採りごろは莢の色と音で決める
花豆は乾燥豆として使うのが本来の姿です。莢が緑から黄色を経て茶色く枯れ、握るとかさかさと音がするころが採りごろになります。まだ緑が残る莢を採ると、豆が十分に太っておらず、乾かしても小さくしぼみます。
同じ株でも莢の熟し方はばらばらです。全部が枯れるのを待つと早く熟した莢が地面に落ちて傷むので、枯れた莢から順に採っていきます。
| 状態 | 見た目 | すること |
|---|---|---|
| 緑で平ら | 豆のふくらみが見えない | そのまま置く。若莢として食べるなら可 |
| 緑でふくらむ | 豆の形が浮き出る | もう少し待つ。急ぐなら煮豆用に採る |
| 黄色から茶色 | しわが寄り、握ると乾いた音 | これが採りごろ。順に採る |
| 黒ずんで湿る | 雨に当たり続けた | 早めに採ってすぐ莢から出す |
十一月に入ると強い霜が来ます。まだ青い莢が残っていても、霜で傷む前に採って室内で乾かすほうが確実です。
収穫の手順と持ち帰り方
収穫は晴れた日の午前中に行います。雨に濡れた莢のまま持ち帰ると、袋の中で蒸れてかびが出ます。莢はつるを引っぱらずに、付け根をはさみで切るか手でひねって外します。
採った莢は通気のよいかごや網袋に入れます。ビニール袋に入れて置くと、一日で内側が湿ってかびの原因になります。莢の量が多い日は、その場で大きめのかごに移し、重ねすぎないようにして持ち帰ります。
- 晴れた日の午前に採る
- 露が乾いてから採ります。濡れた莢は持ち帰るまでに蒸れ、かびの出発点になります。雨の翌日は一日おいてから採ります。
- 付け根から外す
- 莢の付け根をはさみで切るか手でひねります。引っぱるとつるが裂け、残った莢の生育が止まります。
- 通気のよい入れ物へ
- かごや網袋に入れて持ち帰ります。ビニール袋は中が蒸れるので、その日のうちに移し替えます。
- 落ちた莢も拾う
- 地面に落ちた莢は土の湿りを吸って傷みます。見つけたら拾い、別にして先に中身を確かめます。
乾かしてから莢を外す
採った莢は、風通しのよい日陰に広げて数日から一週間乾かします。直射日光に当て続けると豆の皮が割れ、赤紫と黒のまだら模様も色あせます。新聞紙の上に重ならないよう広げ、時々かき混ぜます。
莢がぱりぱりに乾いたら、手でひねって豆を取り出します。量が多いときは布袋に入れて外から軽くたたくと一度に外れます。取り出した豆はもう一度広げ、二日から三日追加で乾かします。
- 日陰に広げる
- 新聞紙の上に重ならないように広げ、風通しのよい軒下などに置きます。直射日光は皮割れと色あせのもとです。
- ぱりぱりになったら外す
- 莢を手でひねると豆が外れます。量が多いなら布袋に入れ、外から軽くたたいて一度に外します。
- 豆だけをもう一度乾かす
- 外した豆を広げて二日から三日乾かします。歯で噛めないほど固くなれば水分が抜けています。
- 選り分ける
- しわの多い豆、虫食い穴のある豆、割れた豆を除きます。残したまま保存すると全体が傷みます。
保存は乾きと低温を守る
十分に乾いた花豆は、密閉容器に入れて冷暗所に置けば一年は持ちます。乾きが足りないままふたを閉めるとかびが出るので、保存前に必ず固さを確かめます。心配なら乾燥剤を一緒に入れます。
保存中に虫が出ることがあるので、量が多いときは密閉して冷蔵庫か冷凍庫で数日冷やしてから常温に戻すと安心です。翌年の種にするなら、大きくて形のよい粒を選んで別に保存します。
| 用途 | 保存の仕方 | 持つ期間 |
|---|---|---|
| 食用の乾燥豆 | 密閉容器と乾燥剤で冷暗所 | 一年ほど |
| 少量をすぐ使う | 密閉して冷蔵庫の野菜室 | 半年ほど |
| 翌年の種 | 大粒を選び紙袋で冷暗所 | 一年。二年目は発芽が落ちる |
若い莢や生の豆を食べる場合
花豆は乾燥豆が主ですが、莢が柔らかい若いうちならインゲンのように食べられます。長さ十センチほどで、豆のふくらみがまだ目立たないころが目安です。すじが固くなる前に採らないと口に残ります。
生の豆や若莢をそのまま食べることは避けてください。花豆はインゲンの仲間で、加熱しないと体に合わない成分が含まれます。若莢はゆでてから、乾燥豆は一晩ひたしてから中心まで煮て使います。
- 若莢は十センチで採る
- 豆のふくらみが目立たないうちに採ります。指で曲げてすっと折れるなら柔らかい状態です。
- 必ずゆでてから使う
- 若莢は生食せず、たっぷりの湯でゆでてから調理します。太い莢はすじを取ってからゆでます。
- 乾燥豆は一晩ひたす
- 豆の三倍の水に一晩ひたし、水を替えてから中心まで柔らかく煮ます。粒が大きいので火の通りに時間がかかります。
収穫でつまずいたときの切り分け
莢が付かない、豆が入っていない、乾かしたらしわだらけ、保存中にかびた。花豆の収穫期の悩みは、時期と乾かし方でほぼ説明が付き、次の年に生かせます。
- 莢がまったく付かない
- 夏の高温で落花し、秋も気温が下がらなかった年です。まき時を早め、株元を涼しく保つ手当てを増やします。
- 莢は付くが豆が薄い
- 莢が太る時期の水切れか肥料切れです。九月に追肥(育ちの途中で足す肥料)と水を切らさないようにすると粒がそろいます。
- 乾かした豆がしわだらけ
- 採るのが早すぎました。莢が茶色く枯れ、握って乾いた音がするまで待ってから採ります。青いまま採った豆は乾かしてもしぼみます。
- 保存中にかびた
- 乾きが足りません。歯で噛めない固さになるまで乾かし、乾燥剤を入れて密閉します。容器は洗って乾かしてから使います。
花豆の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
花豆の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は花豆の育て方にまとめています。
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