一年の作業を月で追う
タラノキの一年は、四月の収穫と冬の切り戻しの二つが山になります。夏は草に負けないよう周りを刈るくらいで、手のかからない木です。冬の作業を落とすと背が高くなり、翌年から穫りにくくなります。
| 月 | 株の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 1月〜2月 | 落葉して休んでいる | 切り戻し。根挿しとふかし用の枝取り |
| 3月 | 芽がふくらみ始める | 株元に堆肥を薄く敷く |
| 4月 | 一番芽が伸びる | 収穫。一番芽だけ穫る |
| 5月 | 葉が開いて枝が伸びる | 残した芽を葉にする。周りの草を刈る |
| 6月 | 枝が伸び盛り | 草刈り。アブラムシを見つけたら対処 |
| 7月〜8月 | 葉が茂る | 乾く年だけ水を与える。幹の虫を見回る |
| 9月〜10月 | 生育が緩む | 根から出た株の位置を確かめる |
| 11月 | 落葉が始まる | 落ち葉を片づけ、病気の枝を切る |
| 12月 | 完全に落葉 | 切り戻しと株分けの適期 |
冬 十二月から二月にすること
冬はこの木でいちばん作業の多い季節です。切り戻し、古い幹の更新、根挿し、ふかし用の枝取りをまとめて済ませます。葉が無いので枝の形が見え、作業しやすい時期でもあります。
冬の作業をまとめて行うと、切った枝と根がそのまま次の材料になります。切り戻しの日にふかしの容器と根挿しの場所を用意しておくと、一日で三つの作業が片づきます。
- 背を詰める
- 手を伸ばして届く高さ、地上一メートルから一メートル半で切ります。切り口は斜めにして水を流します。
- 古い幹を切る
- 表皮が割れて芽が細くなった幹を根元から切ります。株全体で三本から五本を保つように残します。
- 切った枝を使う
- 芽の付いた枝はふかしに、太い根は根挿しに回します。捨てる部分がほとんどありません。
春 三月から五月にすること
三月に芽がふくらみ始めたら、収穫までのカウントダウンです。暖かい日が続くと数日で開いてしまうので、四月は二日おきに見に行きます。穫るのは一番芽だけと決めておきます。
五月に入ったら手を止め、残した芽を葉にさせます。この葉が夏に養分を作り、翌年の芽になります。摘み残しがあっても、五月以降は穫らないほうが木のためです。
収穫の記録を付けておくと、翌年の見に行く時期が決まります。何日に何個穫れたかを一行書き残すだけで、次の年からは無駄足を踏まずに済むようになります。
- 株元に堆肥を敷く
- 三月に完熟堆肥を株元に薄く敷きます。化成肥料を株元に直接まくと根を傷めることがあります。
- 二日おきに見に行く
- 先がほどけかけたころが穫りどきです。開ききると硬くなるので、暖かい日が続いたら毎日見ます。
- 五月からは穫らない
- 残した芽を葉にさせます。ここで手を止めるかどうかで、翌年の芽の太さがはっきり変わります。
夏 六月から八月にすること
夏はほとんど手がかかりません。周りの草が伸びて光を遮るようなら刈り、幹に虫の食い入った跡がないかを見る程度です。植えて間もない株だけは、乾き続くときに水を与えます。
夏に手をかけない代わりに、株元を見る習慣だけは残します。木くずが落ちていないか、枝先が黒くなっていないか。この二点を月に一度見るだけで、大きな被害を防げます。
- 周りの草を刈る
- 背丈を超える草に囲まれると光が届きません。株元から半径一メートルほどを刈っておきます。
- 幹の食い入り跡を見る
- 株元におがくずのような粉が落ちていたら、幹に虫が入っています。穴を見つけたら中を処理します。
- 若い株だけ水やり
- 植えて一、二年の株は根が浅く、乾きに弱いです。雨が十日降らないときは株元に与えます。
秋 九月から十一月にすること
秋は次の年の準備を考える時期です。根から出た新しい株の位置を確かめ、残すか掘るかを決めておくと、冬の作業が早く進みます。落葉したら病気の枝を先に片づけます。
秋のうちに冬の道具を点検しておくのもこの時期の仕事です。のこぎりの目立て、はさみの研ぎ、手袋の傷みを確かめておけば、冬の作業日に手が止まりません。
- 新しい株を数える
- 根から出た株の場所に印を付けます。残す株と掘る株を決めておくと、冬の作業で迷わずに進められます。
- 落ち葉を片づける
- 株元に葉を積んだままにすると、病気の元が越冬します。集めて離れた場所で処分します。
- 傷んだ枝を切る
- 黒い斑点や樹液のあとがある枝は落葉と同時に切ります。切った枝は株元に置かず処分します。
地域で時期がずれるときの読み替え
表は関東の平野部が基準です。寒冷地では収穫が五月にずれ、暖地では三月下旬から始まります。近くの山でタラの芽が出ているかを見て、自分の場所の暦に直すのがいちばん確実です。
標高が百メートル上がると、収穫はおよそ三日遅れると考えられています。同じ地域でも斜面の向きで差が出るので、自分の場所で芽が出た日を数年記録すると精度が上がります。
| 地域 | 収穫の時期 | 注意 |
|---|---|---|
| 暖地 | 3月下旬〜4月中旬 | 芽の伸びが早いので見落としやすい |
| 関東平野部 | 4月中旬〜4月下旬 | 二日おきに見て回る |
| 寒冷地・山間 | 5月〜6月上旬 | 遅霜で芽が傷むことがある |
タラノキの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
タラノキの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はタラノキの育て方にまとめています。
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