太陽を追うのはつぼみのうちだけ
ひまわりが太陽を追うのは本当ですが、追うのはつぼみが開くまでの若い時期だけです。咲いた後の花は東を向いたまま固定され、一日じゅうほとんど動きません。
若い株は昼のあいだ茎の東側と西側で伸び方を変え、先端が東から西へ向きを変えていきます。夜のうちに逆向きに戻り、朝には東を向き直します。開花するとこの動きが止まります。
東で止まるのには理由があります。朝日で花が早く温まるため虫が集まりやすく、受粉が進むと考えられています。畑一面のひまわりが同じ向きに並ぶのはこのためです。
観察を始める前に、その株が今どの段階かを確かめます。段階によって見どころが変わるので、次の表で自分の株の状態を探し、その行の記録から始めると迷いません。
| 株の状態 | 向きの動き | 記録すること |
|---|---|---|
| ふたばから本葉が数枚 | 先端が東から西へ動く | 朝と夕の向きを写真で残す |
| つぼみが見え始めたころ | 動きがいちばん大きい | 毎日同じ時刻に向きを測る |
| 花びらが開いた日 | 動きが止まりはじめる | 開花日を記録の区切りにする |
| 咲きそろった後 | ほぼ東を向いたまま | 動かないことを確かめて残す |
花が太陽を追うという説明は間違いではなく、時期の話が抜けているだけです。観察ではつぼみの時期と開花後を必ず分けて記録します。
向きを記録する手順
向きの記録は言葉より角度で残します。東を0として、北を左、南を右のように決めておくと、後からグラフにできて変化の止まる日がはっきり見えます。
- 方位を先に決める
- 観察を始める前に方位磁針で東西南北を決め、株のそばに印を立てます。同じ基準で見ないと、向きが変わったのか自分が動いたのか分かりません。
- 時刻をそろえる
- 朝、昼、夕の3回、毎日同じ時刻に見ます。時刻がずれると太陽の位置も変わり比較になりません。1回しか見られない日は朝に統一します。
- 同じ場所から撮る
- 三脚か足元の目印を置き、毎回同じ位置から撮ります。背景に建物が写るようにしておくと、向きの変化が写真だけで分かります。
- 開花日を書き留める
- 花びらが開き始めた日を記録します。この日を境に向きの動きが止まるので、記録全体を前半と後半に分ける区切りになります。
曇りの日も休まず記録します。太陽が見えない日に向きがどうなるかは、そのまま研究の見どころになります。
草丈と葉を測る
草丈は地面から茎の先端までを測ります。葉の先ではありません。伸びる速さは日によって変わり、日照りと雨の後で差が出るので、天気も一緒に書いておくと理由を説明できます。
| 測る項目 | 測り方 | 気づきやすいこと |
|---|---|---|
| 草丈 | 地面から茎の先端まで | 梅雨明け後に急に伸びる |
| 葉の枚数 | 双葉を除いて数える | つぼみが見えると増えなくなる |
| 茎の太さ | 地際から10センチの位置 | 太い株ほど倒れにくい |
| つぼみの直径 | いちばん広い所を測る | 開花の数日前に伸びが止まる |
測るのは毎日同じ時刻にします。日中は水分が減って葉も茎も縮むため、夕方に測ると数値が乱れます。朝の測定がいちばん安定します。
花の中を数える
ひまわりの花に見えるものは、外周の花びら状の花と、中心に詰まった小さな花の集まりです。中心の一つひとつが後に種になるので、数えると採れる種の数がおよそ分かります。
中心をよく見ると、右回りと左回りのらせんが重なって見えます。数えると多くは34本と55本、非常に大きな花では89本と144本という組み合わせになります。
- らせんの数え方
- 中心から外へ向かう1本のらせんに沿って印をつけ、隣へ順に移りながら数えます。印をつけずに数えると必ず途中で見失います。
- 種の数を見積もる
- 花を8等分か16等分し、1区画の種を数えて掛けます。全部を数える必要はありません。大輪では数百から2千粒近くになります。
- 重さで比べる
- 採った種を100粒ずつ数えて重さを量ると、株ごとの充実度を比べられます。中身の入っていない種は軽く、指で押すとへこみます。
自由研究のテーマ例
どのテーマも、比べる相手を必ず用意します。一本だけ育てて記録しても、その株がどうだったかしか言えません。条件を変えた株を並べて初めて理由を語れます。
| テーマ | 比べるもの | かかる期間 |
|---|---|---|
| 向きはいつ止まるか | つぼみの時期と開花後の向き | 2〜3週間 |
| 株間で草丈は変わるか | 20センチ区画と50センチ区画 | まきから開花まで |
| 肥料で倒れやすさは変わるか | 元肥だけの株と追肥した株 | 2か月 |
| 日陰でどう育つか | 日なたの株と半日陰の株 | 2か月 |
テーマは一つに絞ります。条件を二つ以上いちどに変えると、どちらが効いたのか説明できず、まとめの段階で行き詰まります。
観察がつまずいたときの切り分け
記録が続かなくなったら、株の問題か自分の都合かをまず分けます。株が枯れたのなら予備の株に切り替え、時間が取れないのなら頻度を下げます。目安は週3回で、曜日を固定します。
- まとめ方のこつ
- 日付を横軸にした折れ線を先に描き、そこへ写真と気づきを貼ります。表だけでは変化の速さが伝わりません。
| 困りごと | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 途中で枯れた | 水切れか根を傷めた | 予備の株を2本多く育てておく |
| 背が高くて測れない | 高性種を選んだ | 脚立を使うか、来年は中性種にする |
| 花が下を向いた | 種が入って重くなった | 異常ではないので傾きとして記録する |
| 記録が途切れた | 毎日同じ時刻に見られない | 週3回に決めて曜日を固定する |
何日も家を空けると分かっているなら、間隔を最初から3日おきに決めます。途中で頻度を変えるとグラフが読めなくなります。
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