鉢か地植えかで水やりが変わる
柑橘は乾きに強い木ですが、不知火は実を大きく育てる7月から9月と、味を乗せる11月以降に水の加減が影響します。鉢植えは土の表面が乾いてからたっぷり、地植えは真夏の晴れ続き以外は雨まかせが基本です。
水が多いか少ないかは、葉を見れば判断できます。葉が内側に丸まって光沢が消えたら水切れの目安で、葉が黄色くなって土がいつも湿っているなら根が水に浸かりすぎています。土の色だけでなく、指を第二関節まで入れて乾きを確かめてから水をやります。
| 時期 | 鉢植え | 地植え |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 表面が乾いたらたっぷり | 雨まかせ |
| 7〜9月 | 朝夕に土を触って乾いていれば毎日 | 10日雨がなければ株元に20リットル |
| 10〜11月 | 2〜3日に1回に減らす | やらない |
| 12〜3月 | 週1回、暖かい日の午前中 | やらない |
秋に水を控えめにすると実の糖度が上がります。ただし葉が丸まるほど乾かすと実が割れるので、葉の張りを見て判断します。
肥料は春・夏・秋の三回
不知火は3月の春肥、6月の夏肥、10月の秋肥の三回に分けて肥料を与えます。一度に多くやると枝ばかり伸び、実の味が乗りません。有機質の油かすや配合肥料を主体にし、鉢植えは緩効性の化成肥料で置き肥するのが扱いやすい方法です。
元肥(植えるときに土に混ぜる肥料)は植え付け時の腐葉土で足りるので、化成肥料を植え穴に入れる必要はありません。実が付き始めた木では、年間量の目安として地植えの成木1本に油かすで1〜1.5キロ、これを三回に分けます。
| 月 | 肥料の狙い | 目安の量(地植え成木1本) |
|---|---|---|
| 3月 | 春の芽出しと花を支える | 油かす主体の有機肥料を年間の半分 |
| 6月 | 実の肥大を支える | 年間の2割 |
| 10月 | 味を乗せ、翌年の花芽を作る | 年間の3割 |
| 12〜2月 | 与えない | 根が動かず肥料が残る |
鉢植えは緩効性肥料を鉢の縁に沿って置き、幹に直接触れないようにします。8号鉢で一回に大さじ2杯前後が目安です。
追肥のやり方
追肥(育ちの途中で足す肥料)は根の先端がある場所に施すのが基本です。地植えは枝先の真下を目安に浅く土を混ぜ、鉢植えは表土に置くだけで水やりのたびに溶けていきます。株元に山盛りにすると根を傷めます。
- 枝先の真下に円を描く
- 枝の広がりの外周に沿って浅く溝を掘り、そこに肥料をまきます。根は枝の広がりと同じくらい広がっていて、先端で養分を吸います。
- 土と軽く混ぜて水をやる
- 肥料を土と混ぜ、乾いていればたっぷり水を通します。表面に置きっぱなしだと雨で流れ、鳥や虫を呼びます。
- 葉の色で足りているか判断
- 新葉が濃い緑で厚ければ足りています。古い葉から薄い黄緑に抜けていくなら肥料不足の目安で、速効性の液肥を2週間に1回足します。
マルチングで根を守る
不知火の根は浅く広がり、真夏の地温の上昇と冬の凍結の両方に弱いです。株元に敷きわらやバークチップを厚さ5センチ以上敷いておくと、水やりの回数が減り、冬の根の凍みも防げます。鉢植えも表土に敷くだけで乾きが半分ほどに落ち着きます。
黒いビニールマルチは地温を上げすぎるので夏の柑橘には向きません。腐葉土や敷きわらのように分解して土に還るものを選び、薄くなったら足すという扱いにします。
- 6月に敷く
- 梅雨明け前に株元の草を取り、敷きわらを厚めに敷きます。幹の周り5センチは空けて、幹が蒸れないようにします。
- 12月に足す
- 冬に入る前にもう一度足し、根の周りの土が凍らないようにします。鉢植えは鉢そのものを段ボールや不織布で包むのも効果があります。
鉢植えの植え替えは2〜3年に一度
鉢植えは2〜3年で根が回り、水を吸えなくなります。3月中旬から4月上旬に、一回り大きい鉢へ植え替えます。10号を超えて大きくしたくない場合は、根鉢の外側3センチと底を切り落として同じ鉢に戻す方法で更新します。
- 根鉢を抜いて外側を落とす
- 鉢から抜き、固まった根の外側と底の部分を手か古いはさみでほぐして落とします。全体の3分の1以内にとどめます。
- 新しい土で植え直す
- 水はけのよい用土を鉢底に入れ、接ぎ口が土に埋まらない高さに植え直します。植え替え後2週間は肥料を与えません。
葉の色で見分ける肥料のトラブル
不知火は肥料の過不足が葉の色に出やすい木です。どの葉から色が変わるかで、足りない養分と直し方がわかります。冬の寒さで葉が黄色くなることも多いので、時期と合わせて判断します。
| 見た目 | 疑う原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 古い葉から全体が黄色くなる | 窒素不足 | 油かすか液肥を足す |
| 新しい葉の葉脈だけ緑で残る | 鉄やマグネシウムの不足、土の酸度 | 苦土石灰を少量か微量要素入り液肥 |
| 葉先が茶色く枯れる | 肥料のやりすぎ | 肥料を止めてたっぷり水で流す |
| 1〜2月に葉が黄色く落ちる | 寒さ | 防寒を優先し、春まで肥料を待つ |
不知火の育てている間に使うもの
木の管理は、施肥と草の始末と、幹を守ることです。年に数回しかやらないぶん、道具は長く使えるものを選びます。
数量は植えて数年たった木 1 本を単位にしています。
- 有機質肥料探す言葉「油かす 骨粉 有機質肥料」
- 規格の目安
- 油かすと骨粉の配合。5〜10kg 袋。
- 数量の目安
- 成木 1 本に、寒肥で 1〜2kg。実を穫ったあとのお礼肥に 300〜500g。
樹冠の外側の地面に、浅く溝を掘って埋めます。細い根は幹の近くではなく、枝先の真下に伸びています。量は樹種と樹齢で変わります。
出典: 農林水産省「施肥基準 — 果樹」
- バーク堆肥(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング 40L」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に厚さ 5cm ほど敷きます。
- 数量の目安
- 株元 1 ㎡ で 50L 前後。
夏の乾きと冬の凍結の両方を和らげます。年々分解して土に混ざるので、土壌改良も兼ねます。
- 幹に巻く防虫テープ探す言葉「カミキリムシ 幹 ネット 防虫」
- 規格の目安
- 幹に巻く網か、専用のテープ。地際から 50cm ほどを覆います。
テッポウムシ(カミキリムシの幼虫)は幹に卵を産みます。入られてからでは手の打ちようが減るので、産ませないのが基本です。
- 草刈り鎌・三角ホー探す言葉「草刈り鎌 園芸」
- 規格の目安
- 刃渡り 15cm 前後の鎌か、刃幅 10〜15cm の三角ホー。
株元の草は、幹に虫を呼び込みます。株元 50cm だけでも空けておくと、幹の様子を確かめられます。
- 若木のうちは寒肥だけで足ります。実を穫るようになってからお礼肥を足します。
- 除草剤は幹の近くでは使わないほうが無難です。根が吸います。
不知火の収穫までのコツは作物ページに
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