最初の摘心は本葉6〜8枚で
しそは放っておくと1本の茎が真上に伸び、上のほうにしか葉がつきません。先端を切ると脇から枝が出て、収穫できる葉の数が倍以上になります。
切る位置は草丈20〜30センチ、本葉6〜8枚のとき。下から4枚ほど残して上を切ります。切り口のすぐ下の葉のつけ根から、必ず2本の枝が出ます。
- 高さの見極め
- 膝より低いうちに一度目を切ります。下から4枚目の葉が手のひらほどに広がった頃が目安です。腰の高さまで待つと下葉が黄色くなり、そこから出る枝が弱くなります。
- 切る道具
- 手で折ると茎が裂けるので、清潔なはさみで斜めに切ります。裂けた茎は雨が入って腐り、そこから枝が出ません。
- 切った先も使う
- 摘み取った先端は柔らかく、そのまま薬味になります。捨てずに使えるので、摘心(先端を摘んで枝数を増やすこと)をためらう理由はありません。
摘心を怖がって一本立ちのまま育てると、秋までに30枚ほどしか穫れません。切ったほうが確実に増えます。
摘心は一度で終わらせない
伸びた枝の先をまた摘む、これを夏の間繰り返します。枝数は2本、4本、8本と増え、1株で家族の薬味をまかなえる量になります。
| 回数 | 株の状態 | 切る位置 |
|---|---|---|
| 1回目 | 草丈20〜30センチ | 下葉4枚を残して上を切る |
| 2回目 | 枝が15センチ伸びた | 各枝の葉2組を残して先を切る |
| 3回目以降 | 枝が混んできた | 内向きの枝を根元から抜く |
| 8月下旬 | 花芽が見え始める | 先端を摘んで収穫を延ばす |
混みすぎたら摘心より間引きです。株の内側に日が入らないと下葉が黄色く落ち、ハダニの温床になります。
葉が硬く小さくなる原因を切り分ける
硬く小さい葉が出るのは株からの合図です。原因は水・花芽・肥料・日照の四つで、どれかによって手当てが正反対になります。まず葉の様子で見分けてください。
見分けがつかないときは、まず一日水をたっぷり与えて翌朝を見ます。それで新しい葉の出方が変わらなければ、原因は水ではなく花芽か肥料です。
| 葉の様子 | 原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 昼にしおれ夕方戻る | 水切れ | 朝たっぷり与え株元を敷き藁で覆う |
| 先端に小さい葉が密集 | 花芽ができた | 先端を摘み、脇芽の葉に切り替える |
| 全体が淡い緑で小さい | 肥料切れ | 二週に一度の追肥を再開する |
| 厚く濃く縮れる | 直射日光が強すぎる | 午後だけ日陰になる場所へ移す |
水やりで葉の柔らかさが決まる
しその葉のやわらかさは、育っている間ずっと水があったかどうかで決まります。一度硬くなった葉は戻らないので、あとから直すのではなく切らさないことが対策のすべてです。
- 朝に株元へ
- 夏は朝、株元の土にたっぷり与えます。葉にかけると濡れた葉が日に焼け、白い斑になって商品価値ならぬ食味が落ちます。
- 乾かした日を作らない
- 一日でも激しく乾かすと、その後に出る葉は硬くなります。硬くなった葉は元に戻らないので、水を切らさないことが最大の対策です。
- 敷き藁を敷く
- 株元を藁か刈草で覆うと乾きが遅れ、泥はねも防げます。泥はねは下葉の病気の入り口なので、二つの効果があります。
- 半日陰でよく育つ
- しそは強い西日より、午前中だけ日が当たる場所を好みます。真夏に日陰ができる場所なら、そこが最適地です。
鉢は葉が茂るほど乾きが早くなります。同じ回数で足りていたのが7月に足りなくなるのは普通のことです。
追肥は収穫のたびに減る分を戻す
しそは葉を何度も摘み取る作物なので、実を採る野菜より養分の持ち出しが続きます。元肥(植える前に土へ混ぜておく肥料)だけで夏を越そうとすると、8月には葉が小さくなります。
- 始める時期
- 植え付けから3〜4週間後、または一度目の摘心のあとから始めます。それ以前は元肥だけで足ります。
- 間隔と量
- 2週間から3週間に一度、化成肥料をひとつまみ株元に。葉色が濃い緑を保っていれば足りている合図です。
- やりすぎのサイン
- 葉が濃すぎて厚く波打つ、アブラムシが増える、これは窒素過多です。追肥(育てている途中で足す肥料)を一回飛ばして水だけにします。
- 液体肥料で補う
- 回復を急ぐときは薄めた液体肥料を水やり代わりに与えます。固形より早く効き、数日で新しい葉の大きさが変わります。
収穫が多いほど養分が持ち出されます。たくさん摘んだ週の翌週は、追肥を一度入れてから次の収穫に入ってください。
プランターで育てるときの容量
プランターでも摘心と収穫の考え方は地植えと同じです。違うのは乾きの速さだけで、そこさえ押さえれば1株で毎日の薬味はまかなえます。
| 容器 | 植える株数 | 注意点 |
|---|---|---|
| 65センチ標準 | 2株 | 夏は朝夕2回の水やりが要る |
| 深さ25センチ以上の丸鉢 | 1株 | 10リットル以上あると乾きにくい |
| 直径15センチの小鉢 | 不向き | 半日で乾き葉が硬くなる |
| 10リットル未満の鉢 | 1株 | 梅雨明け後は毎日水切れするので不向き |
鉢は夏だけ半日陰へ動かせるのが利点です。動かせる利点を使わず炎天下に置くと、地植えより早く傷みます。
しその剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
しその収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしその育て方にまとめています。
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