刈り時は穂の色と実の固さで決める
ライ麦は穂が出てから四十日から五十日で実が固まります。穂全体が黄色く変わり、茎の上のほうも黄色くなり、実を爪で押しても凹まず、かんでカリッと割れたら刈り時です。関東なら六月中旬から下旬が目安です。
梅雨と重なるので、完熟を待つよりも実が固まった時点で晴れ間に刈るのが確実です。穂が青みを残していても、実が固ければ干している間に追熟します。逆に待ちすぎると穂が雨に濡れてかびが出ます。
| 穂の見た目 | 判断 | 作業 |
|---|---|---|
| 穂が緑で実が柔らかい、押すと乳が出る | 早い | 一週間から二週間待つ |
| 穂が黄色く、実が固くて凹まない | 刈り時 | 二日晴れが続く日の午前に刈る |
| 穂が茶色く、実がこぼれる | 遅い | すぐ刈る。下にシートを敷く |
株元で刈って束ねる
刈り取りは鎌で、地際から十センチほどのところを切ります。ライ麦は茎が長く丈夫なので、株ごと刈って束ねると干しやすく、茎は敷きわらに使えます。朝露が乾いた午前中に刈ると、穂が湿っておらず実もこぼれにくくなります。
刈った株は根元を揃えて十本から二十本ずつ紐で束ね、風通しのよい軒下に穂を下にして吊るします。梅雨の間は雨に当たらない場所を選び、扇風機で風を当てると早く乾きます。
- 株元を鎌で切る
- 左手で数株をまとめて持ち、右手の鎌で地際十センチを引くように切ります。穂を下に向けないように持ちます。
- 束ねて吊るす
- 根元を揃えて十本から二十本ずつ紐で束ね、穂を下にして軒下に吊るします。束が太いと中が乾きません。
- こぼれた実は拾う
- 刈っている間にこぼれた実は、シートを敷いておいて集めます。熟れた実なので種にも使えます。
緑肥や敷きわらが目的なら、穂が出る前か出た直後に刈ります。実が入ってからでは種がこぼれて畑にライ麦が生えます。
一週間から二週間干して実を固める
干す期間は梅雨の間なら二週間、梅雨明けなら一週間が目安です。穂を握って実が指に付かず、実をかんでカリッと音がすれば乾いています。乾きが足りないまま脱穀すると、保存中にかびます。
干している間はスズメが来るので、軒下でもネットをかけるか、屋内の風通しのよい場所に移します。梅雨明けの晴れた日には外に出して日に当て、夜と雨の日は取り込みます。
- 穂を握って確かめる
- 束を握って実がぱらぱら落ち、指に湿り気が残らなければ乾いています。しっとりするならもう一週間干します。
- かんで音を聞く
- 実を数粒かんでみて、カリッと割れれば合格です。歯にくっつくならまだ乾いていません。
- かびと麦角を確かめる
- 干している間に穂を見て、ピンク色の穂と黒紫色のかたまりを取り除きます。どちらも食べられません。
脱穀はシートの上でたたいて実を落とす
乾いた束をシートの上に置き、穂を棒でたたくか、束のまま洗面器の縁や板に打ちつけて実を落とします。ライ麦は小麦より実が穂から離れやすく、軽くたたくだけでよく落ちます。強くたたくと実が割れます。
落ちた実には穂の軸やのぎ(穂の先の細い毛)が混じります。ふるいにかけて大きなごみを除き、風のある日に高いところから少しずつ落として、軽いごみを風で飛ばします。
- 束を板に打ちつける
- 束の根元を持ち、穂を板や洗面器の縁に打ちつけます。数回で大半が落ち、残りは棒で軽くたたきます。
- ふるいで軸を除く
- 目の粗いふるいで軸とのぎを取り除きます。実は細長く六ミリほどなので、一センチの目合いなら実だけ落ちます。
- 風で軽いごみを飛ばす
- 風のある日に、実を高さ五十センチから少しずつ落とします。実は真下に落ち、軽い殻とのぎは風で飛びます。
- 黒紫色のかたまりを拾う
- 実を広げて、麦角と赤かびで色の変わった実を拾い出します。ここを省くと毒のある実が混じります。
保存と使い道
ライ麦の実は皮が薄く、脱穀した実をそのまま製粉できます。家庭用のミルで挽けばライ麦粉になり、小麦粉に二割から三割混ぜてパンを焼くのが手軽な使い道です。実のままなら煮て雑穀ご飯に混ぜたり、水に浸けて発芽させて使ったりできます。
保存は密閉容器に入れて冷暗所に置きます。乾いていれば一年以上持ち、翌年の種にもなります。虫が付くことがあるので、夏は冷蔵庫に入れると安心です。茎は乾かして夏野菜の敷きわらにします。
- 密閉して冷暗所
- 乾いた実を密閉容器に入れ、冷暗所に置きます。夏は冷蔵庫に入れると虫が付きません。
- 粉にするなら少しずつ
- 家庭用のミルで挽き、粉は一か月以内に使い切ります。挽いた粉は酸化しやすいので、実のまま保存して使うたびに挽きます。
- 茎は敷きわらに
- 脱穀した茎は乾かして束ねておき、夏野菜の株元に敷きます。土のはねを防ぎ、乾きも抑えます。
収穫でつまずいたときの戻し方
雨が続いて刈れない、干している間にかびた、実がこぼれた。ライ麦の収穫は梅雨との戦いで、失敗の大半は湿気です。こぼれる前の対策と、湿ったあとにできることを分けて考えます。
- 雨が続いて刈れない
- 半日でも晴れたら刈って軒下に運びます。濡れたまま刈った束は、扇風機で風を当てて一晩で表面を乾かします。
- 干している間にかびた
- 束をほどいて、かびた穂を取り除きます。残りは薄く広げて風を当て、乾いてから脱穀します。かびた穂は食べません。
- 畑に実がこぼれた
- 拾うのは難しいので、翌年こぼれ種から生えた芽を使うか、耕して鋤き込みます。刈り時を一週間早めるのが対策です。
ライ麦の収穫に使うもの
穫るときより、穫ったあとに困ります。入れるものと、しまうものを先に用意しておきます。
- 収穫ばさみ探す言葉「収穫ばさみ 野菜」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜7cm のステンレス製。先が丸いものは実を傷つけにくいです。
引きちぎると株のほうに傷が残り、そこから病気が入ります。次の実を穫るつもりなら、切って穫ります。
- 折りたたみコンテナ探す言葉「折りたたみコンテナ 20L」
- 規格の目安
- 20L 前後。使わないときに畳めるものが置き場所を取りません。
袋に入れると重みで下の実が潰れます。積み重ねられる箱なら、そのまま持ち帰れます。
- 鮮度保持袋探す言葉「野菜 鮮度保持袋 有孔」
- 規格の目安
- 厚さ 0.02mm 前後の有孔ポリ袋。葉物用と実物用でサイズを分けます。
穴のない袋に入れると蒸れて傷みます。穴あきの袋は湿りを保ちながら呼吸を通します。
- 新聞紙・保存箱探す言葉「野菜 保存 コンテナ 通気」
- 規格の目安
- 通気穴のある箱。根菜は新聞紙に包んで立てて入れます。
根菜と芋類は洗わずに土を落として乾かし、暗く涼しい場所に置くほうが長くもちます。
- よく切れる普通のはさみで足りる作物は多く、専用の収穫ばさみが要るのは硬い茎のものだけです。
- 真空保存機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
ライ麦の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はライ麦の育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。