摘心の目的を知る
ツルナは、先端を摘むとその下の節から新しい枝が二本、三本と出ます。これを繰り返すと株が枝分かれして、収穫できる先端の数が増えていきます。摘心(先端を摘んで枝分かれさせること)が収量を左右します。
反対に、摘まずに放っておくと一本のつるが長く伸びるだけで、収穫できる部分が増えません。伸ばして広い面積を覆わせるか、摘んで密に枝を出させるかを、最初に決めておきます。
はじめて育てる年は、摘むのをためらいがちです。ですがツルナは摘まれるほど枝を増やす植物なので、思い切って先端を取ってしまうほうが、結果としてよく穫れます。
| 目的 | 摘み方 | 株の姿 |
|---|---|---|
| 収量を増やす | つるが三十センチで先を摘む | 枝が増えて密になる |
| 広く覆わせる | 摘まずに伸ばす | 一本が一メートル以上伸びる |
| 狭い場所で育てる | こまめに先を摘む | こんもりまとまる |
最初の摘心の時期
植えてつるが三十センチほど伸びたころが、最初の摘心の目安です。早すぎると株がまだ小さく、伸びる力が足りません。遅すぎると下の節が古くなり、新しい枝が出にくくなります。
最初の摘心をした先端も食べられます。柔らかくておいしい部分なので、捨てずに使ってください。この日から収穫が始まると考えると気持ちが切り替わります。
- 三十センチで摘む
- つるの長さが三十センチになったら、先端から十センチほどを指で摘み取ります。摘んだ先も食べられます。
- 節の上で摘む
- 葉の付け根のすぐ上で摘みます。付け根を残すと、そこから新しい枝が二本、三本と出てきます。
- はさみを使ってもよい
- 茎が太くなると指では折れません。清潔なはさみで切り、切り口が潰れないようにします。
収穫を兼ねた摘心
ツルナのよいところは、収穫がそのまま摘心になることです。柔らかい先端十五センチを摘んで食べれば、その下から枝が増えます。摘むほど収量が上がる、珍しい作物といえます。
摘む間隔は、暑い時期なら一週間から十日です。伸びが早いので、まめに摘んでいるうちに株がこんもりと茂ります。摘まずに置くと茎が硬くなり、食べる部分が減ります。
- 先端十五センチを摘む
- 柔らかい部分だけを摘みます。指で簡単に折れるところが境目で、折れないところは硬くて食べにくいです。
- 一週間から十日おきに
- 夏は伸びが早いので、まめに回ります。摘み残すと茎が硬くなり、その先の葉も小さくなります。
- 枝を残して摘む
- 一本の枝を根元から取らず、先だけを摘みます。枝を残すほど次の収穫の起点が増えます。
一度に株の三分の一以上を摘むと、勢いが落ちて次の伸びが遅くなります。少しずつ何度も摘むほうが、結局たくさん穫れます。
狭い場所での仕立て
ベランダや小さな畑では、横に広がるままにすると場所を取ります。あんどん支柱に絡ませて立ち上げるか、こまめに摘んでこんもりまとめると、限られた場所でも育てられます。
どの仕立てにしても、株元に風が通ることだけは守ります。茂りすぎて中が蒸れると、そこから黒く傷んで広がるので、月に一度は株元を覗いて確かめます。
| 場面 | 仕立て方 | 気を付けること |
|---|---|---|
| 畑で広く使える | 地面に這わせる | 通路に出たら向きを戻す |
| 畝が狭い | こまめに摘んでまとめる | 十日おきに先を摘む |
| プランター | あんどん支柱に絡ませる | 茎が折れないよう緩く留める |
秋に向けた切り戻し
夏の終わりになると、茎が硬くなって葉の付きが悪くなることがあります。このときは思い切って株の半分ほどまで切り戻すと、新しい枝が伸びて秋にもう一度穫れるようになります。
切り戻すのを惜しんでそのままにすると、九月には茎が硬くなって食べる部分が無くなります。思い切って切ったほうが、秋の収穫が長く続きます。
- 八月下旬に切る
- 硬くなった茎を、株元から二十センチほど残して切り戻します。残した部分に葉が付いていることを確かめます。
- 肥料を足す
- 切ったあとに化成肥料を軽く一握り与えます。新しい枝を伸ばす力になり、立ち上がりが早くなります。
- 水を与えて待つ
- 二週間ほどで新しい枝が伸びます。その間、乾かさないように株元へ与えて様子を見ます。
枝が増えないときの原因
摘んでも枝が増えないときは、摘む位置か株の勢いに理由があります。葉の付け根を残さずに切っていないか、肥料切れで伸びる力が無くなっていないかを確かめてください。
うまくいかない年でも、切り戻せばたいてい立て直せます。株元に緑の葉が残っていれば、そこから新しい枝が出てくるので、抜いてしまう前に一度試してみてください。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 摘んでも枝が出ない | 葉の付け根ごと切った | 節の少し上で摘み、付け根を残す |
| 枝が細くて短い | 肥料切れか摘みすぎ | 肥料を足し、二週間収穫を休む |
| 茎ばかり伸びて葉が薄い | 肥料と水の与えすぎ | 与えるのをやめ、乾かし気味にする |
| 株元が蒸れて枯れる | 茂りすぎて風が通らない | 古い葉を取り、株元を空ける |
ツルナのわき芽かき・整枝に使うもの
この作業でいちばん気をつけるのは、切り口から病気を移さないことです。道具そのものより、使い方に関わるものを挙げます。
- 園芸ばさみ探す言葉「園芸ばさみ ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後のステンレス製。細い茎を切るので、剪定ばさみより小回りの利くものを。
よく切れるはさみは切り口が潰れません。潰れた切り口は乾きにくく、病気の入り口になります。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80% のもの。スプレー式が作業中に使いやすいです。
ウイルス性の病気は、はさみを介して株から株へ移ります。株を変えるたびに刃を拭くだけで防げます。
- 誘引テープ探す言葉「誘引テープ 園芸」
- 規格の目安
- 幅 10mm 前後。伸びる素材のもの。
整枝したあとは枝の位置が変わります。そのつど留め直すので、切って使える長さのものが便利です。
- わき芽は指で折れる大きさのうちに取れば、はさみは要りません。手で折ったほうが切り口も早く乾きます。
- 癒合剤は太い枝を切る木の作業のもので、野菜には要りません。
ツルナの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はツルナの育て方にまとめています。
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