自分の庭のどこに植えるかを先に決める
ホトトギスは山の湿った林の縁に自生する宿根草で、木漏れ日のような柔らかい光と湿り気のある土を好みます。真夏の直射日光と西日に当たると葉が焼けて茶色くなり、株が弱って秋の花が減ります。植える場所を決めるときは、夏の午後に日が当たるかどうかを最初に確かめます。
一方で、一日中まったく日が入らない場所では茎がひょろひょろと伸び、花付きが悪くなります。午前中だけ日が当たる場所か、落葉樹の下のように夏は日陰で冬は明るくなる場所が理想です。下の表で自分の庭に近い場所を選んでください。
| 場面 | 向き不向き | 対処 |
|---|---|---|
| 建物の東側で午前だけ日が当たる | 最も向く | そのまま植える。腐葉土を混ぜて湿り気を保つ |
| 落葉樹の下 | 向く | 木の根と競合するので植え穴を広めに掘り腐葉土を多めに |
| 南向きで一日中日が当たる | 夏に葉が焼ける | 鉢植えにして夏だけ日陰へ移す。または遮光ネットを張る |
| 北側で一日中暗い | 茎が伸びて倒れる | 白い壁の照り返しがある場所なら可。明るい日陰を探す |
| 西日が当たる | 最も向かない | 植えない。鉢植えにして置き場所を変える |
斑入り葉の品種は特に葉焼けしやすく、緑葉の品種より暗めの場所を選びます。
適期は春の芽出し前と秋の花後
苗の植え付けと株分けの適期は、芽が動き出す前の二月下旬から三月と、花が終わった十月下旬から十一月です。春に植えるなら芽が二センチほど伸びる前まで、秋に植えるなら霜が降りる二週間前までに済ませ、根を落ち着かせてから冬を迎えさせます。
園芸店では春先に芽出し苗、秋に開花株が出回ります。開花株を買ったときは、花が終わるまで鉢のまま楽しみ、花後に植え替えるほうが株への負担が少なくて済みます。
| 時期 | 作業 | 向く株 |
|---|---|---|
| 2月下旬〜3月 | 芽出し前に植え付け・株分け | ポット苗、掘り上げた根株 |
| 4〜5月 | ポット苗の植え付けのみ | 根鉢を崩さない苗 |
| 10月下旬〜11月 | 花後に植え付け・株分け | 開花株、鉢で育てた株 |
| 12〜2月 | 作業しない | 凍結で根が傷む |
土は腐葉土を多めに、乾きにくく水はけよく
湿り気を好むといっても、水がたまる粘土質の土では根が腐ります。目指すのは林の土のように、腐葉土がたっぷり入って保水しながら余分な水は抜ける状態です。地植えなら植え穴に腐葉土を三割ほど混ぜ、鉢植えなら赤玉土小粒六に腐葉土四を基本にします。
- 植え穴は根鉢の二倍
- 根鉢の直径の二倍、深さは一・五倍ほど掘ります。掘り上げた土に腐葉土を三割混ぜ、粘土質なら軽石やパーライトを一割足して水はけを作ります。
- 元肥は控えめに
- 元肥(植えるときに土へ混ぜておく肥料)は緩効性の粒状肥料をひとつまみで十分です。多く入れると茎ばかり伸びて倒れやすくなります。
- 深さは元と同じ
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるよう植えます。深植えすると芽が腐り、浅すぎると夏に根が乾きます。
- 株間は三十センチ
- 一株が一年で幅四十センチほどに広がるので、隣とは三十センチ以上あけます。詰めると風通しが悪くなり秋の病気が増えます。
鉢植えの植え付け
鉢植えは置き場所を季節で変えられるので、庭に良い日陰がない家ではむしろ育てやすい方法です。ただし鉢は地面より乾きやすいため、五号以上の深めの鉢を選び、素焼き鉢よりプラスチック鉢のほうが夏の水切れを防げます。
- 五号以上の深鉢を選ぶ
- ホトトギスは根が横と下に広がるので、深さ二十センチ以上の鉢にします。小さな鉢は夏に一日で乾いて葉先が枯れます。
- 鉢底に軽石を敷く
- 鉢底石を二〜三センチ敷いて水が抜ける層を作ります。湿り気を好んでも、鉢底に水がたまる状態は根腐れのもとです。
- 植えたらたっぷり水
- 鉢底から流れるまで水を与え、一週間は明るい日陰で落ち着かせます。その後、午前中だけ日の当たる場所に移します。
鉢の表面にバークチップや腐葉土を敷くと、夏の乾きと地温の上がりすぎを抑えられます。
植え付け直後にしおれたときの見分けと手当て
植えて数日で葉がしおれるのは、根が土になじむ前に水が足りていないか、逆に水が多すぎて根が傷んでいるかのどちらかです。土を触って湿っているのにしおれているなら根の傷み、乾いているなら水切れと判断します。原因が反対なので、まず土を触ってから対処を選びます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 土は乾き、葉が昼にしおれ夕方に戻る | 水切れ | 朝たっぷり与え、表面に腐葉土を敷いて乾きを抑える |
| 土は湿り、葉が戻らずに黄色くなる | 根の傷み・過湿 | 水を控え、鉢なら風通しの良い日陰へ。地植えなら周りの土を軽く掘って空気を入れる |
| 葉の縁が茶色く縮れる | 日差しが強い・西日 | 遮光するか、鉢を日陰に移す。焼けた葉は戻らないので秋まで残す |
| 茎が細く長く伸びて倒れる | 暗すぎる・肥料過多 | 明るい日陰に移す。倒れた茎は支柱で起こす |
ホトトギスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ホトトギスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はホトトギスの育て方にまとめています。
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