いつ何を警戒するかを先に決める
しそは葉そのものを生で食べるため、被害が出てからでは使える葉が残りません。時期ごとに見る場所を決めて、週に一度めくって確認するのが唯一有効な方法です。
| 時期 | 警戒するもの | 見る場所 |
|---|---|---|
| 5〜6月 | アブラムシ | 新芽と若い葉の裏 |
| 6〜9月 | ベニフキノメイガ | 綴られた先端の芽 |
| 7〜9月 | ハダニ | 下葉の裏と葉の付け根 |
| 8〜10月 | ヨトウ類 | 食べ跡の近くの土の中 |
| 9〜10月 | 穂につく虫 | 花穂とつぼみの内側 |
見る日を決めるのが肝心です。水やりのついでではなく、週に一度は葉をめくる時間を取ってください。
ハダニは乾燥した場所に出る
葉が白くかすれたようになり、進むと葉裏に細かい網がかかります。梅雨明けから急に増え、乾いた風が当たる場所ほど早く出ます。
- 見つけ方
- 下葉を裏返し、白い紙の上で軽く叩きます。動く点が見えればハダニです。点が見えないうちは葉の白っぽさだけで判断できません。
- 水で洗い流す
- 水に弱いので、葉裏へ勢いよく水をかけるだけで数が減ります。夏の水やりのついでに、週に二度は葉裏を狙ってください。
- 被害葉は摘む
- かすれた葉は戻らないので摘み取り、畑の外へ出します。株元に落とすとそこから再び上がります。
- 乾かさない環境にする
- 敷き藁と株間の確保で湿度を保ちます。密植して風が抜けないと、湿度は上がらず埃だけたまり逆効果です。
- 広がる前に止める
- 一枚でかすれを見つけたら、その枝全体を疑います。株の下半分に広がってからでは、水をかけても数が減りません。
市販の苗から持ち込むことが多い相手です。買った株は数日離して置き、様子を見てから畑に入れます。
ベニフキノメイガは芽の中に隠れる
しそやバジルなどシソ科につく蛾の幼虫で、先端の若い葉を糸で綴じ合わせ、その中で食べます。外から見ると先端だけが縮れて汚れたように見えます。
- 見分ける合図
- 新芽がくっついて開かない、黒い粒(ふん)が葉に乗っている。この二つが揃えば中に幼虫がいます。
- 綴じた葉を開く
- 指で綴じ目を開くと、緑色で細長い幼虫が素早く動きます。見つけたらその場で取り除きます。
- 先端ごと切る
- 取り逃すと隣の芽へ移ります。迷ったら綴られた先端ごと切り取り、袋に入れて処分するのが確実です。
- 6月から毎週見る
- 暖かい時期に何度も世代を重ねるので、一度取っても再び出ます。6月から10月は週一回の点検を続けてください。
バジルを近くで育てていると同じ幼虫がつきます。片方で見つけたら、もう片方もその日に点検してください。
食べ跡から犯人を特定する
| 食べられ方 | 考えられる相手 | 対応 |
|---|---|---|
| 先端が綴られ中が空洞 | ベニフキノメイガ | 綴られた部分ごと切り取る |
| 夜のうちに大きく欠ける | ヨトウ類 | 日中に株元の土を浅く掘って捕る |
| 新芽がべたつき縮れる | アブラムシ | 水で流し、窒素の追肥を控える |
| 葉に白いかすれ | ハダニ | 葉裏に水をかけ被害葉を摘む |
| 葉の縁が丸く欠ける | ヨトウ類の若齢 | 葉裏に卵のかたまりがないか確認する |
どの相手でも早期発見が効きます。被害が全体に広がってからでは、生で食べられる葉が残りません。
病気は風通しと泥はねで決まる
しそで多いのは下葉から出る斑点とさび状の症状で、いずれも葉が濡れたままの時間が長いと広がります。赤じそのほうが症状が目立ちやすい傾向があります。
水を葉にかけない、下葉を早めに摘む、株元を覆って泥はねを止める。この三つで大半は防げます。薬に頼る前にここを直してください。
- 葉に水をかけない
- 水は株元の土へ与えます。葉が濡れたままの時間が長いほど、下葉から出る斑点が広がりやすくなります。
- 下葉を早めに摘む
- 地面に近い葉から傷みます。収穫を兼ねて下から摘み上げると、風が通り泥はねも届かなくなります。
- 株元を覆う
- 藁か刈草を敷いて泥はねを止めます。雨のあとに下葉が汚れているなら、覆いが足りていない合図です。
赤じそは症状が目立ちやすい傾向があります。梅の時期まで葉を残したいので、6月前から予防を始めます。
出させないための設計
- 株間を守る
- 25〜30センチをあけます。葉が隣と重なり続けると内側が暗く湿らず埃っぽくなり、ハダニと病気の両方を招きます。
- 下葉から収穫する
- 収穫を兼ねて下葉を減らすと、風が抜けて泥はねも届きません。収穫そのものが最良の予防になります。
- 連作を避ける
- 同じ場所で毎年育てると土の中の菌が増えます。こぼれ種で毎年同じ場所に出る作物なので、意識して植える場所を変えます。
- 苗の持ち込みを断つ
- 買った苗の葉裏を必ず確認します。ハダニは持ち込みで始まることが多く、最初の一株で夏の被害が決まります。
- 周りの草を刈る
- 畑の縁の草はハダニとヨトウの住みかです。株の周囲だけでも刈っておくと、夏の発生量が目に見えて減ります。
生食する葉なので、薬に頼らずに済む設計が結局は近道です。場所と株間で被害の大半は決まります。
食害を受けたあとの立て直し
虫に食われた株をそのまま放置すると、傷んだ葉から病気が入り、回復も遅れます。被害に気づいた日にやることは、取り除く・切り戻す・養生の三つだけです。
- 傷んだ葉を外す
- 穴だらけの葉と黄色くなった下葉は摘み取り、畑の外へ出します。卵や病斑の残った葉を株元に置くと、そこから次の世代が出ます。
- 枝を切り戻す
- 食害が枝の先に集中しているなら、その枝を二節ほど下で切り戻します。脇から新しい枝が出て、二週間ほどで柔らかい葉が穫れ始めます。
- 水と追肥で押し戻す
- 葉を大量に失った株は根も弱ります。水を切らさず、追肥(育てている途中で足す肥料)として化成肥料をひとつまみ株元に置き、新しい葉が開くまで収穫を休みます。
- 使った薬剤を控える
- 薬剤を使ったら収穫できるまでの日数を袋で確かめ、使った日を書き留めます。しそは葉をそのまま食べるので、この日数だけは守ります。
切り戻すか抜くかの分かれ目は、残っている葉の数です。株全体で葉が10枚を切っていれば、抜いて新しい苗を植え直すほうが早く穫れます。
しその収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はしその育て方にまとめています。
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