一年の作業を月で追う
ツルナの栽培は四月から十一月までです。手のかかる時期は発芽までで、そのあとは摘んで食べるだけといってよいほど楽になります。真夏に葉物が穫れるのがこの作物の値打ちです。
表の作業のうち、外せないのは四月の浸水と六月の最初の摘心の二つです。この二つさえ押さえておけば、あとは伸びた先端を摘んで食べるだけで一年が回ります。
| 月 | 株の様子 | 作業 |
|---|---|---|
| 4月 | 作付けの準備 | 土を耕す。種を水に浸けてまく |
| 5月 | 発芽して本葉が増える | 間引いて一本にする。乾かさない |
| 6月 | つるが伸び始める | 最初の摘心。収穫が始まる |
| 7月 | 旺盛に伸びる | 一週間おきに摘む。伸ばす向きを整える |
| 8月 | 茂りが最大になる | 摘み続ける。下旬に切り戻す |
| 9月 | 新しい枝が伸びる | 肥料を一度足す。収穫を続ける |
| 10月 | 伸びが鈍る | 二週間おきに摘む。種を採るなら残す |
| 11月 | 霜で枯れる | つるを刈って片づける |
春 四月から五月にすること
四月は種を水に浸けることから始まります。この一手間で発芽のそろい方が変わるので、省かないでください。地温が上がってからまくほうが、早くまくより結局早く穫れます。
五月は発芽と間引きの月です。出そろうまで二週間近くかかるので、乾かさないように見ておきます。出ないところには、残しておいた種をまき足します。
種は前の年のものでも使えますが、古くなると発芽率が落ちます。まく前に水に浸けたとき、沈む種の割合を見ておくと、まく量の見当が付いて畑が虫食いになりません。
- 種を一日浸ける
- 硬い殻をふやかすため、まく前に一日から二日水に浸けます。浮いた種より沈んだ種を使います。
- 株間四十センチでまく
- つるが横に広がるので広く取ります。深さ一センチのくぼみに三、四粒ずつまいて覆土します。
- 本葉二枚で一本に
- 混んだところを間引き、形のよい一本を残します。抜くときは残す株の根元を押さえます。
夏 六月から八月にすること
六月につるが三十センチほどになったら最初の摘心をして、収穫が始まります。ここから八月までがいちばんよく穫れる時期で、一週間おきに先端を摘んでいくと株がこんもり茂ります。
八月下旬に茎が硬くなってきたら、株元から二十センチほど残して切り戻します。肥料を足して水を与えれば、二週間ほどで新しい枝が伸びて秋にもう一度穫れます。
夏の作業は収穫だけといってよいほど楽です。その代わり、伸びが早いので摘む間隔が空くと硬くなります。旅行などで留守にする前には、多めに摘んでおくとよいでしょう。
- 三十センチで摘心
- つるが三十センチになったら先端十センチを摘みます。摘心(先端を摘んで枝分かれさせること)の始まりです。
- 一週間おきに収穫
- 先端十五センチを摘み取ります。一度に株の三分の一以上は摘まず、少しずつ何度も穫るようにします。
- 八月下旬に切り戻す
- 硬くなった茎を二十センチ残して切り、肥料を軽く一握り与えて新しい枝を出させます。
秋 九月から十一月にすること
九月は切り戻した株から新しい枝が伸びる時期です。肥料を一度足して勢いを付け、十月まで穫り続けます。十一月の霜で枯れるので、それまでに使い切る計画にします。
秋は虫が減り、葉もきれいに穫れる時期です。夏に比べて量は落ちますが、味は乗ります。霜が降りるまでの短い期間なので、こまめに畑を見て使い切ってください。
- 肥料を一度足す
- 九月上旬に化成肥料を軽く一握り与えます。切り戻したあとの立ち上がりが早くなります。
- 二週間おきに摘む
- 伸びが鈍るので間隔を空けます。摘む量も減らし、株に葉を多めに残して力を保たせます。
- 十一月に片づける
- 霜で枯れたつるを刈り取ります。種を採るなら、実の付いた枝だけを残して熟すまで待ちます。
翌年に種をつなぐ
十月に一部の株を摘まずに置くと、実が付いて熟します。これを採っておけば翌年の種になります。地面に落ちた種から自然に芽が出ることも多く、その場合はまき直しが要りません。
採った種は紙の袋に入れ、乾いた涼しい場所に置きます。密閉した袋に湿ったまま入れるとかびるので、数日よく乾かしてからしまうようにします。
| 時期 | 実の様子 | すること |
|---|---|---|
| 10月 | 緑の実が付く | 摘まずに残して熟させる |
| 11月 | 実が茶色く硬くなる | 採って乾かし、袋に入れて保存する |
| 翌年4月〜5月 | こぼれ種から芽が出る | 間引いて株間四十センチにする |
地域で時期がずれるときの読み替え
表は関東の平野部が基準です。寒冷地では種まきが五月下旬になり、収穫の期間も短くなります。暖地では四月中旬からまけて、十一月まで穫れることもあります。
暖地では冬に枯れずに越すこともあります。その場合は春に古い茎を刈り、新しい枝を伸ばさせると、まき直さずにその年も収穫できます。
| 地域 | 種まき | 収穫の期間 |
|---|---|---|
| 寒冷地 | 5月下旬〜6月 | 7月〜9月 |
| 関東平野部 | 4月下旬〜5月 | 6月〜10月 |
| 暖地 | 4月中旬〜5月 | 6月〜11月 |
ツルナの栽培に一年を通して使うもの
作業のたびに買い足すより、季節の前にまとめて用意しておくほうが結局は安く済みます。一年を通して使うのは、次の 4 つです。
数量は幅 60cm × 長さ 3m の畝 1 本(約 1.8 ㎡)で計算しています。
- 完熟堆肥探す言葉「完熟堆肥 牛ふん」
- 規格の目安
- 牛ふん堆肥かバーク堆肥。40L 前後の袋で売られています。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 2〜3kg(およそ 5〜8L)。畝 1 本で 10〜15L。
土の粒をつなぐのは微生物の働きで、その餌になるのが堆肥です。未熟なものは根を傷めるので「完熟」と書かれたものを選びます。
- 苦土石灰探す言葉「苦土石灰 粒状」
- 規格の目安
- 粒状のものが扱いやすく、風のある日でも舞いません。1〜20kg 袋。
- 数量の目安
- 1 ㎡あたり 100〜150g、畝 1 本で 200〜300g。1kg 袋で数畝ぶん。
日本の土は雨で酸性に傾きます。**必要な量は土質で 3 倍ほど違い**、黒ボク土は砂質土よりずっと多く要ります。入れすぎると今度はアルカリ性に寄りすぎるので、pH を測ってから決めます。
- 化成肥料(8-8-8 など)探す言葉「化成肥料 8-8-8」
- 規格の目安
- 窒素・リン酸・カリが同じ比率の粒状。まず 1 袋あればほとんどの野菜に使えます。
- 数量の目安
- 元肥は 1 ㎡あたり 100g、畝 1 本で 150〜200g。追肥は 1 回 1 ㎡あたり 30〜50g。
種類を増やすより、切らさないほうが効きます。作物ごとの正確な量は都道府県が施肥基準として公表しているので、量を詰めたくなったらそちらを見てください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 黒マルチ探す言葉「黒マルチ 95cm」
- 規格の目安
- 幅 95cm、厚さ 0.02mm。株間の決まっている作物は穴あき(株間 30cm・45cm)が楽です。
- 数量の目安
- 畝 1 本(3m)で 4m。50m 巻きなら 10 畝以上。
地温を上げ、雨のはね返りと雑草を抑えます。夏の高温期だけは、地温が上がりすぎるので白黒マルチに替える手もあります。
- 土壌改良材のセット買いは要りません。堆肥と石灰と元肥の 3 つで足ります。
- 連作していない畑なら、土壌消毒剤は要りません。
ツルナの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はツルナの育て方にまとめています。
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