一本立ちか、枝分かれかを決める
ストックには茎が一本まっすぐ伸びて大きな花穂をつける無分枝系と、枝分かれして小さめの穂をいくつも咲かせる分枝系があります。切り花で長い一本を取りたいか、花壇で株全体をこんもり咲かせたいかで、選ぶ系統が変わります。
庭の広さと目的を先に決め、それに合う系統を選んでから花色を決める順番にすると迷いません。切り花なら無分枝系、花壇なら分枝系、鉢ならわい性系、と覚えておけば目安になります。
| 系統 | 姿 | 向く使い方 |
|---|---|---|
| 無分枝系 | 茎一本、高さ60〜80センチ、大きな穂 | 切り花、花壇の後ろ |
| 分枝系 | 枝分かれして高さ40〜60センチ、穂は中くらい | 花壇の中段、プランター |
| わい性系 | 高さ20〜30センチで枝分かれ | 小さな鉢、寄せ植え |
無分枝系は摘心(先端の芽を摘んで枝を増やす作業)をしません。摘むと穂が出ず、細い枝ばかりになります。
八重咲きは種ができない
八重咲きのストックは花弁が増えた代わりにおしべとめしべがなく、種ができません。市販の種は一重の株から採ったもので、そこから八重と一重が混じって芽生えます。八重の出る割合は品種によって五割から八割で、苗の姿で見分けて八重を残すのが昔からの方法です。
一重は香りが強く花持ちも悪くないので、見分けにこだわらなくても十分楽しめます。切り花で豪華な穂を狙うときだけ見分けをします。
- 子葉の形を見る
- 八重になる苗は子葉が大きく丸みがあり、一重の苗は小さめで細長い傾向があります。同じポットの中で比べると差が見えます。
- 葉の色を見る
- 八重の苗は葉の緑が淡く黄みがかり、一重は濃い緑になりやすいです。本葉が二枚から三枚のころが最も差が出ます。
- 葉の縁を見る
- 八重の苗は葉の縁の切れ込みが浅く丸く、一重はぎざぎざが目立つ傾向です。三つの手がかりを合わせて判断します。
- 低温で差を強める
- 本葉が出たころに五度前後の低温に数日当てると、一重の苗の葉が濃く硬くなり、八重との差がはっきりします。
見分けは確率を上げる方法で、必ず当たるものではありません。八重の割合が高い品種を選ぶことも大切です。
花色と香りで選ぶ
花色は白、ピンク、紫、赤紫、黄、アプリコットと幅があり、混合の種と単色の種の両方が売られています。香りはどの色にもありますが、特に夜に強くなり、部屋に一本飾るだけで香りが広がります。
混合の種は株ごとに色が違うので、花壇に植えたら何色が咲くか分かりません。色をそろえたいなら単色の種を選び、咲いたら気に入った色の一重から種を採っておくと翌年も同じ色が出ます。
| 目的 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 切り花で長く飾る | 無分枝系の八重 | 穂が長く花弁が散りにくい |
| 花壇を早く華やかに | 分枝系の混合 | 株がこんもりして色がそろわなくても映える |
| 香りを楽しむ | 一重も含めた紫や白 | 一重は香りが強い株が多い |
| 小さな鉢で育てる | わい性系 | 支柱なしで倒れない |
苗を買うときの見方
十月から十一月に園芸店に並ぶポット苗は、種まきの手間を省けます。すでに八重に選別された苗として売られていることもあり、ラベルに八重と書かれていれば見分けの必要はありません。株元がぐらつかず、葉の間が詰まった苗を選びます。
苗の根元を見て、土の表面に白い根が見えていたら根鉢が回っているしるしです。逆にポットの土が乾いてしぼんでいたり、土の表面にこけが生えていたりする苗は、店で長く置かれていた可能性があるので避けます。
- 株元を軽く揺らす
- 根鉢が回っている苗は株元が動きません。ぐらつく苗は根が少なく、植えても立ち上がりが遅くなります。
- 下葉の色を見る
- 下の葉が黄ばんだ苗は肥料切れか根の傷みです。全体が均一な緑で、葉に虫の食べ跡がない苗を選びます。
- つぼみ付きは避ける
- 秋にすでにつぼみのある苗は株が小さいまま咲き、穂が短くなります。葉だけの苗のほうが春に大きく咲きます。
八重が出ない、思った姿にならないとき
全部一重だった、穂が短かった、枝分かれしなかったといった失敗は、品種の選び方か見分けの時期に原因があります。株の姿と買った種の情報を照らし合わせ、次の年に直せる点を見つけます。
| 状態 | 考えられる原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 咲いたら全部一重だった | 見分けをしなかったか、時期が遅すぎた | 本葉二〜三枚で見分け、八重率の高い品種を選ぶ |
| 穂が短く小さい | 春まき、または苗が小さいまま咲いた | 秋まきにして冬までに株を大きくする |
| 無分枝系のはずが枝分かれ | 先端を傷めたか摘んだ | 先端の芽を守り、虫の食害を防ぐ |
| 分枝系なのに一本しか出ない | 株が小さいうちに咲いた | 本葉八枚ごろに先端を摘んで枝を出させる |
一重の株からは種が採れます。気に入った色の一重を残して種を採れば、翌年も同じ系統から八重と一重が出ます。
ストックの長く咲かせるコツは作物ページに
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