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ライ麦の病害虫と障害

ライ麦の病害虫と障害|倒伏、赤かび病、麦角を見分けて防ぐ

ライ麦の栽培イメージ

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ライ麦は丈夫ですが、倒伏、穂の赤かび病、麦角という有毒なかびの三つに注意します。症状から原因を見分けて対処します。

症状から原因を見分ける

ライ麦は病気に強く、虫の害も少ない麦です。困るのは倒伏と、穂に付く二種類のかびです。とくに麦角(穂に付く黒紫色の角のようなかたまり)は毒があるので、見分け方を知っておきます。

症状原因対処
株が根元から倒れる肥料過多か土寄せ不足束ねて紐で支え、翌年は肥料を減らす
穂の一部がピンクや赤茶色にかびる赤かび病その穂を取り除き、食用にしない
穂に黒紫色の角のようなかたまり麦角穂ごと取り除いて畑の外へ。絶対に食べない
葉に黄色や茶色の粉がふくさび病下葉を取り除く。収穫前なら放置でよい
穂の実が抜けて軸だけ残るスズメネットをかける
葉に細長い赤茶色の斑点葉の病気風通しを良くする。広がらなければ放置

麦角は毒があるので必ず取り除く

麦角はライ麦にとくに出やすいかびで、穂の実の代わりに黒紫色の細長いかたまりが付きます。大きさは一センチから二センチで、実より太く目立ちます。これには毒があり、食べると中毒を起こすので、見つけたら穂ごと取り除き、畑の外に捨てます。

開花期に雨が続くと出やすく、他の株の花粉で実るライ麦は小麦より発生が多くなります。収穫のときと脱穀のあとに実を広げて見て、黒紫色のかたまりが混じっていたらすべて取り除きます。少しでも混じった実は食べずに、種用にもしません。

六月に穂を見て回る
穂が黄色くなり始めたら、条ごとに穂を見て黒紫色のかたまりを探します。見つけたらその穂を切り取ります。
脱穀後に実を広げて確かめる
脱穀した実をトレーに広げ、黒紫色で実より太いものをすべて拾い出します。迷うものも取り除きます。
出た畑では翌年作らない
麦角は土に落ちて翌年に出ます。出た畑では二年ほど麦類をまかず、豆類や葉物に替えます。

麦角が混じった実は、ごく少量でも食べないでください。判断に迷う実は種用にも回さず処分します。

赤かび病は梅雨との重なりで出る

赤かび病は穂の実がピンクや赤茶色に変わるかびの病気で、開花期から収穫期に雨が続くと出ます。かびの毒が実に残るので、色の変わった穂は食べません。関東では開花が五月、収穫が六月の梅雨と重なるため、収穫が遅れるほど発生が増えます。

防ぐには、穂が黄色くなったら雨の合間に早めに刈り、雨に当てずに干すことです。倒れて穂が地面に着いた株はとくに出やすいので、倒伏を防ぐことも対策になります。

穂が黄色くなったらすぐ刈る
実が固まっていれば、全部が黄色くなるのを待たずに晴れ間に刈ります。干している間に追熟します。
色の変わった穂は除く
刈るときにピンクや赤茶色の穂を見つけたら、束に入れずに畑の外へ捨てます。脱穀後も色の変わった実を拾い出します。
軒下で風を当てて干す
梅雨の間は軒下に吊るして扇風機で風を当てます。湿ったまま置くとかびが広がります。

倒伏は肥料と草丈でほぼ決まる

ライ麦は麦類でいちばん背が高くなり、二メートル近くになることもあります。倒れる原因は肥料の入れすぎで茎が細長く伸びる徒長(茎がひょろ長く伸びること)と、株元の土寄せ不足の二つです。五月から六月の雨風はきっかけにすぎません。

葉の色が濃く、四月の時点で周りより草丈が高い株は倒れやすいと判断できます。そういう畑では五月に支柱と紐を張り、翌年は追肥をやめます。

原因見分け方防ぎ方
肥料過多葉が濃い緑で四月の草丈が高い追肥をやめ、元肥も半分に
土寄せ不足株元を揺すると根が動く二月の追肥と一緒に土を寄せる
まきすぎ茎が細く下葉が枯れ上がる一平方メートル十グラムで薄くまく
強風と雨畑全体が同じ向きに倒れる五月に紐を張り、三日以内に起こす

虫と鳥は収穫前だけ見ればよい

ライ麦に付く虫は少なく、春にアブラムシが穂に付く程度です。数が少なければ放っておいて構いません。穂全体に広がるようなら水で流します。収穫が近いので薬は使わず、天敵に任せます。

スズメは実が入り始める五月下旬から穂をついばみます。小麦ほど好まれませんが、株数が少ない畑では一週間で穂が空になることがあります。実が膨らんだらネットをかけるか、キラキラするテープを張ります。

五月に穂を見る
アブラムシが穂に群れていたら、ホースの水で流します。テントウムシがいれば任せます。
実が膨らんだらネット
穂より三十センチ高い支柱を立て、ネットを渡して裾を地面まで下ろします。裾が浮くと下から入られます。

実が入らないときの切り分け

穂は出たのに実が膨らまない、穂が小さい、実が軽い。原因は開花期の雨、倒伏、まき時の遅れの三つが多く、翌年のまき時と施肥を変えることで防げます。

穂は出たのに実がない
開花期の五月に雨が続くと、他の株の花粉で実るライ麦は受粉が悪くなります。翌年は早めにまいて開花を五月上旬にします。
穂が小さい
遅まきか、二月の追肥が遅れて分げつが少なかったからです。翌年は十一月上旬までにまき、二月上旬に追肥します。
実が軽く白い
倒れたか、赤かび病か、収穫が早すぎたかです。倒れた株は起こし、色の変わった実は除き、実が固まるまで待ちます。

ライ麦の収穫までのコツは作物ページに

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