植える場所をタイプで選ぶ
タラノキは山の伐採跡や道端など、日当たりのよい明るい場所に真っ先に生えてくる木です。庭でも半日以上日が当たる場所が向きます。日陰では芽が小さく、数も増えません。
気を付けたいのは、根が地中を横に走って離れた場所から新しい芽を出す性質です。芝生や花壇のそばに植えると、数年後に思わぬところから生えてきます。植える前に広がってよい範囲を決めておきます。
| 場所のタイプ | 向き不向き | 手当て |
|---|---|---|
| 一日中日が当たる畑の隅 | いちばん向く | そのまま植えてよい |
| 午前だけ日が差す場所 | 育つが芽はやや小さい | 周りの枝を払って光を入れる |
| 一日暗い北側 | 不向き | 別の場所を選ぶ |
| 花壇や芝生の近く | 根が広がって困る | 板や仕切りを地中に入れて囲う |
苗の種類を選ぶ
苗はとげの多い在来のタラノキと、とげの少ない系統の二通りが出回っています。とげの少ない系統は収穫や手入れが格段に楽なので、庭や畑で扱うなら迷わずこちらを選んでよいと思います。
苗の形は、根の一部を切って育てた根苗と、鉢に入った株の二通りがあります。根苗は安く数をそろえられますが、芽が出るまでひと呼吸かかります。急ぐなら鉢苗を選びます。
苗を買う時期は落葉している十一月から三月です。この時期の苗は葉が無く見栄えがしませんが、いちばん根付きがよい状態です。春に葉の付いた苗を買うより失敗が少なくなります。
| 種類 | 特徴 | 向く場面 |
|---|---|---|
| とげの多い在来種 | 香りが強いといわれる | 山の環境に近い場所で放任する |
| とげの少ない系統 | 収穫と手入れが楽 | 庭や畑で毎年穫る |
| 根苗 | 安く数をそろえられる | まとめて植えて畑を作る |
| 鉢苗 | その年から根付きやすい | 一、二本だけ育てる |
植え付けの手順
植える時期は落葉している十一月から三月です。芽が動き出してからだと根が水を吸えず、枯れることがあります。地面が凍っていない、暖かい日を選んで作業します。
- 穴を広く掘る
- 深さ三十センチ、直径四十センチほど掘ります。タラノキの根は横に広がるので、深さより広さを取るほうが効きます。
- 掘った土に堆肥を混ぜる
- 完熟堆肥をひとかかえ混ぜて埋め戻します。肥えすぎた土は必要なく、水はけがよくなれば十分です。
- 接ぎ目や芽を埋めない
- 苗の株元が地面と同じ高さに来るように据えます。深植えにすると芽が出るのが遅れ、その年の伸びが鈍ります。
- 支柱を立てる
- 細い苗は風で揺れて根が動きます。支柱を立てて八の字に結び、根付くまでの一年は倒れないようにします。
- たっぷり水を与える
- 植えたあと株元がへこむほど水を注ぎ、土と根を密着させます。あとは自然の雨でおおむね足ります。
苗を複数植えるなら、株間は一メートルから一メートル半空けます。込みすぎると光が届かず、下のほうの芽が育ちません。
植えた年から数年の育て方
植えた年は収穫せず、幹を伸ばして根を張らせます。二年目に幹が人の背丈ほどになったら、翌春から芽を穫れるようになります。急いで穫るより、幹を太らせるほうが結局は多く穫れます。
三年目までは、芽を穫りたい気持ちをこらえるのが近道です。幹が太くなれば一本から穫れる芽の数が増え、長い目で見れば早く穫ったときより収量が上回ります。
| 時期 | 株の姿 | その年にすること |
|---|---|---|
| 一年目 | 幹が一本、高さ五十センチ前後 | 収穫しない。支柱で支える |
| 二年目 | 高さ一メートルを超える | 冬に切り戻して枝を出させる |
| 三年目 | 枝が数本に増える | 一番芽だけ穫る |
| 四年目以降 | 根から新しい株も出る | 毎年穫る。古い幹は更新する |
根が広がる性質への備え
タラノキは根から新しい芽を出して増えていきます。これは増やすときには便利ですが、増やしたくない方向にも進みます。植えたあとの数年で範囲が決まるので、最初に囲っておくと後が楽です。
どこまで広がってよいかは、家の使い方によります。畑の隅で放任するなら囲いは要りません。庭木の間に植えるなら、最初に仕切りを入れておくと後で困りません。
- 地中に仕切りを入れる
- 植える範囲の周りに、深さ三十センチほどの板や仕切り材を埋めます。根が横に抜けるのを抑えられます。
- 出てきた芽を抜く
- 範囲の外に出た芽は、小さいうちに根元から掘り取ります。大きくしてからでは根が深く、抜きにくくなります。
- 抜いた芽を苗にする
- 掘った芽は根を付けて別の場所に植えれば新しい株になります。捨てずに増やす材料として使えます。
根付かないときの原因と手当て
植えて春になっても芽が動かないときは、掘り返す前に幹を確かめます。爪で表皮を軽くこすって緑が見えれば生きているので、そのまま待ちます。茶色く乾いていれば枯れています。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 芽が動かないが幹は緑 | 根がまだ働いていない | そのまま待つ。乾いたときだけ水を与える |
| 幹が茶色く乾いている | 植え付け時の乾燥か深植え | 新しい苗を浅めに植え直す |
| 株元がぐらつく | 支柱が無く風で揺れた | 支柱を立て直し、株元の土を踏み固める |
| 葉が出たがすぐ枯れる | 水はけが悪く根が傷んだ | 土を盛って高くし、水の抜け道を作る |
タラノキの植え付けに使うもの
植え付けの日にそろっていないと後から張り直しになるのが、マルチと防虫ネットです。苗を買う前に用意しておきます。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 穴あき 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が早いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。両端を埋めるぶんが要るので、畝の長さ + 1m で見ます。
地温を上げ、雨のはね返りを止め、雑草を抑えます。土からはねる泥は病気の入り口なので、病気が出やすい畑ほど効きます。
- マルチ押さえ(U 字ピン)探す言葉「マルチ押さえ ピン」
- 規格の目安
- 長さ 15cm 前後の鉄製。プラスチック製より風に強いです。
- 数量の目安
- 畝 1 本で 20〜30 本。50cm 間隔が目安。
マルチは土をかぶせて留めるのが基本ですが、風の通る場所ではピンを足さないと一晩でめくれます。
- 防虫ネット探す言葉「防虫ネット 目合い1mm」
- 規格の目安
- 目合い 1mm、幅 180cm。トンネル支柱(長さ 210cm・直径 8mm)と合わせて使います。
- 数量の目安
- ネットは畝 1 本(3m)で 4m。支柱は 50cm 間隔で 7 本。
1mm はモンシロチョウやコナガなど、卵を産みに来る蛾や蝶を止めるための目です。アブラムシやアザミウマはこれでは通ります。狙う虫で目合いを決めてください。
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm のステンレス製。目盛りの付いたものは植え穴の深さを見るのに使えます。
根鉢と同じ大きさの穴を掘るための道具です。柄と刃が一体になっているものは曲がりません。
- 支柱を立てない作物なら、トンネル支柱は要りません。
- 穴なしマルチをカッターで開ければ、株間の違う作物にも 1 本で使い回せます。
タラノキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタラノキの育て方にまとめています。
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