増やし方を目的で選ぶ
タラノキを増やす方法は、根挿し、株分け、種まきの三つです。家庭でいちばん確実なのは根挿しで、冬に掘った根を切って土に挿すだけで芽が出ます。種まきは発芽まで手がかかり、性質もそろいません。
どの方法でも、増やした株が穫れるようになるまで三年ほどかかります。毎年少しずつ増やしていくと、収穫できる株が途切れず、古い株を更新するときにも余裕が生まれます。
| 方法 | 適期 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 根挿し | 12月〜3月 | 同じ性質のまま数を増やす |
| 株分け | 12月〜3月 | 根から出た株を移して植える |
| 種まき | 秋にまく | 数をたくさん作る。性質はそろわない |
根挿しの手順
根挿しは、株から一メートルほど離れた場所を掘り、鉛筆ほどの太さの根を掘り取ることから始めます。太すぎる根は株の骨格なので取らず、細すぎる根は芽を出す力が足りません。
挿したあとは場所を忘れないように札を立てます。地上に何も出ていない期間が二、三か月あるので、うっかり掘り返したり踏んだりする事故を防げます。
- 冬に根を掘る
- 落葉している十二月から三月に、株から離れた場所を掘って太さ一センチ前後の根を取ります。
- 十センチに切り分ける
- 上下が分かるように、上側は水平、下側は斜めに切ります。逆さに挿すと芽が出ません。
- 土に浅く挿す
- 上端が地面すれすれになるように立てて挿すか、寝かせて三センチほど土をかけます。深く埋めると腐ります。
- 乾かさずに待つ
- 四月から五月にかけて芽が出ます。それまで表面を乾かさないよう、敷きわらをして水を切らさないようにします。
根を取る量は、一株から数本までにとどめます。根は木を支える部分でもあるので、掘りすぎると親株が弱ってしまいます。
根から出た株を移す
タラノキは何もしなくても、根から離れた場所に新しい芽を出します。これを掘り上げて別の場所に植えれば、そのまま新しい株になります。増やしたくない場所に出た芽を活用できる方法です。
掘るときは、親株とつながっている根を三十センチほど付けて切り取ります。根が短いと立ち上がりが遅く、その年は葉が数枚しか出ません。
掘り上げる株は、太さが鉛筆以上あるものを選びます。細すぎる株は根も少なく、移したあと立ち上がりません。迷ったら、その場に残して翌年まで太らせてから移します。
- 冬に周りを掘る
- 落葉期に、新しい芽の周りを直径三十センチほど掘って根の走っている向きを確かめます。
- 根を付けて切る
- 親株につながる根を三十センチほど残して切ります。切り口はできるだけ鋭い刃物で一度に切ります。
- その日のうちに植える
- 根が乾くと活着が悪くなります。すぐ植えられないときは湿らせた新聞紙で包んでおきます。
増やしたあとの管理
根挿しや株分けで植えた株は、根が浅く風に弱い状態です。支柱を立て、一年目は収穫せずに幹を伸ばします。芽を穫るのは、幹が人の背丈ほどになってからです。
植えた年は、周りの草に負けないよう見ておきます。背丈を超える草に囲まれると光が届かず、そのまま消えてしまうことがあります。株元から半径五十センチを刈っておけば十分です。
| 時期 | 株の姿 | すること |
|---|---|---|
| 植えた春 | 芽が出て葉が数枚 | 乾かさない。支柱で支える |
| 一年目の夏 | 幹が伸び始める | 周りの草を刈って光を当てる |
| 二年目 | 高さ一メートル前後 | 冬に切り戻して枝を出させる |
| 三年目 | 枝が数本に増える | 一番芽だけ穫り始める |
増えすぎたときの止め方
根が走って思わぬ場所から芽が出るのがこの木の性質です。増やしたくない範囲に出たものは、小さいうちに掘り取ります。地上部だけ切っても、また同じ場所から出てきます。
どうしても広がりを止めたいなら、鉢や大きな容器で育てる方法もあります。根が容器の外へ出ないので範囲が確実に決まり、狭い庭でも一株だけ楽しむことができます。
- 小さいうちに掘る
- 高さ三十センチまでなら根が浅く、簡単に掘り取れます。大きくすると根が深くなって手に負えません。
- 根ごと取り除く
- 地上部だけ切ると、残った根からまた芽が出ます。走っている根をたどり、切って取り除きます。
- 境に仕切りを埋める
- 広げたくない側に、深さ三十センチの板や仕切り材を埋めておくと、根が抜けにくくなります。
芽が出ないときの原因
根挿しをしたのに芽が出ないときは、向き、深さ、乾きのどれかが原因であることがほとんどです。掘り返して確かめる前に、六月まで待ってみてください。遅れて出てくることもあります。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| まったく芽が出ない | 上下を逆に挿した | 上側を水平に切る印を付けてやり直す |
| 途中で腐った | 深く埋めすぎ、水はけが悪い | 浅く挿し、水はけのよい場所に変える |
| 芽が出たが枯れた | 乾かした | 敷きわらをして、根付くまで水を切らさない |
| 細い芽が一本だけ | 根が細すぎた | 太さ一センチほどの根を選び直す |
タラノキの種取り・株分けに使うもの
来年も同じものを育てるなら、しまい方でその種の寿命が変わります。
- チャック付き保存袋探す言葉「チャック袋 小分け 種」
- 規格の目安
- 小さめのもの。品種名と採った年を書けるラベル面のあるものが便利です。
種は湿気で寿命が縮みます。封のできる袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に置くのがいちばん簡単です。
- 乾燥剤(シリカゲル)探す言葉「シリカゲル 乾燥剤 食品用」
- 規格の目安
- 食品用の小袋。色が変わって交換時期の分かるものがあります。
袋に一緒に入れておくだけで、翌年の発芽率が変わります。
- F1 品種の種を採っても、親と同じものにはなりません。採るなら固定種を選びます。
- 専用の種子保存容器は要りません。袋と乾燥剤で足ります。
タラノキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタラノキの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。