葉は下から、大きくなりすぎる前に
収穫の始まりは本葉が10枚を超えた頃です。下のほうの葉から順に、葉の柄のつけ根で摘みます。上の若い葉から摘むと株が伸びず、以後の収量が落ちます。
手のひらほどの大きさが摘みどきです。それ以上待つと葉が硬く、香りが鈍くなります。使う予定がなくても、大きくなった下葉は摘んで株を軽くします。
- 摘む枚数の上限
- 一度に株の葉の3分の1までにします。それ以上取ると光合成が足りず、次に出る葉が小さくなります。
- 朝のうちに摘む
- 日が高くなる前に摘むと葉に水分があり、しなびにくくなります。昼に摘んだ葉は持ち帰る間に縁が丸まります。
- 茎ごと切る場合
- 大量に要るときは枝ごと切ります。切る位置は葉2組を残した上で、そこから新しい枝が出ます。
- 軸を残して切る
- 葉だけをちぎると軸が残って枯れ込みます。柄のつけ根から切ると傷口が小さく、そこから病気が入りにくくなります。
株が小さいうちに穫りすぎると、そのまま伸びなくなります。本葉10枚を超えるまでは我慢してください。
どれくらい穫れるかの目安
| 時期 | 株の状態 | 一株の収穫 |
|---|---|---|
| 6月 | 本葉10枚を超えた | 週に数枚ずつ |
| 7〜8月 | 摘心後に枝が増えた | 週に20〜40枚 |
| 9月 | 花芽が動き始める | 徐々に減り葉が硬くなる |
| 10月 | 花と実の時期 | 葉より穂と実を穫る |
| 11月以降 | 霜で枯れる | 株を抜いて片付ける |
穫れる枚数は摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)の回数でほぼ決まります。摘まずに一本立ちのままだと、この表の半分も穫れません。
穂じそと実じその見極め
9月から10月、株の先端に花穂が立ちます。ここからは同じ株から三段階の別の食材が穫れ、時期を逃すと次の段階へ進んでしまいます。
穂じそを穫るか実じそまで待つかは、使い道で決めます。天ぷらや刺身のあしらいなら花のうち、保存して冬まで使うなら実が充実するまで待ちます。
| 名前 | 穫る時期 | 見た目 | 使い方 |
|---|---|---|---|
| 花穂じそ | 花が咲き始め | 下から数輪だけ咲いた | 刺身のあしらい |
| 穂じそ | 花穂の3分の1が開花 | 下半分に花、上はつぼみ | 天ぷら・塩漬け |
| 実じそ | 開花の10〜20日後 | 花が終わり実が青く充実 | 塩漬け・醤油漬け |
| 採種 | 実が茶色くなる | 茎ごと乾いてくる | 翌年の種として保存 |
花穂が上がったら数日おきに見ます。適期は各段階とも数日しかなく、一週間空けると次の段階へ進みます。
実じそのしごき方と塩漬け
実じそは硬さの見極めがすべてです。早すぎると粒が小さく量にならず、遅いと殻が硬くなって口に残ります。指で押してつぶれずころころする頃が境目です。
- 穂ごと刈る
- 実が青く硬すぎない状態で、穂を茎ごと切り取ります。触って粒がころころする程度が適期で、硬くなると口に残ります。
- 指でしごく
- 穂の先から根元へ向かって指で挟んでしごくと、実が一気に外れます。逆向きだと硬い軸まで混じります。
- 塩をして水を出す
- 実の重さの1割ほどの塩をまぶし、半日置いて出た水を捨てます。この一手間で青くささとあくが抜けます。
- 保存する
- 水気を切って容器に詰め、冷蔵で数か月持ちます。醤油に漬ければご飯にも使え、少量ずつ長く使えます。
しごいたあとの軸は硬いので使いません。混ざると口当たりが悪くなるので、この時点で取り除きます。
葉の保存は乾かさないことが全て
収穫した葉は水分が抜けるほど香りが飛びます。冷蔵庫の乾いた空気に直接触れさせないことが、日持ちを決める唯一の条件です。逆に濡らしすぎると黒くなるので、湿らせるのは包む紙までにします。
| 方法 | 日持ち | こつ |
|---|---|---|
| 軸を水に立てる | 5日ほど | 容器に浅く水を張り葉を濡らさない |
| 湿らせた紙で包む | 1〜2週間 | 保存袋に入れ野菜室へ、紙は毎日替える |
| 刻んで冷凍 | 1か月以上 | 解凍せずそのまま料理へ入れる |
| 塩漬け | 半年ほど | 赤じそ向き、色と香りが残る |
葉を洗って濡れたまま袋に入れると二日で黒くなります。使う直前に洗い、保存中は水滴をつけないでください。
穫りすぎた葉を使い切る
夏の終わりには、必ず食べきれない量になります。生で使う分と加工に回す分を刈り取りの時点で分けておくと、しなびさせて捨てる分がなくなります。
- しそ味噌にする
- 刻んで味噌と砂糖で炒め煮にします。硬くなった葉や交雑して香りの弱い葉でも、加熱すると気にならず片付きます。
- 塩漬けで冬まで持たせる
- 赤じそは洗って塩でもみ、あくの出た汁を絞って漬けます。梅酢があれば加えると色が鮮やかに落ち着きます。
- ジュースに回す
- 赤じそは煮出して漉し、酸味を加えると色が変わります。葉を大量に消費できるので、刈り取った日に一気に処理します。
- 最後は種を採る
- 10月下旬、茶色く乾いた穂を刈って紙袋で乾かします。ただし他の系統が近くにあった年は買い直したほうが確実です。
- 香りの弱い葉を選ぶ
- 交雑した株や硬い下葉から加工に回します。香りの立つ若い葉は生で使い、用途で分けると全体が無駄なく片付きます。
穫れなくなったときの原因と立て直し
収穫していた株が急に穫れなくなるのには前ぶれがあります。葉の大きさ、穂の有無、葉色の三つを見れば、その日のうちにどれが原因か判断がつきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 葉が急に小さくなった | 花芽ができ始めた | 先端の穂を摘み、脇枝の葉に切り替える |
| 下葉から黄色く落ちる | 株が混んで日が入らない | 内向きの枝を根元から抜いて風を通す |
| 摘んでも新しい葉が出ない | 摘みすぎで葉が残っていない | 各枝に葉を四枚残し二週間収穫を休む |
| 葉が厚く硬くなった | 水切れを繰り返した | 朝の水やりを増やし敷き藁で乾きを抑える |
穫れない原因のほとんどは摘みすぎか花芽です。どちらも二週間ほど株を休ませれば、新しい枝から柔らかい葉が戻ってきます。
しその収穫と乾燥に使うもの
ハーブは穫るところより、乾かしてしまうところで香りが決まります。早く乾かすほど香りが残ります。
- 収穫用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ ハーブ 収穫」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、ステンレス製。細い茎を切るので小さいもので足ります。
手でちぎると茎が裂けて、そこから枯れ込みます。節のすぐ上で切ると、そこから新しい枝が出ます。
- 乾燥ネット(三段)探す言葉「ハーブ 乾燥ネット 三段」
- 規格の目安
- 直径 45cm 前後の三段。畳めるものが置き場所を取りません。
風の通る日陰に吊るします。直射日光に当てると、香りの成分が飛んで色も抜けます。
- 密閉できる保存瓶探す言葉「保存瓶 密閉 スパイス」
- 規格の目安
- 遮光性のある瓶か、暗い場所に置ける透明瓶。100〜200ml。
完全に乾いてから入れます。少しでも湿りが残っているとカビます。手で揉んで砕けるまでが目安です。
- ラベル探す言葉「ラベルシール 手書き 保存瓶」
- 規格の目安
- 瓶に貼れるシール。品種名と乾かした日を書きます。
乾いたハーブは見分けが付きません。日付があれば、香りが落ちる前に使い切れます。
- 風通しのよい日陰があるなら、乾燥ネットは無くても麻ひもで吊るせます。
- 食品乾燥機は、量が出るようになってから考えれば十分です。
しその収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしその育て方にまとめています。
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