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不知火の月別の作業

不知火の月別の作業|3月の収穫から翌年の収穫までの一年

不知火の栽培イメージ

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不知火は春に花が咲き、翌年の2〜3月に収穫する一年がかりの果樹です。月ごとの作業と冬の防寒の時期をまとめます。

一年の全体像

不知火は5月に開花し、夏に実を太らせ、12月に色づいて、関東の露地では年明けの1月から3月に収穫します。実を付けたまま冬を越すのが最大の特徴で、防寒と収穫の判断が他の柑橘より重くなります。

作業目安
1月防寒、鉢植えは軒下か室内へ氷点下3度以下の予報で実を守る
2月収穫開始、貯蔵で酸抜き実の色が濃い橙になったら
3月収穫終了、春肥、剪定、植え付け最低気温5度以上になったら
4月新芽の観察、アゲハの卵取り新葉が開き始めたころ
5月開花、花房の間引き花が咲きそろったら
6月夏肥、マルチ、生理落果を待つ自然に実が落ちきるまで摘果しない
7月一回目の摘果、夏枝の整理葉60〜80枚に実1個
8月水やり、カミキリムシの見回り10日雨がなければ潅水
9月仕上げの摘果葉80〜100枚に実1個
10月秋肥、水を控えめに実が黄色く色づき始めたら
11月防寒の準備、袋かけ最低気温が5度を切る前に
12月防寒、寒波前に一部を収穫氷点下の予報が続いたら

冬 12月から2月

この時期は実を守ることがすべてです。不知火の実は氷点下3度前後で果肉が傷み始め、木そのものは氷点下5度で葉を落とします。鉢植えは軒下か室内の明るい窓辺へ移し、地植えは不織布で木全体を包みます。寒波の予報が出たら、色づいた実を先に収穫して室内で貯蔵に回します。

実に袋をかける
12月上旬までに、実の1つ1つに柑橘用の果実袋か新聞紙をかけます。霜と鳥の両方から実を守り、皮の傷みも減ります。
木全体を不織布で覆う
地植えは枝ごと不織布で包み、株元に敷きわらを厚くします。晴れて暖かい日中は一部を開けて風を通します。
寒波の前に一部を採る
氷点下3度以下の予報が続くときは、色の濃い実から先に収穫し、室内で2〜4週間置いて酸を抜きます。

春 3月から5月

3月は収穫の締めくくりと剪定、春肥が重なる一番忙しい月です。収穫が終わった木は力を使い切っているので、肥料を早めに与えて芽出しを支えます。4月に新芽が出そろい、5月に白い花が咲きます。花の時期はアゲハの幼虫が新葉を食べ始めるころでもあります。

3月に剪定と春肥
実を採り終えたら枯れ枝と混んだ枝を間引き、油かす主体の肥料を枝先の真下に施します。植え付けと植え替えもこの時期です。
4月に新葉を守る
新葉が開き始めたらアゲハの卵と幼虫を毎日探して取ります。小さいうちなら手で取れますが、大きくなると一晩で葉がなくなります。
5月に花を減らす
花が咲きそろったら、混み合った花房を摘み取って数を減らします。葉のない枝の花は実にならないので先に落とします。

夏 6月から8月

6月は生理落果で木が自分で実を落とす時期なので、落ちきるまで摘果を待ちます。7月に一回目の摘果をし、夏枝を整理します。8月は水切れと害虫の見回りが中心で、鉢植えは朝夕の水やりが必要になることもあります。

6月に夏肥とマルチ
年間の2割ほどの肥料を施し、株元に敷きわらを厚くします。梅雨の長雨で鉢の水が抜けにくいときは鉢を少し傾けます。
7月に摘果
小さい実、傷のある実、内側の日陰の実を落として葉60〜80枚に1個にします。実同士が触れている場所も1つ残して落とします。
8月に幹を見る
幹の根元におがくずのような木くずが落ちていたらカミキリムシの幼虫です。穴を見つけて針金で刺すか、園芸用の殺虫剤を注入します。

秋 9月から11月

9月に仕上げの摘果をし、10月に秋肥を施します。10月以降は水を控えめにして糖度を上げ、11月には防寒の準備に入ります。実は11月から黄色くなり始め、12月に橙色に変わりますが、この時点ではまだ酸が強く食べられません。

9月に実の数を決める
葉80〜100枚に実1個まで減らします。ここで残しすぎると翌年に花が咲かず、隔年結果が始まります。
10月に秋肥
年間の3割の肥料を施します。この肥料が実の味と翌年の花芽の両方を支えるので、抜かさないようにします。
11月に防寒の用意
果実袋や不織布、鉢植えの移動先を準備します。最低気温が5度を切る日が出たら、実に袋をかけ始めます。

やり損ねた月の立て直し方

作業が遅れたときは、取り戻せるものと来年に回すものを分けて考えます。不知火は一年がかりの果樹なので、無理に追いつこうとするより翌年の周期を整えるほうが結果が良くなります。

やり損ねたこといつまでなら取り戻せるか過ぎていたら
3月の剪定4月上旬まで夏枝の整理だけにして来年3月に回す
7月の摘果9月まで9月に一度で減らし、翌年の摘果を早める
10月の秋肥11月上旬まで3月の春肥を少し多めにする
12月の防寒寒波が来る前まで色づいた実を先に収穫し室内で貯蔵する

不知火の栽培に一年を通して使うもの

木の作業は冬と夏に固まります。冬に剪定と寒肥、生育期に袋かけと防鳥。この 4 つを季節の前にそろえておきます。

数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。

  • 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 果樹」
    規格の目安
    刃渡り 5〜6cm、直径 2cm 程度まで切れるもの。バイパス式(刃が交差するもの)。

    アンビル式は枝を潰します。生きた枝を切るならバイパス式で、切り口が滑らかなほど早くふさがります。

  • 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm」
    規格の目安
    刃渡り 24cm 前後の折込式。生木用の刃(目の粗いもの)を選びます。

    直径 2cm を超える枝は、はさみで切ろうとすると枝も刃も傷めます。工作用ののこぎりは生木で目が詰まります。

  • 有機質肥料(寒肥用)探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
    規格の目安
    油かすと骨粉の配合肥料。5〜10kg 袋。
    数量の目安
    成木 1 本に 1〜2kg。樹冠(枝の広がり)の外周に沿って埋めます。

    冬に入れて、春に効き始めるのを狙う肥料です。ゆっくり分解するので、休眠期のうちに入れておきます。樹種と樹齢で必要な量は変わるので、詰めたいときは施肥基準を見てください。

    出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」

  • 防鳥ネット探す言葉「防鳥ネット 目合い25mm」
    規格の目安
    目合い 20〜25mm。小鳥まで防ぐなら 15mm。
    数量の目安
    高さ 2m の木 1 本を覆うのに 4m × 4m 程度。

    色づく直前にかけます。目合いが大きすぎると小鳥が入り、細かすぎると風で煽られて枝を傷めます。

買わなくてよいもの・代わりになるもの
  • 高枝切りばさみは、木が背を越してからで十分です。低く仕立てるならずっと不要です。
  • チェーンソーは家庭の果樹には要りません。剪定のこぎりで足ります。

不知火の収穫までのコツは作物ページに

栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は不知火の育て方にまとめています。

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