まき時は十月中旬から十一月、実を穫るか緑肥かで決める
ライ麦は関東の露地なら十月中旬から十一月中旬にまきます。冬の寒さに当たってから春に穂を出す性質があるので、春にまくと穂が出ません。実を穫るなら十一月上旬までにまいて根を張らせ、翌年六月中旬から下旬に刈ります。
畑を休ませる緑肥(土に鋤き込むために育てる作物)として使うなら、まき時は十二月まで延ばせます。春に草丈が一メートルになったころ刈って鋤き込むので、穂は出さなくて構いません。寒冷地は十月上旬、暖地は十一月いっぱいまでまけます。
| 目的 | まき時 | 刈り時と要点 |
|---|---|---|
| 実を穫る | 10月中旬〜11月上旬 | 6月中旬〜下旬。穂が黄色く実が固くなったら |
| 緑肥にする | 10月〜12月 | 4月〜5月、穂が出る前に刈って鋤き込む |
| 敷きわら用 | 10月〜11月 | 5月〜6月に刈って干し、夏野菜の株元に敷く |
すじまきで二センチ間隔、覆土は二センチ
ライ麦の種は小麦より細長く、扱いやすい大きさです。深さ二センチから三センチの溝に二センチ間隔ですじまきし、覆土(かぶせる土)は二センチほどにします。条間(溝と溝の間)は実を穫るなら三十センチ、緑肥なら二十センチで密にまきます。
一平方メートルあたりの種の量は、実を穫るなら十グラム前後、緑肥なら十五グラムから二十グラムが目安です。厚くまいても間引きは要りません。ライ麦は分げつ(株元から茎が枝分かれすること)が旺盛で、薄くまいても春には畝を埋めます。
- 深さ二センチの溝を作る
- 支柱や板の縁を土に押しつけて溝を作ります。条間は三十センチ、緑肥なら二十センチにします。
- 二センチ間隔で流す
- 種を指でつまんで、溝に沿ってすり合わせながら落とします。固まったところは指でならします。
- 二センチ覆土して踏む
- 溝の両側の土を寄せてかぶせ、足で軽く踏んで種と土を密着させます。踏むと発芽が揃い、鳥にも掘られにくくなります。
- 水やりは雨任せ
- 秋は雨があるので基本は水やり不要です。二週間晴れが続いて表面が白く乾いたら、朝に条間へ与えます。
ライ麦はばらまき(畝全体に種を散らすまき方)でも育ちます。緑肥なら耕した畑に種を散らして、レーキで軽く土をかけるだけで足ります。
痩せた畑、酸性の畑でも育つ
ライ麦は麦類でいちばん土を選びません。痩せた畑、酸性の畑、砂地でも育ち、石灰も要りません。まく二週間前に一平方メートルあたり完熟堆肥を一キロ、化成肥料をひと握りの半分ほど混ぜ込めば十分で、前作の肥料が残っている畑なら元肥(前もって入れる肥料)はなしで構いません。
肥料が多いと春に茎が伸びすぎて倒れます。ライ麦は草丈が一メートル半から二メートルになる麦で、倒伏がいちばんの失敗です。肥料は控えめにと覚えておきます。水はけの悪い畑だけは避け、低い場所なら高さ十センチの畝を立てます。
- 二週間前に耕す
- 深さ十五センチほど耕し、堆肥を混ぜます。石灰は要りません。夏野菜の跡地ならそのまま使えます。
- 肥料は野菜の半分
- 化成肥料は野菜の半分を目安にします。前作の残りがあるなら入れません。多いと倒れると覚えておきます。
発芽から冬までは放っておいてよい
地温が十度以上なら一週間ほどで発芽します。冬の間は草丈十センチから二十センチのまま、株元で分げつを増やして過ごします。霜が降りても枯れず、氷点下十度以下でも耐えるので、寒さ対策は要りません。
冬の間にすることは、霜柱で根が浮いたときの麦踏み(芽を足で踏むこと)だけです。十二月から二月に二回から三回、晴れた日に条に沿って踏みます。踏むと根が張り、分げつが増えて倒れにくくなります。
- 発芽を確かめる
- まいて十日たっても芽が出ないなら、溝を掘って種を見ます。固いままなら待ち、腐っていればまき直します。
- 十二月から麦踏み
- 本葉が三枚以上になり、霜柱が立つころから、晴れた日の午前に条に沿って踏みます。二週間から三週間おきに二回から三回です。
- 三月からは踏まない
- 三月に入って茎が立ち上がってきたら、踏むと穂の元を傷めます。麦踏みは二月までで止めます。
種まきでつまずいたときの原因と立て直し
芽が出ない、発芽がまばら、冬に枯れた。ライ麦は丈夫なので、失敗の原因は限られています。十一月中ならまき直しが間に合い、十二月でも緑肥用途なら十分です。
- 十日たっても芽が出ない
- 乾きか、種が古いかです。溝を掘って種を見て、固いままなら水をやって待ち、しなびていれば新しい種でまき直します。
- 発芽がまばら
- 鳥が種を掘ったか、覆土が浅くて乾きました。欠けたところに追いまきし、踏んで土を締めます。
- 冬に葉が黄色くなった
- 霜柱で根が浮いています。麦踏みをして根を土に押しつけます。黄色い葉は春に新しい葉に代わります。
- 春に穂が出ない
- 春まきしたか、冬の寒さが足りませんでした。ライ麦は寒さに当たらないと穂を出さないので、秋まきに戻します。
種まきの手順
ライ麦は、本文の時期と種袋の表示を確認してまきます。まいたら、種の大きさに合った量の土をかぶせます。
覆土して軽く押さえる(転圧という)と、種と土が密着し、水を吸いやすくなります。強く固めすぎないようにします。
ライ麦の種まきでよくある質問
ライ麦の種はいつまく?
ライ麦は関東の露地なら十月中旬から十一月中旬にまきます。冬の寒さに当たってか…。地域、品種、その年の気温で前後するため、本文の適期も確認してください。
ライ麦の種はどうやってまく?
すじまきが目安です。種の性質に合わせた覆土と、発芽までの水分管理が大切です。
ライ麦の種は何cmの深さにまく?
種の大きさや好光性・嫌光性によって異なります。本文の覆土の目安と、購入した種袋の表示を優先してください。
ライ麦の種まき後は毎日水やりする?
回数ではなく土の乾き具合で判断します。発芽までは表土を乾かさず、過湿で水がたまる状態は避けます。
ライ麦は何日で発芽する?
発芽日数は地温と品種で変わります。種袋の目安を確認し、適温と水分を保って待ちます。
ライ麦の間引きはいつする?
葉が触れ合い始めた段階で、生育の良い株を残しながら数回に分けます。詳しい段階は本文で確認してください。
ライ麦の種まきに使うもの
種まきで失敗する原因のほとんどは、覆土の厚さと、発芽までの乾きです。そこを外さないための道具だけを挙げます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 種まき用土探す言葉「種まき培土 細粒」
- 規格の目安
- 粒径 2〜3mm の細かいもの。肥料分の少ない「種まき用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- セルトレイ 128 穴 1 枚で約 2L、ポット 9cm なら 1 個 0.3L。
粒の粗い培養土だと、小さな種が粒の隙間に落ちて深く埋まり、出てきません。
- 霧吹き(ハンドスプレー)探す言葉「園芸 霧吹き 大容量」
- 規格の目安
- 500ml〜1L。霧の細かいものほど種が流れません。
ジョウロで直接かけると、まいた種が寄ってしまいます。発芽までは霧で、根が張ってからジョウロに切り替えます。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 べたがけ 農業用」
- 規格の目安
- 幅 135cm 前後、目付 20g/㎡ 前後。透水性があり、かけたまま水をやれるもの。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。
発芽までの乾燥と、鳥・強い雨から守れます。防虫ネットより目が細かいぶん保温もでき、寒い時期の種まきで差が出ます。
- 園芸ラベル探す言葉「園芸 ラベル 差し込み」
- 規格の目安
- 差し込み式の白いもの、長さ 10cm 前後。油性ペンで書きます。
まいた日と品種を書いて挿しておくと、発芽が遅いときに「まだ待つ」のか「まき直す」のかを判断できます。
- 直まきするなら、セルトレイもポットも要りません。
- 高価な殺菌済みの培土でなくても、市販の野菜用培養土をふるいにかければ細かい土が作れます。
ライ麦の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はライ麦の育て方にまとめています。
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