に葉裏へ水をかけると増え方が鈍ります。かけるのは日が傾いてからにします。
- ひどい葉は取り除く
- かすれがひどく回復しない葉は付け根から取り、畑の外へ出します。残しても光合成の役に立ちません。
病気は風通しと水のかけ方で防ぐ
花豆は葉が大きく茂るので、株の内側が湿ったままになると病気が出ます。葉に褐色の斑点が広がる病気や、茎の地際が茶色くくびれて株ごとしおれる病気が代表です。地際の病気は治せないので、抜いて処分します。
予防は三つです。株間を五十センチ以上あけること、水は葉にかけず株元へ与えること、混んだつるを間引いて風を通すこと。豆類の連作も病気を増やすので、同じ場所は二年から三年あけます。
- 水は株元へ
- 上から葉にかけると土がはねて病原菌が葉に付きます。ジョウロの口を低くして株元の土へ静かに注ぎます。
- 病葉は早めに取る
- 斑点の出た葉は付け根から取り、袋に入れて処分します。畑に落としたままだと翌年の発生源になります。
- 豆類の連作を避ける
- 前作がインゲンや枝豆だった場所は二年から三年あけます。畝ごとに何を作ったかを記録しておくと迷いません。
生の豆は必ず十分に加熱する
花豆の生の豆には、加熱しないと体に合わない成分が含まれています。乾燥豆は一晩水にひたしてから、たっぷりの湯でしっかり煮てください。半煮えや、水にひたしただけの状態で食べるのは避けます。若い莢を食べる場合も、生食はせずゆでてから使います。
この点は花豆に限らずインゲンの仲間に共通する扱いですが、花豆は粒が大きく火が通りにくいので、とくに念入りに加熱します。中心まで柔らかくなったかを確かめてから使います。
- 一晩水にひたす
- 乾燥豆は豆の三倍の水に一晩ひたして戻します。粒が大きいので、短時間では中心まで水が入りません。
- ひたし水は替える
- 戻し水は捨て、新しい水で煮ます。煮こぼしてから本煮に入ると、口当たりも軽くなります。
- 中心まで火を通す
- 指で押してつぶれるまでしっかり煮ます。芯が残っている状態では食べません。若莢も必ずゆでてから使います。
被害でつまずいたときの見分け
葉が食われた、株ごとしおれた、莢に穴がある、豆に小さな穴。花豆で起きる症状は、暑さによる障害か、虫か、病気かの三つに分かれます。うつるものかどうかを先に判断すると、次の手が決まります。
- 株ごと急にしおれた
- 地際を見ます。茶色くくびれていれば土の病気です。治らないので抜いて処分し、その場所には豆類を続けません。
- 葉が大きく食われた
- 夜に活動する幼虫がいます。朝夕に葉裏と株元を探して取ります。食害が葉だけなら株への影響は限られます。
- 莢に粉のようなふん
- メイガが中にいます。その莢は取って処分し、周りの莢も見て回ります。落とさず持ち帰るのが要点です。
- 乾かした豆に小さな穴
- 保存中に虫が出ています。密閉容器に移し、冷蔵庫か冷凍庫で数日冷やしてから常温の保存に戻します。
花豆の収穫までのコツは作物ページに
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