一年の流れを一枚で見る
しその一年は、春の発芽と秋の開花という二つの区切りで動きます。発芽は地温、開花は日の長さで決まるので、水や肥料でずらすことはできません。この二つを軸に予定を組みます。
| 時期 | 株の状態 | やること |
|---|---|---|
| 3〜4月 | 前年のこぼれ種が動く | 場所を決め土を作る |
| 5〜6月 | 種まき・植え付け | 間引き、一度目の摘心 |
| 7〜8月 | 最も茂る | 摘心を繰り返し収穫と追肥 |
| 9〜10月 | 花穂と実 | 穂じそ・実じそ、片付け |
| 11〜2月 | 枯れて休む | 片付けと来年の種の用意 |
暖地と寒冷地では2〜4週間ずれます。暦より、朝の最低気温が15℃を超えたかどうかで判断してください。
3〜4月:場所を決めて土を作る
春にやることは土づくりと場所選びだけで、まだ種はまきません。ここで場所を決め損ねると、夏の水やりと病害虫の手間が一年ぶん増えます。
- 場所を選ぶ
- 午前中に日が当たり、午後は日陰になる場所が最適です。真夏の西日が当たる場所は葉が硬くなるので外します。
- 前年と場所を変える
- 同じ場所を続けると病気が増えます。こぼれ種が出た場所は好都合に見えますが、意識してずらします。
- 土を整える
- 植え付けの2週間前に苦土石灰、1週間前に堆肥と元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)を入れます。酸性に傾いた土では育ちが鈍ります。
- こぼれ種を見つける
- 4月下旬から前年の株の周りに芽が出ます。使うなら残す株を選び、使わないなら小さいうちに抜きます。
こぼれ種は前年の株の真下に集中します。同じ場所で続けたくないなら、春のうちに全部抜いて場所を移します。
5〜6月:まいて、間引いて、最初の摘心
一年で最も判断が多い時期です。まく、間引く、摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)する、この三つを順に片付ければ、あとは夏まで収穫が続きます。逆にここで間引きと摘心を飛ばすと、細い一本立ちのまま秋を迎えます。
| 時点 | 株の姿 | 作業 |
|---|---|---|
| まいて2週間 | 本葉2枚 | 3センチ間隔に間引く |
| 本葉4〜6枚 | 高さ10センチ前後 | 株間25〜30センチに定める |
| 草丈20〜30センチ | 本葉6〜8枚 | 一度目の摘心 |
| 6月下旬 | 枝が2本以上 | 下葉から収穫を始める |
6月に入ってからの植え付けでも間に合います。ただし摘心の回数が減るぶん、夏の収穫量は少なくなります。
7〜8月:摘心と水やりで収量を保つ
収穫の最盛期であると同時に、株がいちばん傷みやすい時期でもあります。摘心と水やりと点検を同じ日の作業としてまとめると、抜けがなくなります。
- 摘心を繰り返す
- 枝が15センチ伸びるたびに先を摘みます。摘むほど枝が増えるので、収穫と摘心を同じ作業として行います。
- 朝の水やりを欠かさない
- 一日でも乾かすと以後の葉が硬くなります。プランターは朝夕2回、地植えも晴天が続けば数日おきに与えます。
- 2〜3週ごとの追肥
- 収穫で持ち出した分を戻します。葉色が淡くなったら遅れている合図なので、次の収穫前に入れます。
- 下葉と葉裏を点検
- ハダニとベニフキノメイガが増える時期です。週に一度、下葉の裏と綴られた先端を確認します。
- 日陰をつくる
- 鉢なら午後だけ日陰へ移します。地植えで西日が強い場所は、寒冷紗を張るだけでも葉の硬さが変わります。
9〜10月:葉から穂と実へ切り替える
日が短くなると花芽ができ、先端に小さい葉が密集し始めます。ここからは葉の質が落ちるので、収穫の対象を穂と実へ移します。摘心を続ければ二、三週は葉を延ばせますが、止めることはできません。
| 株の合図 | 段階 | やること |
|---|---|---|
| 先端の葉が小さく密集 | 花芽ができた | 摘めば数週は葉を延ばせる |
| 花穂が立つ | 花穂じそ | 咲き始めを刺身に添える |
| 花穂の3分の1が開花 | 穂じそ | 天ぷらや塩漬けに刈り取る |
| 開花の10〜20日後 | 実じそ | しごいて塩漬けにする |
街灯や玄関灯が当たる株は開花が遅れます。同じ日にまいても場所で時期がずれるので、株ごとに見てください。
11〜2月:片付けと来年の準備
秋の片付けをどこまでやるかで、翌春の姿が決まります。穂を落とすか持ち出すかだけで、次の年に出る株数がまったく変わります。
- 種を採るか決める
- 茶色く乾いた穂を刈って袋で乾燥させます。ただし近くに別の色のしそやえごまがあった年は、混ざるので買い直します。
- 株を抜いて片付ける
- 霜で枯れます。枯れた株を残すと病害虫の越冬場所になるので、根ごと抜いて畑の外へ出します。
- こぼれ種を残すか選ぶ
- 翌春に勝手に出てほしい場所だけ、穂をその場で振っておきます。出したくない場所は穂を落とさず片付けます。
- 来年の種を用意する
- 冬のうちに種を買っておきます。しその種は寿命が短めなので、古い袋より新しい種のほうが発芽がそろいます。
- 土を休ませる
- 抜いたあとは軽く耕して残さを取り除きます。翌年別の場所に植えるなら、ここに葉物を入れて畑を回します。
畑の隅に穂を落とすと、翌年その場所が群生地になります。管理する気がない場所には落とさないでください。
予定より遅れたときの取り戻し方
暦どおりに進まない年のほうが多いです。しそは生育が早いので、一か月の遅れなら手当てで取り戻せる場面がほとんどです。まず株の姿で今どの段階かを確かめます。
| 遅れた場面 | そのまま進むと | 取り戻し方 |
|---|---|---|
| 5月にまきそびれた | 収穫の始まりが1か月遅れる | 苗を買って植える。6月からでも間に合う |
| 7月まで摘心をしていない | 背が伸びるだけで葉数が増えない | 高い位置で切り戻して脇枝を出させる |
| 8月に追肥を忘れた | 葉が小さく色が淡くなる | 液体肥料を水やり代わりに一週おきで足す |
| 9月に穂を摘み損ねた | 株が実へ養分を回して終わる | 実じそとして穫り切り、葉はあきらめる |
取り戻せない遅れは9月以降だけです。花が咲いてしまえば葉の収穫は戻らないので、翌年はまく日を一週早めて記録に残します。
しその栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
しその収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしその育て方にまとめています。
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